オウンドメディアに社長の想いを載せるべきか―共感と信頼をどう伝えるか

オウンドメディアを立ち上げる際、「社長の想いをどこかで伝えたい」と考える企業は少なくありません。
経営理念や創業の背景、事業にかける想いは、企業の個性であり差別化の原点でもあります。
しかし一方で、「あまり主観的な話は載せない方がいいのでは」と迷うケースもあるのではないでしょうか。
社長メッセージをメディアに載せるべきかどうかは、目的と位置づけによって判断が分かれます。
この記事ではそのメリットとリスク、掲載の際に考えるべきポイントを整理します。
社長の想いがメディアにもたらす価値
経営者の言葉には、企業の顔としての役割があります。
特にオウンドメディアにおいては、以下のような効果が期待できます。
価値 | 内容 |
---|---|
ストーリーを知り、共感が生まれる | 商品やサービスだけでは伝えきれない価値観や背景を語ることで、共感が生まれる |
人となりが伝わり、信頼や好感が生まれる | 実在する経営者の考えや判断が見えることで、企業への信頼感が増す |
競合商品との差別化につながる | 他社と似た商材でも、経営者の視点や判断軸によって独自性が生まれる |
ステークホルダーに価値観が伝わる | 社外だけでなく社内にも理念が共有され、組織文化の形成にもつながる |
とくにBtoB領域では、意思決定の最終判断に「どんな人がやっている会社か」が大きく影響することが多くあります。
メディアに載せるべきか、判断の3つの観点
社長メッセージを載せるかどうかは、次のような観点から検討するとよいでしょう。
1. メディアの目的と一致しているか
例えば、サービス紹介が中心のメディアであれば、コンバージョン導線に注力すべきであり、社長の想いは「会社案内ページ」などに分けて掲載する方がよいケースもあります。
一方、ブランド構築や啓発が目的のメディアであれば、社長の思想やビジョンは軸として必要になることがあります。
2. 読者にとって価値があるか
経営者の言葉が、読み手の課題解決や意思決定に影響するものであれば、十分に価値があります。
逆に、「自分語り」になってしまうと、読者にとっての意味が希薄になってしまうため注意が必要です。
3. 継続性があるか
一度だけ想いを語って終わりでは、流れとして唐突になる場合があります。
社長ブログやnote、対談記事など、形を変えて継続的に価値観を届ける仕組みがあると効果が定着しやすくなります。
載せる場合の構成と工夫
メディアに社長のメッセージを載せる場合は、以下のような構成と工夫を意識すると効果的です。
要素 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
目的の明示 | なぜこの話を今読んでほしいのかを最初に伝える | 共感の導入になる |
課題との接続 | 世の中や業界の課題に触れる | 読者視点に近づく |
自社の想い | その中で自社が何を目指しているかを語る | 価値観の表明 |
エピソード | 実体験、出会い、迷いなど | 感情的な接点が生まれやすい |
読者へのメッセージ | 行動を促す、応援する、協力を求める | 読後感に影響する |
よくある誤解と本当のところ
- 社長の想いを載せるのは自己満足にならないか
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一方的な語りではその通りですが、読者の課題に共鳴し、解決の方向性を語る内容であれば、むしろ差別化や信頼形成につながります。
- 会社の規模が小さいのに、語ってもいいのか
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むしろ中小企業ほど、経営者の姿勢や言葉がブランドそのものになります。迷わず語ることで、読者との距離が縮まります。
- 書く時間がないし、得意ではない
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編集担当や広報と連携して、インタビュー形式にする方法もあります。話した内容を整理して文章化することも十分に可能です。
まとめ|社長の言葉は「誰が書くか」ではなく「何を届けるか」
オウンドメディアに社長の想いを載せるかどうかは、単に伝えたいかどうかだけでなく、それが読者にとってどんな意味を持つかを軸に考えることが大切です。
価値観や理念に共感してもらうことで、価格や機能ではない判断軸で選ばれる企業になるために、言葉を発信する選択をしてみてはいかがでしょうか

お困りの際はぜひ一度ご相談ください。専門家と一緒に作業すれば、余計な遠回りをせずに成果へ近づけるはずです。