製造業ウェブサイトに必須のコンテンツとは?

①自社の強みを埋もれさせないこと、②必要な情報を充実させることが、問い合わせ増につながります。
受託製造業の「もったいない」現状
「会社概要と連絡先は載せてるけど、ほかに何を載せればいいか分からない…」
「技術力を誇りたいのに、専門用語ばかりで伝わりにくい…」
「事例はあるが古い情報のままで更新止まってる…」
受託加工など自社製品を持たない製造業のウェブサイトには、こうした悩みを抱えているケースが多いです。
実は、コンテンツが不足 or 更新されていないサイトは、顧客の疑問や不安を解消できずに商機を逃す「もったいない」状態と言えます。
- 顧客は最初の接点としてウェブサイトをチェック → 情報が乏しい/分からない → ホームページから離脱
- 高い技術力や対応力があっても、サイトに具体的に示されていなければ見つけてもらえない
- 結果として、問い合わせや見積り依頼が増えない
本記事では、製造業ウェブサイトに必要なコンテンツを「必須」「重要」「あると良い」に分け、それぞれのポイントやKBF(購買決定要因)への訴求方法を解説します。情報を充実させることで、競合と差別化し、問い合わせが増える可能性を高めましょう。
受託製造業に発注先を探している人は、どこをみているのか?
まずは、顧客が加工・製造の外注先を探すとき、どんな基準(KBF:Key Buying Factor)で判断するのかを整理しましょう。
- 品質 (Quality)
- 精度・耐久性・不良率など
- 品質管理体制(ISO9001などの認証、有資格者数)
- コスト (Cost)
- 製品単価、見積もりの透明性、コストダウン提案
- 納期 (Delivery)
- 納期遵守率、短納期対応力、ロット対応力
- 技術力 (Technology)
- 加工技術や設備(切削、プレス、溶接、表面処理…)
- 特殊素材の対応、独自ノウハウ、研究開発力
- 対応力 (Capability/Flexibility)
- 小ロット/多品種少量対応、設計変更への柔軟性、トラブル対応力
- 信頼性 (Reliability)
- 過去の実績・取引先、企業規模、ISO認証、コンプライアンス(下請法など)、SDGs/CSR
これらKBFから逆算して、コンテンツで何をどのように伝えるかを計画することが重要です。
そこで、受託製造業が載せるべきコンテンツ<重要度順>に解説します。
【必須コンテンツ】新規取引先開拓の上で絶対に掲載したい内容
会社概要ページ
- 掲載例: 社名、所在地、連絡先、代表者名、設立年月日、資本金、従業員数、事業内容、主要取引先、沿革、企業理念、ビジョン、認証情報(ISOなど)、SDGs/CSRへの取り組み
- KBF: 信頼性、企業規模、認証、社長の人となり
会社概要ページでは必要な情報はわかりやすく、また社長の人となりがわかる情報も具体的に載っているとよいでしょう。もし可能なら、SDGs/CSRへの取り組みもあるとなお良いですね。
技術紹介ページ
- 掲載例:
- 加工技術ごとのページ(切削・プレス・板金・溶接等)
- 対応可能な材質、加工サイズ、精度
- 設備紹介(写真・動画)
- 技術ブログやノウハウコラム
- ダウンロード可能な技術資料
- KBF: 品質、技術力、納期、対応力
技術紹介ページでは、技術的に詳しい人への解説と技術的に詳しくないが発注先を検討している人向けをともに意識して作成します。※別個に用意することも、それぞれ用意することも可。
また、詳細の写真や動画、工程表などを使用すると効果的です。
事例紹介ページ
- 掲載例: 顧客の課題 → 自社の提案&技術 → 成果(コスト削減、納期短縮、品質向上) → 顧客の声
- KBF: 品質、コスト、納期、技術力、対応力、信頼性
事例紹介ページでは、取引先のどんな課題を解決したかを明確に具体的にします。数値も示せるとよりインパクトを出せます。写真・図面・動画・グラフなどでわかりやすくするとよいでしょう。
お問い合わせページ(or 見積もり依頼ページ)
