Webサイトは、毎日たくさんの人が訪れては去っていきます。
その中で、どんな人がどのように行動し、何を達成したのか。
アクセス解析では、これらの動きを数値として確認することができます。
今回は、特に集客とコンバージョン(CV)に関係する重要な指標を見ていきましょう。
集客とCVの基本指標を理解する
PV・UU・セッション数の基本的な関係
アクセス解析の基本となる3つの数字があります。
まず、PV(ページビュー)は、サイト内のページが見られた回数です。
例えば、1人のユーザーが3ページを見た場合、PVは3となります。
次に、UU(ユニークユーザー)は、サイトを訪れた人の数です。
同じ人が何度訪れても1人とカウントされます。
そして、セッション数は、サイトの訪問回数を示します。
1人のユーザーが朝と夜に訪れた場合、セッション数は2となります。
新規ユーザーとリピーターの定義と見方
訪問者は「新規ユーザー」と「リピーター」に分類されます。
新規ユーザーとは、そのデバイスから初めてサイトを訪れた人です。
一方、リピーターは2回目以降の訪問者を指します。
ただし、同じ人でも違うデバイスを使うと新規ユーザーとしてカウントされる点に注意が必要です。
一般的に:
- 新規ユーザーは認知度の指標
- リピーターは満足度の指標 として活用できます。
コンバージョン率と売上指標の基礎
コンバージョン率は、訪問者のうち、目標(商品購入やお問い合わせなど)を達成した人の割合です。
計算式:コンバージョン率 = 達成件数 ÷ 訪問数 × 100
例えば:
- 訪問数1,000回
- 購入件数20件 の場合、コンバージョン率は2%となります。
新規ユーザーとリピーターでは、一般的にコンバージョン率が異なります。
多くの場合、リピーターの方が高いコンバージョン率を示します。
集客に関する重要指標
流入経路別の訪問者数と特徴
訪問者がどこからサイトに来たのかを、「流入経路」として確認できます。
主な流入経路:
- 自然検索(Google検索など)
- 広告(リスティング広告など)
- SNS(XやInstagramなど)
各経路の特徴:
- 自然検索:情報を探している人が多い
- 広告:商品やサービスへの関心が高い
- SNS:話題性のある内容に反応しやすい
新規ユーザーとリピーターで、よく使う流入経路が異なることも。
検索キーワードの質と量
自然検索からの流入では、どんなキーワードで検索されたかが重要です。
ブランド名での検索(例:〇〇商事)は認知度の指標に。
商品名やサービス名での検索(例:青いセーター)は興味関心の指標になります。
新規ユーザーは一般的なキーワード、リピーターは具体的な商品名での検索が多い傾向にあります。
新規とリピーターの獲得パターン
時間帯や曜日によって、新規ユーザーとリピーターの比率は変化します。
例えば:
- 平日日中:リピーターが多い
- 休日:新規ユーザーが増える といったパターンが見られます。
この傾向は業界やサービスによって異なるため、自社の特徴を把握することが重要です。
コンバージョンに関する重要指標
セグメント別の目標到達率
ユーザーをセグメント(グループ)に分けて、コンバージョン率を比較します。
主なセグメント:
- 新規/リピーター
- デバイス(PC/スマートフォン)
- 流入経路別
セグメント分析により、どのユーザーグループに強み・弱みがあるかが分かります。
例えば:
- 新規ユーザーのCV率が低い → 初回限定クーポンの検討
- スマートフォンでCV率が低い → スマートフォン画面の改善 といった具体的な改善につなげられます。
新規・リピーター別の離脱ポイント
コンバージョンに至らなかったユーザーが、どこで離脱したのかを確認します。
新規ユーザーの場合:
- 商品一覧ページでの離脱が多い → 商品説明の改善
- カート画面での離脱が多い → 送料や決済方法の明確化
リピーターの場合:
- 検索結果での離脱が多い → 検索機能の改善
- マイページでの離脱が多い → ユーザビリティの向上
顧客タイプ別のCV率比較
顧客タイプごとのコンバージョン率の違いを分析します。
例えば:
- 新規ユーザー:CV率2%
- リピーター:CV率5%
- 会員登録者:CV率10%
この違いを理解することで:
- 新規からリピーターへの転換施策
- 会員登録の促進方法
- リピーター向けの特別施策 などを検討できます。
実測値から改善策を導く
ユーザータイプ別の要因分析
数値の変化には、必ず理由があります。
新規ユーザーの減少:
- 検索順位の低下
- 広告予算の縮小
- 競合の増加
リピーターの減少:
- サイトの使いづらさ
- 商品の品切れ
- 競合の特別施策
セグメント別の改善アクション
分析結果から、具体的な改善施策を立案します。
新規ユーザー向け:
- 商品説明の充実
- 初回購入特典の設定
- 不安要素の解消
リピーター向け:
- パーソナライズド推奨
- ポイント制度の拡充
- 会員限定情報の提供
継続的な効果測定の方法
改善は一度で終わりではありません。
PDCAサイクルを回しながら、継続的に改善を進めます:
- 現状の数値を把握(Plan)
- 改善施策を実施(Do)
- 効果を測定(Check)
- 次の施策を検討(Action)
重要なのは、「改善の効果」を正しく測定すること。
そのためには:
- 改善前の数値をしっかり記録
- 十分な測定期間の設定
- 外部要因の影響も考慮 が必要です。
まとめ:分析から改善へ
アクセス解析の数値は、改善のためのヒントです。
新規ユーザーとリピーター、それぞれの特徴を理解し、適切な施策を打つことが重要です。
ただし、数値を見る際は以下に注意しましょう:
- 単一の指標だけで判断しない
- 十分なサンプル数を確保する
- 季節性や外部要因も考慮する
継続的な分析と改善を通じて、より良いサイト作りを目指してください。