製造業ウェブサイトのための写真撮影・動画制作のポイント

製造業ウェブサイトのための写真撮影・動画制作のポイントがわかります！

その写真・動画、本当に「伝わって」いますか？

文章だけでは伝えきれない技術力や製品の魅力を効果的にアピールする手段として、写真や動画は非常に有効です。

こんな「残念なホームページ」になっていませんか？
・画質が暗い、ピンボケしてしまっている。
・加工工程や製品の細部が写っていない。
・そもそも写真・動画が極端に少ない。

ビジュアルこそが「どんな材料をどう加工するのか」「現場の熟練度はどの程度か」を直感的に示す力を持ちます。
この記事では、効果的な写真撮影・動画制作の基本と活用ポイントを整理。
見込み顧客の「ここなら頼めそう！」を引き出しましょう。

なぜ製造業ウェブサイトに画像・動画を載せた方がいい4つの理由

以上の4つの理由から、製造業のホームページには画像や動画が必要です。

1. 技術力・製品の魅力を視覚的に伝えられる
   • 加工精度や特殊素材対応の様子は、文章より実写のほうが説得力大
2. 顧客の理解を深め、信頼感を高める
   • 作業工程や検査風景を見せれば品質に対する安心感が得られる
3. 競合他社との差別化
   • 質の高い写真・動画があるだけでも大きく印象が変わる
4. SEO効果
   • alt属性やYouTube埋め込みなどで検索流入増が狙える

では、具体的にどんな目的でどんな画像を表示させるのでしょうか。

製造業向け ホームページに掲載する写真撮影のポイント

撮影のポイント①── 写真や動画の目的を明確に

1. 情緒的要素（社員の表情、工場の活気）
2. 加工品の形状や質感（細部や仕上げを明るく撮る）
3. 工程や技術的魅力（加工風景、検査工程など）

明確な狙いを持つことで、アングル・機材・照明などの撮影方法が定まり、伝えたい情報がより伝わる写真になります。

撮影のポイント② 効果的な撮影4つの条件

1. 明るさは写真の生命線

写真は光の芸術とも言われます。
被写体が暗いと、せっかくの技術や製品の魅力も半減し、顧客に不信感を与えかねません。
十分な明るさを確保するため、自然光が入る場所で撮影し、難しければ、レフ板や照明機材を活用したりしましょう。
カメラの露出補正機能を使ったり、撮影後に画像編集ソフトで明るさを調整するのも有効です。
ただし、明るくしすぎると白飛びしてしまうので、注意が必要です。

2. ピントは正確に、が鉄則

ピントが合っていない写真は、プロ意識に欠ける印象を与え、企業の信頼性を損なう可能性があります。
製品の細部や技術者の真剣な表情など、見せたい部分に確実にピントを合わせることが重要です。
オートフォーカス（AF）だけでなく、マニュアルフォーカス（MF）も活用し、被写界深度（ピントが合う範囲）も意識しながら、正確なピント合わせを心がけましょう。
特に、複数の被写体がある場合は、どこにピントを合わせるかで写真の印象が大きく変わります。

3. 背景と構図で、主役を引き立てる

写真は、背景と構図で大きく印象が変わります。
製品写真であれば、白やグレーなどシンプルな背景を選び、製品が最も引き立つように配置しましょう。
不要なものが写り込まないよう、撮影場所の整理整頓も重要です。

4. アングルと拡大で、情報を多角的に

製品の全体像を捉えるだけでなく、顧客が見たいと思う部分（加工の接合部、表面の仕上げ、内部構造など）を、様々な角度から、そして時にはマクロ撮影で拡大して見せることも重要です。
技術紹介ページなどでは、製品の大きさを示すために、定規や人の手を一緒に写し込むことも有効です。
複数のアングルから撮影することで、顧客は製品の形状や特徴をより深く理解できます。