- 掲載例: フォーム、電話番号、個人情報保護方針
- KBF: 対応力、信頼性
お問い合わせページは、余計な入力項目を削ることで、ハードルを下げることができます。
【重要コンテンツ】新規取引先開拓の上で掲載したい内容
お客様の声
- 掲載例: 既存顧客のコメント、評価、具体的メリット
- KBF: 品質、信頼性、対応力
顧客企業名や担当者名を可能な範囲で記載(ブランド力UP)。詳細な内容ほど説得力が高まります。
FAQページ
- 掲載例: 納期、ロット、材質対応、品質保証、見積もり方法など
- KBF: 納期、コスト、技術力、対応力
質問と回答をシンプルに。数が多い場合は、カテゴリ分けやサイト内検索があると便利です。
ブログ・ニュース
- 掲載例: 技術コラム、業界動向、社内イベント、新技術情報
- KBF: 技術力、信頼性
想定読者が検索しそうなキーワードで記事を作成します。SNSでのシェアやメディア掲載がされると露出を増えます。
【あると良いコンテンツ】新規取引先開拓の上で、余裕があれば掲載したい内容
ダウンロードコンテンツ
- 例: 技術資料PDF、会社案内、加工サイズ一覧表
フォーム送信を挟み「資料ダウンロードリンク」を設置して顧客情報を取得します。
社員紹介 / 採用情報
- 例: 社員インタビュー、1日の流れ、福利厚生
採用ページも兼ねられ、ブランディングにも効果的です。
SDGs/CSR情報
- 例: ISO14001、地域貢献活動、下請法対応
- 大手と取引する上での取引先選定要件を満たすアピールになります。
SEO対策としてのコンテンツ
ホームページをより多くの人に見てもらう上で、検索エンジンからどのように入ってくるかの入口を設計しておくことは重要です。
検索エンジン対策(SEO)には大きく分けて2つの考え方があり、ページによってどのSEOを行うかが異なります。
ロングテールSEOの流入設計とは
- 技術紹介や事例紹介で、細分化したキーワード(「チタン 薄板加工」「ステンレス曲げ 小ロット」など)に対応
- 検索ボリュームは少ないが、競合も少なく上位表示しやすい
より具体的で、お問い合わせにつながりやすいキーワードです。
ビッグキーワードSEOの流入設計とは
- 「金属加工」「精密加工」などは検索数が多いが競合多数
- トップページや主要ページで中長期的に対策
- ロングテールと組み合わせる形で施策を進める
具体性は落ちますが、多くの人に調べられているため業界における存在感が高まるキーワードです。
コンテンツ作成のポイント
実際にコンテンツを作成する段階では次の6つのことを意識しましょう。
- ペルソナを意識
- どんな業界の担当者か? 何に困っているか?
- KBFを盛り込む
- 納期、コスト、品質、技術力、対応力、信頼性などをコンテンツで具体的にアピール
- 分かりやすさ
- 専門用語の解説や写真・動画を活用
- 数値で示す(精度±0.005mm、コスト○%削減など)
- 独自性
- 他社にはない「こだわり」「ノウハウ」や経験値を明示
- 定期的に更新
- 古い情報は修正 or 削除し、最新の事例・写真を載せる
- 社内体制
- 各部門(技術・営業・品質管理など)から情報を集め、ページを充実
まとめ:顧客に「選ばれる」コンテンツで、成果を最大化しよう
必要とされているコンテンツがないことは、受託製造業にとって大きな機会損失です。
検索してくる見込み客は、具体的なKBF(品質・コスト・納期・技術力・対応力・信頼性)を評価したいと思っていますが、サイトにその情報がなければスルーされます。
ぜひ、上記の必須コンテンツから順にホームページ掲載情報を充実させてください。

まずは、あなたのサイトに欠けているコンテンツがないかチェックし、優先度の高い順(必須→重要→あると良い)で補強してみてください。きっと問い合わせ増や信頼性UPに繋がるはずです。もしコンテンツ作成でお困りなら、お気軽にご相談ください。情報を充実させたサイトこそが、「自社の強みを正しく伝え、顧客を呼び込む」最強の営業ツールです。