
歯山 太郎(理事長)
集患したいけど、“売上を上げる”とか“新患者を増やす”とか抽象的すぎて、具体的にどこを改善すればいいのか迷うんだよね…。



井水 朋子(ウェブマーケター)
そこでおすすめしたいのがKPIツリーです。要素を細かく分解し、歯科医院の売上アップや目標達成に必要な指標を明確に可視化できますよ!



歯谷 歯奈子(院長)
なるほど…KPIツリーで“売上=患者数×単価”みたいに要素分解して、新規患者・リピート患者、Web予約率とかを紐づけるのね。これなら何が足りないか見えそう!
本記事の目的と概要
- KPIツリーを使って目標を構造化する方法
- 歯科医院の集患 目標設定(売上/新患など)を分解し、どこを改善すべきかを論理的に導く
- 効果測定ツールや具体的KPI例を紹介し、PDCAサイクルで集患施策を最適化
- 成功事例から学ぶ改善ポイント



ぜひ詳しく! 「何をどれくらい伸ばせば売上アップに繋がるか」をしっかり把握できると、ありがたい。
歯科医院の売上アップに必須!KPIツリーの重要性
KPIツリーとは?
- 目標(ゴール)を頂点に置き、必要な要素を階層的に分解したツリー構造
- デカルト的思考法:全体を“患者数”“予約数”“単価”など要素に切り分け、それぞれ相互作用を検証
KPIツリーを立てるメリット
- 要素分解により問題点を特定しやすい
- “アクセスは足りてるけど予約率が低い”など
- 施策と成果の因果関係が明確
- “SEO対策でアクセス増 → 予約増 → 新患増 → 売上UP”の流れ
- 優先度を付けやすい
- コスト対効果や達成可能性を考慮しやすい
- スタッフとの共有がスムーズ
- 図で見えるので理解しやすい



確かにツリー状にするとここが足りないからここを改善と論理的に会話できそう。チーム全員が同じ図を見れば意見がまとまりやすいね。
KPIツリーの作成手順:歯科医院の最終目標を軸に要素を分解
STEP1:最終目標を定義
- 売上アップ、新規患者数、月間集患目標など
- 例:「年間売上○○万円達成」「3ヶ月後に新患+20名」
STEP2:中間要素を決める
- 売上= 患者数 × 患者単価
- 患者数= 新規患者 + リピート患者
- 予約数= Web予約 + LINE予約 + 電話予約
- 例:「Web予約数 = サイトユーザー数 × 予約率」
STEP3:要素を階層的に展開し、関連づけ
階層/KPI | 具体例 | 考えられる施策・観点 |
---|---|---|
最終目標 | 売上アップ(例:年間◯◯万円) | – 全体的な集患・単価向上 – 自費診療強化、患者満足度向上 |
中間目標 | 1) 患者数(新規 + リピート) 2) 予約数(Web + LINE + 電話) 3) 単価 | – 新規患者獲得策(広告、SNS) – 予約率UP(フォームUI改善) – 高額治療プランの提案 |
下層の具体KPI | – 新規患者数 = アクセス × 予約率 – Web予約 = (サイトユーザー × 予約率) etc. | – SEO/MEO対策 – LP最適化 – LINE公式アカ運用 – 電話対応の研修など |
さらに細分化 (例:Web予約の要素) | Webサイトユーザー数 → (新規ユーザー + リピートユーザー) 予約率→ (フォーム離脱率) | – GA・Search Consoleでアクセス解析 – フォーム項目削減で離脱率改善 |
STEP4:具体的な数値目標を設定
- 例:Web予約率5%→10%、新規ユーザー数 月200→300
- いつまでに、どのくらいの数字をを明確化
STEP5:必要データの計測準備
- Google Analytics, Search Console, 予約システム、LINE公式アカウント等を初期設定する
- 定期的に数値を取りまとめる仕組みを作る



