SNSでバズれば被リンクが増える? SEO担当者が知るべき真実と活用法

「SEOのために被リンクを増やしたいけど、なかなか増えない…」
「SNSで投稿をバズらせて、一気に被リンクを獲得できないかな?」
ウェブサイトのSEO評価を高める上で、質の高い被リンクの重要性は言うまでもありません。
そして、その獲得に苦労している担当者の方も多いのではないでしょうか。そんな中、SNSでコンテンツがバズれば、多くのサイトからリンクされて被リンク数が急増するのでは?と期待する声も聞かれます。
果たして、SNSでURL付き投稿をバズらせることは、本当に被リンク獲得の有効な手段なのでしょうか?
結論から言うと、SNSバズは被リンク獲得の強力な”きっかけ”にはなり得ますが、それ自体が確実な被リンク獲得方法ではなく、注意点も多いというのが現実です。
なぜSNSバズが被リンク獲得の「きっかけ」になる?
SNSでコンテンツがバズると、以下のような理由で被リンク獲得のチャンスが生まれます。
- 圧倒的なリーチと認知度向上: バズることで、普段は届かないような非常に多くの人の目にコンテンツが触れます。これにより、あなたのサイトやコンテンツの存在を知らなかったウェブサイト運営者やブロガー、ジャーナリストなどに発見される可能性が高まります。
- 話題性による引用・言及の誘発: コンテンツが話題になれば、それについて言及したり、ニュースとして取り上げたりするサイトが出てきます。その際、参照元としてあなたのサイトへリンクを貼ってくれるケースがあります。
- 自然なリンク獲得の促進: ユーザーが「これは役立つ」「面白い」「他の人にも教えたい」と感じるコンテンツであれば、SNSでのシェアだけでなく、自身のブログ記事などで「参考になる記事」として自然に紹介・リンクしてくれる可能性が高まります。
このように、SNSバズは、あなたのコンテンツが被リンクを獲得する「土俵」に乗るための大きなきっかけとなり得るのです。
「SNSバズ ≠ 被リンク獲得」という事実
しかし、SNSでバズれば必ず被リンクが増えるわけではありません。むしろ、期待通りにいかないケースも多いです。その理由と注意点を理解しておきましょう。
SNSからの直接リンクは基本的にnofollow
まず理解しておくべきは、XやFacebookなど主要なSNSプラットフォームから貼られるリンクの多くには rel="nofollow"
や rel="ugc"
といった属性が付与されている点です。これは検索エンジンに対し「このリンクの評価(リンクジュース)を渡さないで」と伝えるものであり、SNSからの直接リンク自体には、SEO的なリンク評価の向上効果は限定的です。被リンク獲得という観点では、他のウェブサイトやブログから dofollow
属性(評価を渡す)でリンクしてもらうことが重要になります。
バズっても「リンクする価値」がなければ意味がない
いくらSNSで話題になっても、リンク先のコンテンツ自体に独自性や信頼性、引用・参照する価値がなければ、他のサイト運営者はわざわざリンクを貼ってくれません。「面白い動画だったね」で終わってしまい、被リンクには繋がらないケースです。バズはあくまで認知のきっかけであり、リンクされるかどうかはコンテンツの質次第です。
低品質・無関係なリンクが増えるリスク
バズは良くも悪くも拡散力がコントロールしづらいため、あなたのサイトのテーマと関連性の低いサイトや、場合によっては低品質なスパムサイトからリンクされてしまうリスクも伴います。こうしたリンクはSEOに悪影響を与える可能性もあるため、注意が必要です。
バズは一過性で終わることが多い
SNSのトレンドは移り変わりが激しく、バズの熱狂は長くは続きません。一時的に注目を集めても、それが継続的な被リンク獲得に繋がるとは限りません。バズだけに頼った被リンク戦略は非常に不安定と言えます。
SNSバズを被リンク獲得に繋げるための「正しい考え方」
では、SNSの力を借りて被リンク獲得の可能性を高めるには、どう考えれば良いのでしょうか?
