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歯山 太郎(理事長)
「SWOTや3C分析で医院の大枠は見えたけど、患者さんの“本音”をもっと知りたいんだ。『歯科医院 ユーザーインタビュー』って具体的にどう進めればいいんだろう?」
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井水 朋子(コンサル)
「アンケートや行動観察など“定量調査”に加え、顧客体験を深く掘り下げる定性調査がユーザーインタビューです。患者さんのターニングポイントを見極め、“なぜ”を3回繰り返すと“真の決め手”が見つかりますよ。」
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歯谷 歯奈子(院長)
「へぇ…広告やWebだけじゃ拾えない“患者の声”が、マーケティングや差別化に役立つのね。忙しい歯科でも簡単にできるといいな。」
ユーザーインタビューのメリット
- 患者の声(顧客の声)をリアルに把握:行動観察やアンケートでは気づけない本音やインサイト
- なぜを3回繰り返すことで、患者が“ここに決めよう”と思ったターニングポイントを発見
- N=1でも価値がある(0より遥かに有益)。さらにN=5以上行うと共通パターンが見えやすい
- コンテンツマーケティングに繋げやすい(事例紹介・お客様の声・共感喚起など)
井水
「具体的には、矯正・インプラント・ホワイトニングなど、高額自費治療の決定要因をヒアリングするのが効果大です。広告費を抑えつつ、患者の本音をWebサイトへ反映し、集患力を高めましょう!」
インタビュー対象者はどう選ぶ? 表裏なく“本音”を言ってくれる人を探そう
ユーザーインタビュー対象者の選定ポイント
- お世辞ばかり言う人は注意
- “何の不満もないです”“先生最高です”だけではインサイトが浅く、課題が見えない
- 本音・忌憚のない意見をくれる患者
- 長く通っているリピーターや口コミ投稿者など、通院頻度が高い人
- 逆に、一度だけ来院して辞めた患者さんも“ネガティブ意見”をもらえる貴重な存在
- 治療内容や属性をバラす
- 矯正治療を受けた若い女性、インプラントを検討中の中年男性など、多様性が欲しい
- N=1でもOKだが5人以上が望ましい
- 1人でも院内スタッフだけとは異なるため「こんな視点があったんだ!」という発見は大きい
- 5人以上インタビューすると共通のターニングポイントが明確に見えてくる
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なるほど…リピートしてくれてるビジネスパーソンや、部分矯正だけ受けに来た女性とか、複数人でバランスよく聞くといいわけだ。
ユーザーインタビューの具体的質問リスト ~「なぜ」を3回深掘りする
質問リスト作成のポイント
- まずはオープン質問:患者が自由に話せるように
- “なぜ”を3回:最初は表面的な理由→中間→真の決め手(ターニングポイント)
- ポジ/ネガ両面:褒めポイントと不満点の両方を引き出す
質問例
- 通院のきっかけは何でしたか?
- Why1: 「会社が近いから」→ さらに「なぜ会社が近いと決め手になったのか?」
- 当院を知る前に、他院も検討しましたか?
- Why2: 「他院は抜歯必須と言われて不安だった…」→ 「なぜ不安に感じたのか?」
- この医院を最終的に選んだ“決め手”は何でしたか?
- Why3: 「複数プランを提案してくれて、費用は高くても納得できた」
- 治療に対して不安や不満はありませんでしたか?
- ポジ意見だけでなくネガティブ要素も確認
- もし友人に当院を勧めるなら、なんて言いますか?
- “ブランド・ブランディング要素”を探る
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上記はあくまでも例です。傾聴力を大切にして、話が出たらさらに深掘りのなぜを重ねていきましょう。
インタビュー実施の流れ
┌────────────────────┐
│ STEP1: 事前準備 │
│ ・質問リスト作成 │
│ ・インタビュアー選定 (第三者) │
│ ・対象患者の選定 (N=1~5+) │
└────────────────────┘
↓
┌────────────────────┐
│ STEP2: 実施 │
│ ・場所(カフェ等) │
│ ・アイスブレイク │
│ ・録音/メモ │
│ ・ターニングポイントを深掘り │
└────────────────────┘
↓
┌────────────────────┐
│ STEP3: 分析・活用 │
│ ・ターニングポイント抽出 │
│ ・院内フィードバック │
│ ・Webサイト/ブログで活用 │
└────────────────────┘
歯科医院のユーザーインタビュー実施フロー図解
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院内だと気を遣わせるし、外部の人にお願いしてカフェで聞き出すと自然体になりやすそうですね。
その通りですね。
外部の人を入れるメリットはまだ他にもあって、院内の人だと「知ってるでしょ」という暗黙知で済まされてしまうようなことでも、外部の人間が入ることで患者様が言語化してくれるという利点があります。
ユーザーインタビューを「使えるデータ」にするポイント
リラックスして患者様のストーリーを話してもらう土台を作る
まずはリラックスしてもらいましょう。
インタビューを行う場所は院内でもかまいませんが、チェアの上は緊張するので避けましょう。
医院の近くにあるカフェでドリンクやデザートをご馳走するのもよいでしょう。
