ウェブマーケター井水:以前に「まずはホームページの目標を設定しましょう」とお話しましたよね。
そろそろ本腰いれて、アクセス数と問い合わせ率の2つをしっかり管理してみませんか。
相談者:
ああ、アクセス数と問い合わせ率ね。
現状の数字は全然把握できてないなぁ。
製造業ウェブサイトの「アクセス数」と「問い合わせ率」の重要性
「ウェブサイトを作ったものの、アクセス数が伸びない……」
「問い合わせが思ったほど増えず、改善の糸口が見えない……」
こんな悩みをお持ちの製造業の経営者やウェブ担当者の方は多いのではないでしょうか。
実際、ウェブサイトの成果を測るうえで、アクセス数と問い合わせ率は欠かせない指標です。
- アクセス数:ウェブサイトに訪れたユーザー数
- 問い合わせ率:訪れたユーザーのうち、問い合わせ行動を起こした割合
現状( 年 月) | 目標( 年 月) | |
---|---|---|
月間アクセス数 | (例)1000件 | |
問い合わせ率%(お問い合わせ数/アクセス数) | (例)1% | |
問い合わせ数 | ||
受注件数 | ||
受注内容 |
この2つを正しく理解し、改善していくことで、ウェブサイトからの成果(=新規顧客獲得や採用応募など)が大きく変わってきます。
本記事では、月間アクセス数と問い合わせ率を高める方法を解説します。
月間アクセス数を増やす方法:製造業におすすめの対策
アクセス数を増やすためには、潜在顧客や見込み顧客にまず「見つけてもらう」環境を整えることが大切です。
ここでは、製造業向けにおすすめの施策を5つご紹介します。
SEO対策(検索エンジン最適化)
検索エンジン(主にGoogle)の結果で上位表示されるよう、サイト内部やコンテンツを最適化する取り組みです。製造業の場合、技術情報や事例などの専門的な記事を定期的に発信すると、ロングテールキーワードで上位を狙いやすくなります。
まず初心者の方は次の3点を行いましょう。
- その1:戦うべきキーワードを決める:どんなワードで上位を狙うかを決めましょう。
- その2:現在上位に表示されている競合企業のサイトをみる:SEOは本質的に競争です。競合を知ることが大事。
- その3:競合企業よりも充実した情報を自社サイトに掲載する:競合よりも上位に出るための近道です。
実際のところ、何をすれば上位になるのかは、どれだけ競合企業が頑張っているかによって異なります。
上記その1~その3をしても上位にならなかった場合に検討したいSEO対策の主だったものを紹介します。
- 新鮮な情報を用意する:最終更新から3か月以上経過しているものは更新しましょう。
- 内部対策:タイトルやディスクリプションの設定、URL構造の最適化、ページ表示速度の向上など
- 外部対策:良質な被リンク獲得、業界メディアや専門サイトへの寄稿など
- コンテンツSEO:ブログや記事の継続更新、顧客が検索しそうなキーワードを意識したタイトル設定
関連ページ:中小企業のためのSEOチェックリスト完全ガイド【最新版】
ウェブ広告
ウェブ広告は大きく分けてリスティング広告とディスプレイ広告に分けられます。
リスティング広告(検索連動型広告)
リスティング広告とは、広告を出すときにワードを指定しておき、ユーザーが指定ワードで検索した時に検索結果画面に広告を出すことができます。
例えば、「切削加工 チタン 薄肉」「精密板金 長尺 短納期」などのキーワードを設定し、見込み度の高いユーザーをホームページに呼びこむことが可能です。
ディスプレイ広告
検索エンジンではなく、世の中にあるウェブサイト上にバナー広告を出すディスプレイ広告、もありますが、広告が限られている場合は、リスティング広告が「いますぐ客」にアプローチできるため、おすすめです。
認知を拡大したり、一度ホームページを閲覧したユーザーへの追いかけ広告をする場合はディスプレイ広告も有効です。
ターゲットとするユーザー(購買担当者、開発担当者、試作担当、同業)が普段よく見るウェブサイトやソーシャルメディアに広告を出すことで、比較的効率よく広告を出せるのが特徴です。
関連ページ:1万円で始める広告運用~初心者向け、最初の一歩~
SNS活用
製造業の場合、メーカー担当者ならInstagramやX、中小企業の経営者向けならFacebookが比較的効果的です。
社員インタビューや製造現場の写真、技術解説などを定期的に投稿したり、周りの人との交流をすることで、興味を持った潜在顧客に発見してもらう機会を増やすことができます。
