ECサイトでレコメンド機能を強化して「お気に入り」に出会えるサイトへ|自動・手動の使い分けと設定方法を解説

ECサイトでは、商品ページにたどり着いたユーザーに「これは欲しい」と思わせるだけでなく、そもそもユーザーが自分に合った“お気に入りの商品”に出会える環境を整えることが大切です。
この記事では、ユーザーがECサイト内で商品との出会いを深め、購買行動につなげるために有効な施策を紹介します。回遊性の向上、レコメンド機能、パーソナライズ、検索改善など多角的にアプローチします。
レコメンド機能を強化する2つの方向性
「商品レコメンド機能を強化するにはどうしたらいいの?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
実は、レコメンドには大きく分けて「自動」と「手動」の2つのアプローチがあります。
自動レコメンドは、ユーザーの行動履歴をもとに、システムが最適な商品を提案する方式です。
閲覧履歴や購入履歴、現在閲覧中の商品などをもとにしたレコメンドは、ツールやCMSの機能によって自動で表示されます。
一方、手動レコメンドは、管理者が特定の商品に関連する商品を自ら設定して掲載する方法です。
GA4などのアクセス解析ツールを活用し、ユーザー行動の傾向を読み取ったうえで、見せたい商品を手動で指定します。
自動レコメンドの導入方法(CMS別)
- Shopify:「おすすめ商品ブロック」やアプリ(例えばReConvert、LimeSpotなど)を活用
- EC-CUBE:「レコメンド管理」プラグインや商品関連付け機能を利用
- BASE:レコメンドアプリを活用するか、HTMLパーツで手動導入
- カスタム開発:Cookie情報やログインユーザーの行動履歴をもとにAIレコメンドAPI(KARTE、ZETAなど)を活用
手動レコメンドの作り方
手動レコメンドは、比較的小規模なサイトや商品数が限られているECサイトに向いています。以下のステップで進めましょう。
- GA4で「よく見られているページ」や「直帰率」「コンバージョンイベント」などを確認
- 人気商品・購入率の高い商品を抽出
- 類似カテゴリやセット販売向きの商品を手動で関連付けて表示(HTMLやCMSの手動ブロック)
どちらの方法にもメリットがありますが、自社の運用リソースや商品数、顧客データの蓄積状況に応じて選択・併用していくのがよいでしょう。
ユーザーが新たな商品を発見するきっかけのひとつが「おすすめ表示」です。閲覧や購入の履歴をもとに、最適な商品を提案する仕組みは、サイト滞在時間や購買率を向上させるうえで重要な役割を担います。
施策の種類 | 具体的な内容 |
---|---|
閲覧履歴ベース | 過去に閲覧した商品や類似商品を表示 |
購入履歴ベース | 購入した商品と関連性の高い商品を表示 |
お気に入りベース | ウィッシュリストに登録された商品に関連した提案 |
現在閲覧中の商品ベース | 関連商品・セット購入商品の提案 |
行動履歴全体ベース | 閲覧・購入・お気に入り等を分析したパーソナルレコメンド |
ランキング形式 | 人気順・レビュー順などのランキングで紹介 |
メッセージ付き表示 | 「あなたへのおすすめ」などのパーソナル文言付き提案 |
自動・手動のどちらが優れているということではなく、自社のリソースや商品点数、ユーザー行動データの蓄積状況に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。場合によっては、自動レコメンドを基本にしながら、一部の特集ページや重要商品には手動でレコメンドを補完するといった併用も有効です。
よくある質問(FAQ)
- レコメンド機能を導入するのに特別なツールは必要ですか?
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ShopifyやEC-CUBEなどの主要なCMSでは、標準機能や専用アプリでレコメンドを導入できます。さらに高度なパーソナライズを行いたい場合は、外部ツール(KARTE、ZETA、NaviPlusなど)と連携すると良いでしょう。
- 手動レコメンドは面倒ではありませんか?
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商品数が少ない場合や、キャンペーンページ・特集ページなど限定的に設定する場合には、手動のほうが柔軟で効果的です。GA4などで人気商品や閲覧傾向を見ながら絞ると、効率よく設定できます。
- レコメンドの効果を測るにはどうすればいいですか?
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GA4でイベント設定を行い、レコメンドブロックの表示数・クリック数・購入数を計測しましょう。また、A/Bテストで「表示位置」や「件数」を変えて効果比較を行うのも有効です。
- 閲覧履歴がない新規ユーザーにはどう対応すれば?
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「売れ筋ランキング」「レビュー評価が高い商品」など、第三者評価をベースにしたレコメンドが効果的です。また、トップページやカテゴリページでの初期導線も重要です。
まとめ
レコメンド機能は、ECサイトにおける“商品との出会い”を支える重要な仕組みです。
ユーザーの行動履歴を活用した自動レコメンドと、分析に基づく手動レコメンドは、それぞれにメリットがあります。
自社の運用体制や商品数に応じて、無理なく続けられる方法を選びつつ、ユーザーが「欲しかったもの」「想定していなかったけど魅力的なもの」に出会える導線を丁寧に整えていくことが、購買率の向上やファン化につながっていきます。

お困りの際はぜひ一度ご相談ください。専門家と一緒に作業すれば、余計な遠回りをせずに成果へ近づけるはずです。