アイスブレイクでは世間話をしましょう。
世間話を通じて、患者様の年齢や出身、価値観など人となりを聞きだしておきます。
*基本情報は尋問にならないように気をつけましょう。相手が緊張してストーリーを話す妨げになります。
時系列で患者様のストーリーを話してもらう
治療を思い立ってからを話してもらいましょう。
患者様が十分にリラックスしたら、「では本題ですが、治療を思い立ってからのことを話してもらえますか?」と切り出します。時系列に話してもらうと患者様にとってのストーリーを聞き出しやすいです。
誠実に関心を寄せながら、ヒアリングを進めましょう
ここでは患者様の行動やお悩みなどを知ることが最大にして唯一の目的です。
ヒアリングをしながら、時折、適切な質問を投げかけて深掘りします。(次項参照)
適切な質問でターニングポイントの解像度を高める
ターニングポイント前後で「なぜ」を3回繰り返してみましょう
たとえば、「なぜ治療を始めたのか」という話の時には「なぜそのときに治療を開始しようと思ったんですか」「なぜ他の治療ではなくその治療をしようと思ったんですか?」「なぜその決断ができましたか?」といった質問をしてみましょう。
決断の力点を探る
人が決断するとき、合理的に決断するとは限りません。その判断をした要因が何だったかを探るように意識しましょう。特に非合理的な判断を思い出してもらうには、リラックスした状態で話してもらうことが肝要です。
インタビューの結果をデータにします
患者様の属性を記録しておきます
インタビューで聞き出したデータ以外に、カルテなどのデータを付記して保存します。
インタビューは全文と要約版の両方を用意
録音した音声データを文字に起こします。インタビュー全文を記録として保存しておき、適宜要約版も作成します。
共感できるメッセージを作成する
- Webサイト・ブログ「事例紹介」
- インタビュー内容をもとに「患者の声」や「ビフォーアフター」記事を作成
- 具体的エピソードで共感を生む
- FAQ・症例別ページ
- 患者が迷うポイントをQ&A形式に → “なぜ高額でも決断したのか”“どういう治療プランが安心なのか”
- SNS投稿・ニュースレター
- 個人情報に配慮しながら、印象的なコメントを紹介
- “抜歯なし矯正ができた” “他院で断られた難症例でもOK”など
他の診療科の活用事例
- インプラント:インタビューで「他院より費用高いが、耐久性や術後ケアが決め手」
- ホワイトニング:インタビューで「結婚式に間に合わせたかった」「短期集中を選んだ理由」
- 小児歯科:インタビューで「子どもが怖がらない工夫がありがたい」など
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たとえばインプラントなら、「なぜ高額でも治療をしようと思ったのか」を深堀りすることで、「保証体制がしっかりしていた」「院長の技術を信頼した」などターゲットに選んでもらえた強みを発見できます。
これらをしっかりホームページで伝えることで、差別化にもなります。
成功事例:歯科がインタビュー前後でPV30倍・予約数10倍に
井水が実際にインタビューしたクライアントさんです
- 東京駅界隈で矯正専門を展開。競合多数の中、同院はひとり院長で広告予算もほとんど0でした。
- 患者・一般歯科へのインタビュー実施→「抜歯不要のプラン提案が良かった」「治療費は他院より少し高いけど説明が丁寧で信頼できる」「他院では断られたものでも自分の希望に寄り添って話してくれた」など本当の強みを把握
- ウェブコンテンツに反映(キャッチコピー、広告、ページ構成変更、ページの改訂、デザインなども最適化) → PV30倍、Web予約10倍へ
まとめ
本記事の要点
- 歯科医院 ユーザーインタビューの意義
- なぜを3回繰り返してターニングポイントを掘り起こし、施策に活用
- N=1でも大きな収穫、N=5以上なら共通パターンが見える
- お世辞ばかりの患者より、忌憚なく意見してくれる人が◎
- 質問リストの充実&第三者のインタビューがベスト
- 「通院きっかけ」「他院検討」「決め手」などを深掘り質問→本当の強みが明確化
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早速、土日に来院してるビジネスパーソン何人か選んで、井水さんにインタビュー頼もうかな。
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いいですね。インプラントやホワイトニング受けてる方にもぜひ。一度N=1でも実施してみれば、“0”の状態より圧倒的に多くのインサイトを得られますよ。
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うん、コンテンツにも活かせるし、スタッフも患者心理を共有できるし、いいことづくめね。やってみましょう!
アクションプラン
- インタビュー対象者を選ぶ
- 治療内容(矯正、インプラント、ホワイトニングなど)別に数名ずつ
- リピーターや口コミ投稿者、通院頻度の高い患者が候補
- 質問リストを具体化
- 「なぜ(Why)」を3回深掘りできるフォーマット
- ポジティブだけでなく、ネガティブ面も引き出すよう配慮
- インタビュアー&場所の準備
- 可能なら第三者(コンサル、外部スタッフ)+医院外(カフェ等)
- 実施→分析→活用
- ターニングポイントをまとめ、サイト・SNS・チラシ等で“患者の声”を具体的に発信
- PDCAを回して、多様な患者層(N=5以上)をインタビュー
関連リンク
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