大前提:リンクされる価値のあるコンテンツを作る
これが最も重要です。SNSでバズらせること自体を目的にするのではなく、他の人が参照・引用したくなるような、独自性があり、価値の高いコンテンツを作ることに全力を注ぎましょう。
質の高いコンテンツがあって初めて、SNSでの拡散が意味を持ちます。
- 独自の調査データや分析結果
- 詳細で分かりやすい解説、ノウハウ
- 便利なツールやテンプレート
- 専門家の意見やインタビュー
- 示唆に富んだ考察やオピニオン
などが、リンクされやすいコンテンツの例です。
SNSはあくまで「拡散装置」と捉える
SNSは、作成した質の高いコンテンツを**より多くの、そして適切なターゲットに届けるための「拡散装置」**として活用しましょう。バズを狙うにしても、コンテンツのテーマに関心のある層に響くような切り口や見せ方を工夫することが重要です。
コンテンツに「リンクしたくなる仕掛け」を施す
コンテンツ内に、他の人が引用・リンクしやすくなるような「仕掛け」を用意するのも有効です。
- 引用しやすい統計データや図表: 画像やグラフは出典明記の上で引用されやすい。
- 埋め込みコードの提供: インフォグラフィックやツールなどを簡単に埋め込めるようにする。
- 独自の切り口やネーミング: 他にはない視点や言葉は言及されやすい。
バズった後のコミュニケーションも意識する
もしコンテンツが注目され、SNSやブログで言及されたら、可能であれば言及してくれた人にお礼を伝えたり、コミュニケーションをとったりすることも有効です。良好な関係を築くことで、将来的にまたリンクしてもらえる可能性も生まれます。
被リンク獲得の王道戦略を忘れない
SNSバズはあくまで「飛び道具」の一つであり、被リンク獲得の基本は、地道な努力の積み重ねです。
- 質の高いコンテンツを継続的に発信する
- 関連性の高いサイトへアプローチする(ゲストブログ、情報提供など)
- 業界内での関係性を構築する
- サイテーション(言及)をモニタリングし、リンク化を依頼する
これらの王道戦略を着実に行うことが、安定的で質の高い被リンク獲得に繋がります。SNSバズによる一時的な増加に一喜一憂せず、長期的な視点を持つことが重要です。
まとめ
SNSは起爆剤!基本はコンテンツと王道施策、URL共有も忘れずに
この記事では、「SNSで投稿をバズらせることが、SEOの被リンク獲得にどれだけ有効なのか?」という疑問について掘り下げてきました。
結論を改めて整理すると、SNSでバズらせること自体は、被リンク獲得における「第一の戦略」とは言えません。
しかし、「ユーザーにとって価値があり、リンクされるに値する質の高いコンテンツ」が存在するという大前提があれば、SNSはそのコンテンツを多くの人に届け、被リンク獲得の「きっかけ」を作るための強力な「拡散施策」あるいは「起爆剤」となり得ます。
ですから、まず注力すべきは質の高いコンテンツ作成であり、SNSシェアだけで安定した被リンク獲得を期待するのは難しいでしょう。
被リンク獲得を本気で目指すのであれば、地道なコンテンツ改善や関連サイトとの関係構築といった王道の「獲得施策」も並行して進めることが肝心です。
そして、被リンクの効果を期待するのであれば、ウェブコンテンツをSNSでシェアする際には、SNSの投稿にURLを含めるようにしましょう。
SNSの力を過信せず、しかしその拡散力を有効活用する。「基本はコンテンツと王道施策、SNSはそのブースター。発信する際はURL共有も忘れずに!」 この考え方を軸に、ぜひあなたの被リンク獲得戦略を進めてみてください。


お困りの際はぜひ一度ご相談ください。専門家と一緒に作業すれば、余計な遠回りをせずに成果へ近づけるはずです。