SNSで存在感を出すためには日ごろの運用が必要ですが、広告を出して露出を増やすことも可能です。
プレスリリース配信
新製品のリリースや新技術の開発など、ニュースバリューの高い情報をプレスリリースとして配信すると、業界メディアやポータルサイトに取り上げられる可能性があります。
知名度向上だけでなく、思わぬ取材依頼やウェブ上での被リンク獲得につながり、SEO的にもプラスとなります。
オフライン施策との連携
展示会やセミナーなど、製造業ではリアルな場での営業活動も依然として重要です。
メジャーな製造業の展示会では、名刺をもらった人に追いかけの営業アプローチをオンラインで行うことが一般的になってきています。ウェブサイトのURLやQRコードを配布資料や名刺に載せておくと、オフラインからオンラインへの導線を作れます。
展示会に出展するサンプルの技術情報などをホームページに載せたり、ダウンロード資料を用意しておくことで、会場では直接話せなかった人や検討レベルがまだ低い人への訴求になります。
問い合わせ率を高める5つのアイデア
アクセス数が増えても、実際に問い合わせや見積もり依頼につながらなければビジネス成果は上がりません。
そこで重要なのが問い合わせ率です。
ここでは、問い合わせ率を高めるためのアイデアを5つ紹介します。
ターゲットユーザーに合わせたコンテンツ作成
製造業の強みは技術力や品質管理などです。
顧客目線で分かりやすくまとめた情報を掲載、Q&Aページなどを充実させると、問い合わせにつながりやすくなります。
「実際にこの会社なら任せられそうだ」と思ってもらうには、事例や顧客の声などが効果的です。
分かりやすい導線設計
問い合わせフォームや資料ダウンロードのボタンなど、ユーザーに行動を促すCTA(Call To Action)の配置が重要です。
サイト内の導線が複雑だと、途中で離脱してしまうユーザーが増えます。
「すぐ問い合わせできる」「すぐ見積もりを依頼できる」といった安心感を与えるデザインを心がけましょう。
フォーム最適化(EFO)
問い合わせフォームの入力項目が多すぎると、ユーザーは面倒に感じてやめてしまうことがあります。
最小限必要な情報だけを求め、残りはやりとりの中で補足すると良いでしょう。
魅力的なCTAを設置
ボタンの文言を「お問い合わせはこちら」ではなく、もう一歩踏み込んで「試作や短納期加工のご相談はこちら」のように具体的に書くとCVRが上がるケースがあります。
色やサイズも含め、視覚的に目立つよう工夫することが大切です。
ウェブサイトのデザイン改善
古いデザインやスマホ非対応(レスポンシブ対応なし)のサイトでは、信用度が下がり離脱率が高まります。
製造業はBtoBだからと油断せず、最新のデザインやモバイル対応を行い、ユーザーがストレスなく情報を入手できるようにしましょう。
アクセス数とCVRを組み合わせて目標設定する
問い合わせ数や受注額といった目標を達成するためには、アクセス数とCVRを組み合わせて考えるのが効果的です。
例えば、新規顧客開拓が目標の場合:
- 月間問い合わせ数10件を目指す
- そのために、アクセス数を1000件に増やし、CVRを1.0%確保する
- さらにアクセスのうち、特定のキーワードからの流入を●●件増やす、といったKPIを設定
このように、アクセス数とCVRの目標を数値化することで、社内での合意形成や施策の優先順位づけがしやすくなります。
まとめ:アクセス数×問い合わせ率=問い合わせ数
製造業のウェブサイトで成果を上げるためには、アクセス数とCVRの両輪を意識しながら改善していくことが不可欠です。
まずはアクセス数を増やす施策(SEO、広告、SNSなど)を実行し、同時にCVR(フォーム最適化、導線設計、CTA強化など)の向上にも取り組みましょう。
次のアクション例:
1. 現在のアクセス数とCVRをGoogleアナリティクスやヒートマップツールで把握する
2. 月間アクセス数とCVRを数値で目標設定(例:月5000アクセス・CVR3%)
3. 具体的な施策(SEO、広告、フォーム改善など)を優先度をつけて実行
4. 2週間~1ヶ月ごとに成果をチェックし、PDCAを回す
アクセス数とCVRの改善について、さらに詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。