製造業ウェブサイトで効果的な動画 を作るための4つの基本

1. 動画の種類と目的を定める

まず、何のための動画かを明確にしましょう。
製造業のウェブサイトでよく使われるのは、

• 企業理念や事業内容、社風などを伝える「会社紹介動画」（1～3分程度）、
• 加工技術や設備を紹介する「技術紹介動画」（3～5分程度）、
• 顧客の課題解決事例を紹介する「事例紹介動画」（3～5分程度）、
• 社員の声や働く環境を伝える「社員インタビュー・採用動画」（2～5分程度）

などです。目的に合わせて動画の種類を選びましょう。

2. 企画と構成で、動画の質が決まる

動画の目的が決まったら、次は企画と構成です。
「誰に何を伝えたいか」を明確にし、ターゲットが最も知りたい情報を整理しましょう。
ストーリーボード（絵コンテ）を作成し、動画全体の流れ、各シーンの構成、ナレーションなどを具体的に決めていくと、スムーズに制作できます。動画は短く、テンポ良くまとめるのがポイントです。

3. 撮影・編集は、機材とスキル次第

撮影には、ビデオカメラや一眼レフカメラが理想ですが、最近のスマートフォンでも十分な画質の動画が撮影できます。
ただし、三脚、照明、マイクなどの機材は、動画のクオリティを大きく左右するため、できる限り揃えましょう。
編集は、Adobe Premiere ProやFinal Cut Proなどの有料ソフトのほか、iMovieなどの無料ソフトでも可能です。

4. 動画公開と拡散で、より多くの人へ

完成した動画は、YouTubeなどの動画共有サイトにアップロードし、自社のウェブサイトに埋め込みましょう。
動画はSEO効果も期待できます。
さらに、SNSやメールマガジンなどで動画を告知することで、より多くの人に見てもらうことができます。
自社サイトだけでなく、展示会や営業ツールとしても活用可能です。

写真・動画の限界と注意点

ウェブサイトの表示速度、大丈夫？　～画像サイズと最適化～

高画質でも、重い画像は逆効果！ ウェブサイトの表示速度はSEOにも影響
美しい写真や高画質の動画は魅力的ですが、ファイルサイズが大きいとウェブサイトの表示速度が遅くなり、ユーザーの離脱を招きます。
Googleなどの検索エンジンは、表示速度をウェブサイトの評価基準の一つとしているため、SEOにも悪影響です。
TinyPNGやImageOptimなどのツールで画像を圧縮したり、WebP形式などの軽量な画像フォーマットを活用したりして、画像サイズを最適化しましょう。画像の遅延読み込みも有効です。

その写真、誰かの権利を侵害していませんか？　～著作権・肖像権～

無断使用はNG！ 写真・動画の権利関係、しっかり確認を
ウェブサイトに掲載する写真や動画には、著作権や肖像権が発生する場合があります。
社員や顧客、外部のモデルなどを撮影する場合は、必ず事前に許可を取りましょう。
フリー素材を使用する場合も、利用規約をよく確認し、商用利用が可能か、クレジット表記が必要かなどを確認することが重要です。
音楽を使用する場合は、著作権フリーの素材を使うか、JASRACなどの著作権管理団体に使用許諾を得る必要があります。

思わぬ情報漏洩を防ぐには？　～企業秘密への配慮～

工場内の撮影、ココは写さないで！ 企業秘密は厳守
工場内の写真や動画は、技術力や生産体制をアピールする上で効果的ですが、企業秘密に関わる情報が写り込まないように注意が必要です。
撮影前に、撮影場所、撮影範囲、撮影内容などを担当部署と調整し、機密情報が漏洩しないように対策を講じましょう。
場合によっては、撮影禁止エリアを設けたり、撮影後の写真・動画を厳重にチェックしたりすることも必要です。

まとめ：写真・動画で「伝わる」ウェブサイトに

「文章だけ」で説明すると難しくなる製造業の強みも、写真や動画を組み合わせれば一目瞭然になるケースが多いです。