なるほど…この表形式だと Web予約増 → 新規患者増 → 売上増 という関係がすぐ見えるね。優先順位も付けやすい。
専門分野の歯科医院に応じたKPIツリーモデル
インプラント特化
階層/KPI | 具体例 | 施策例 |
---|---|---|
最終目標 | 月インプラント施術〇〇件 (売上〇〇円) | – インプラントLP最適化 – SEO「インプラント 痛み少ない」など |
中間目標 | インプラント相談件数 カウンセリング成約率 | – 無料相談 or カウンセリング導線強化 – 専用スタッフ配置 |
下層KPI (例:相談件数) | サイト経由問い合わせ数 電話問い合わせ数 LINEトーク相談数 | – LPや広告で「無料カウンセリング」誘導 – LINE公式アカでのアプローチ |
さらに分解(例:サイト経由) | アクセス数(新規ユーザー + リピート) 予約率(フォーム送信完了率) | – SEO/広告 – フォームUI改善 – 痛みや費用への不安を解消するFAQを充実化 |
小児歯科特化
階層/KPI | 具体例 | 施策例 |
---|---|---|
最終目標 | 小児診療売上◯◯円アップ 月○○件の新規親子来院 | – ママ層向け広告 – キッズイベント – 土曜診療 |
中間目標 | 親子新患数 継続来院率(リピート) 口コミ評価 | – ママ友口コミ対策 – ファミリー向けSNS投稿 – キッズスペース充実 |
下層KPI (例:新患数) | Web予約数 / 電話予約数 / LINE予約数 | – LPで「子どもの治療が痛くない」強調 – 予約システムで小児優先枠を設定 |
さらに分解(例:Web予約) | サイトアクセス(新規女性ユーザー) 予約率(ママ向けキャッチコピー・UI工夫) | – ママ層が使うSNS広告 – Googleマップ/口コミサイトで小児専門アピール |
KPIツリーをフル活用!歯科医院の成果を最大化する効果測定
効果測定の具体的な指標
- アクセス関連: ユーザー数、セッション数、直帰率、平均滞在時間
- 予約関連: Web予約率、LINE予約率、電話成約率、フォーム離脱率
- 患者関連: 新規患者数、リピート率、キャンセル率
- 収益関連: 自費診療件数、インプラント施術数、小児来院数、売上高
ツールと使用例
ツール | 測定対象 | ポイント |
---|---|---|
Google Analytics | Webサイトアクセス数、離脱率、CV(予約完了) | – ページ別滞在時間、フォーム離脱地点把握 |
Google Search Console | 検索クエリ、表示回数、クリック率 | – “歯科医院 + 地域名”などのキーワード順位把握 |
予約システム | 予約数、キャンセル率、時間帯別予約状況 | – いつ予約が集中するか把握し、スタッフ配置や時間枠拡充を検討 |
LINE公式アカウント | 友だち数、トーク履歴、LINE予約数 | – 定期告知の反応で、新規 vs 既存ユーザーの行動を分析 |
CRM/レセプト | 新規/リピート患者数、治療履歴、単価 | – リピート率、顧客単価(自費診療含む)に基づく施策を検討 |
効果測定のプロセス
- KPIを定期的に計測(週・月・四半期など)
- 目標値と実績値を比較→ ギャップを分析
- 問題KPIを特定→ 予約率が低いのか、アクセスが少ないのか、電話成約率か
- 改善策を実施→ 次回測定で効果検証



1つ1つのKPIを丁寧に論理的に検証すれば、どの指標がボトルネックかすぐ分かります。
KPIツリーから導き出す!歯科医院の効果的な改善策立案
- 優先度決定
- 費用対効果や実行難易度を比較→ 早く成果を出せる施策から着手
- 試行&検証
- 広告、サイトUI、診療時間変更など → KPI監視で効果を測る
- PDCAサイクル
- Plan(施策立案)→ Do(実行)→ Check(KPI確認)→ Act(改良)
改善策の例
課題(KPI低迷) | 対策 |
---|---|
アクセス数が少ない (Webユーザー数) | – SEO強化(ロングテールキーワード) – MEO対策(Googleマップ最適化) |
予約率が低い (フォーム離脱多い) | – 入力項目を減らす – モバイル最適化 – 痛み/費用不安をFAQで解消 |
電話予約が少ない | – スタッフの電話対応マニュアル整備 – 夜間コールセンター検討 |
キャンセル率が高い | – リマインドメール/LINE – 事前説明の丁寧化 |



なるほどね。こうやってKPI別に対策を考えれば、ボトルネックに対して費用を投じることができるんだね。
KPIツリーで売上を伸ばした歯科医院モデル
- 背景
- インプラントを推しているが月施術数が5件程度→ 収益伸び悩み
- KPIツリー作成
- 最終目標: インプラント施術数 月10件 → 売上○○円
- 中間: Web/LINE/電話相談件数、カウンセリング成約率、患者単価
- 下層: サイトアクセス数、予約率、Googleマップ口コミ数 etc.
- 測定
- Google Analytics: “インプラント”キーワード流入少ない
- 予約システム: フォーム途中離脱率が40%
- 施策
- SEOで“インプラント 痛み少ない”記事作成→ Search Consoleでクリック率↑
- フォーム短縮&費用不安を解消するQ&A掲載
- LINE公式で無料カウンセリング告知
- 結果
- 3ヶ月で月施術数8件に→ 6ヶ月後10件到達、売上インプラント部門+40%



KPIツリーから、予約率も流入数も両方底上げしたのね。具体的に数値を見るからこそ対策が当たったわけね!
まとめ:歯科医院のKPIツリーで集患目標を可視化し、売上アップへの戦略を明確にしよう
本記事の要点
- KPIツリーの構造化
- 売上→ 患者数(新規+リピート)& 予約数(Web+LINE+電話)& 単価 など
- デカルト的思考法で要素分解
- 1つずつ論理的に切り分け、相互作用を検証→ どこを改善すれば良いか明確
- 具体的なKPI設定&効果測定
- GA, Search Console, 予約システム, LINE公式 などで数値管理→ PDCA
- 成功事例
- インプラント・小児歯科など医院の特徴に合わせたKPIツリーが有効



今日からウチも売上ゴールに向けてKPIツリー作ってみようかな。
例えばアクセス数×予約率→ 新規患者…って感じで数字を追うと、改善策が明確になりそう。



少しの時間でできるものなので、ぜひ試してみてください。
アクションプラン:KPIツリー作成と改善
- 最終目標設定(売上or新規患者数など)
- KPIツリー作成(表 or 図で階層構造を可視化)
- 具体的KPIの数値設定
- 例:Web予約率10%、電話問い合わせ成約率50% etc.
- 効果測定ツール設定(GA, Search Console, 予約システム, LINE公式)
- 定期レビュー(週or月)→ PDCAで改善
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