製造業ホームページの目的別ページ構成例

ホームページの目的を明確にすることが、サイト構成の第一歩
多くの中小製造業、特に受託加工をメインとする企業は、ホームページで何を載せればいいのか分からないまま形だけのページを作りがちです。
その結果、問い合わせが増えない、既存顧客に情報が行き渡っていない、求人に繋がらないなどの問題が起きています。
- 自社の強みが明確に伝わっていない
- そもそも新規顧客向けなのか、既存顧客向けなのか、採用向けなのか…サイト全体の目的が曖昧
- ページを更新していないため古い情報ばかり
一方、目的をはっきりと定め、競合との差別化や問い合わせ増が期待できます。
本記事では、3つの主要目的に応じたサイト構成例と、押さえるべき主要ページを解説します。
製造業ホームページの主な目的
製造業ホームページの目的は会社によって正解が異なるかと思いますが、ここでは3つに分けて紹介します。
1. 新規顧客開拓
自社の技術・サービスをまだ知らない潜在顧客へアプローチし、問い合わせや引き合いを獲得します。
2. 既存顧客との関係強化
一度取引のある顧客に対し、追加情報を提供してリピート率や客単価を向上します。
3. 採用・ブランディング
企業イメージが高まるメッセージで発信し、求職者や社会全体に好印象を与えます。
ここからはそれぞれのホームページの目的ごとの基本構成を紹介します。
新規顧客開拓向けホームページの場合のページ基本構成
受託製造業が新規取引先の開拓を目的とした場合のホームページの構成例を紹介します。
そこで、以下の基本構成と各ページの詳細を紹介します。
基本構成
- トップページ
- 技術紹介ページ(複数)
- 事例紹介ページ(複数)
- 会社概要ページ
- 問い合わせページ(資料請求含む)
導線設計のポイント
- トップページから技術紹介・事例紹介へのリンクを大きく配置
- 各ページで問い合わせや資料請求CTAを分かりやすい位置に設置
- 連動するブログや技術コラムから、関連する技術紹介や事例ページへの内部リンクを貼る
【重要】トップページ構成案
- メインキャッチコピー
- 自社の強み、ターゲット顧客、提供価値を一瞬で伝える
- 例:「航空・宇宙分野の難削材加工に特化!短納期で高精度を実現」
- キービジュアル
- 高品質な写真や動画で工場の様子や製品サンプルを見せ、インパクトを与える
- 強み紹介
- 3~5つ程度に絞り込み、わかりやすいアイコンや見出し
- 例:技術力、対応力、実績、コストメリットなどKBFに直結する項目
- 技術紹介への導線
- 「加工技術一覧」「〇〇加工技術を見る」などのボタン
- 事例紹介への導線
- 「導入事例」「お客様の声」など最新事例のサムネイル表示
- 新着情報
- ブログやニュースの更新情報を掲載し、サイトの活性化をアピール
- CTA
- 「お問い合わせ」「無料見積もり依頼」「資料請求」など
- 目立つボタンで行動を誘導
- 会社概要へのリンク
- 信頼性を高めるために企業情報も見てもらいやすくする
【重要】技術紹介ページ構成案
- ページタイトル
- 「チタン合金の切削加工」「ステンレス薄板のプレス加工」など、具体的名称
- 導入文
- その加工技術の概要とメリット。顧客のKBF(取引先を選ぶ理由:納期・コスト・精度など)を掴む
- 対応可能な材質・サイズ・精度
- 数値を含めて明示(例:~φ500mm、精度±0.01mm)
- 設備紹介(写真・動画)
- メーカーや型番も記載し、信頼度アップ
- 加工事例へのリンク
- 「実際の事例はこちら→」で事例紹介ページへ誘導
- FAQ
- よくある質問を先回りして回答、問い合わせハードル下げ
- CTA
- 「この技術でお困りなら、見積もり依頼はこちら」など
【重要】事例紹介ページ構成案
- タイトル
- 「自動車エンジン部品の精密加工事例」など業界別・用途別でわかりやすく
- 顧客の課題
- 例:「試作品を短納期で作りたいが、精度が出ない…」「コストが高すぎる…」など
- 提案内容
- 自社がどんな技術をどう使い、どう解決したか
- 導入効果
- 「コスト〇%削減」「納期〇日短縮」「不良率〇%減」など数値データ
- お客様の声
- 実名or企業名などを可能な範囲で掲載し信頼度アップ
- CTA
- 「同様の課題はありませんか? 見積もり依頼はこちら→」
- 関連技術紹介ページへのリンク
- その技術の詳細をさらに知りたい人向け
既存顧客との関係強化を目的としている場合の基本構成
- トップページ:既存顧客向けのお知らせ、新技術情報など
- 技術サポートページ:FAQ、ダウンロード資料(メンテナンスガイド等)
- お客様の声ページ:他顧客の使用事例・満足コメント(新規顧客にも有効)
- ニュースページ:新技術導入・展示会出展など最新情報
- SDGs/CSRページ:取引先としての信頼感を強化
導線設計のポイントは次の3点です。
・トップページに「既存顧客向け情報」コーナーを作り、サポートやメンテナンス情報へすぐ行ける
・お客様の声は新規顧客にも有益なコンテンツなので全体のメニューにも配置
・FAQやサポート資料が充実すれば問い合わせ削減&顧客満足度UP
採用・ブランディングを目的としている場合の基本構成
- トップページ:企業イメージ、社員の様子、技術力などで魅力を打ち出す
- 採用情報ページ:募集要項、給与・待遇、応募方法
- 社員紹介ページ:インタビュー、1日の流れ、やりがい
- 企業文化紹介ページ:社風、福利厚生、研修制度、SDGs/CSR取り組みなど
- 社長メッセージ:経営理念やビジョンを語る
- エントリーフォーム:応募を簡単に行える導線
導線設計のポイントは次の3点です。
・トップページやヘッダーから「採用情報」へのボタンを目立つ形で配置
・社員インタビューや企業文化ページにエントリーフォームのCTAを設置
・会社概要や技術紹介ページとも連携し、「技術力を肌で感じたい人向け」→ 社員インタビューを見る、など回遊できるように
まとめ:顧客視点のサイト構成で、ウェブサイトからの成果を最大化しよう
ウェブサイトの構成は、目的(新規顧客開拓・既存顧客関係強化・採用/ブランディング)ごとに大きく変わります。
受託製造業なら、特に新規顧客向けに「トップページ→技術紹介ページ→事例紹介ページ→問い合わせ」までの流れをきちんと作り込み、KBF(納期、コスト、品質、対応力)をしっかり伝えることが非常に重要です。

まずは自社のウェブサイトで、主要目的を再確認し、トップページ・技術紹介ページ・事例紹介ページを再設計してみましょう。
ペルソナが検索で入ってきて、最終的に行動(問い合わせ・資料請求・エントリー)を起こしやすくなるサイト構成が鍵です。
疑問があればお気軽にご相談ください。貴社ウェブサイトに合った構成案を一緒に考えましょう。