
ブランドストーリーを発信しているのですが、なかなか読者が継続的に見てくれません。どうすれば興味を持ち続けてもらえるでしょうか?



その課題、とても重要ですね。実は、ドラマや漫画のように”続きが気になる”仕掛けを作ることで、読者の継続的な関心を集めることができます。今回は、そのための具体的な手法をご紹介していきましょう。
目次
次回へのヒキが、ブランドストーリーへの熱狂を生み出す
前回の記事では、ブランドストーリーを各メディアで展開する方法について解説しました。
今回はその続編として、読者の心をつかんで継続的にファン化するストーリーテリング手法にフォーカスします。
ブランドが大切にしている世界観やビジョンを物語として紡ぎ出すことができれば、読者はただ消費するだけのユーザーから、ブランドの熱狂的な支持者(ファン)へと変化していきます。
そのカギとなるのが、次回へのヒキなのです。
ブランドストーリーがファン化を促す理由
要素 | 効果 | 実践のポイント |
---|---|---|
感情への訴求 | 共感・親近感・憧れを生む | 創業者の苦労話、開発者の情熱的なエピソード |
記憶の定着 | ブランドメッセージが印象に残る | 物語形式での情報提供、具体的なエピソード |
一貫性のある世界観 | ブランドへの信頼感が高まる | 全チャネルでの統一された物語展開 |
“次回へのヒキ”を作る具体的な手法
ストーリーのプロットを用意する
商品ストーリーや企業ヒストリーは、一話完結で終わらせてしまうよりも、複数回にわたって小出しにすることで、次の記事への期待感を作れます。
- 起:ブランド誕生の背景や創業者の想い
- 承:課題や困難との出会い、乗り越えの過程
- 転:市場へチャレンジする中での新展開やプロダクト誕生秘話
- 結:達成したことと、これからの展望・ビジョン
予告編や次回予告を効果的に使う
読み物や動画などをエンターテイメントとして楽しむ文化に慣れた読者は、先の展開や続きを気にする傾向があります。以下のような形で次回へのヒキを作ると効果的です:
- 次回のテーマや登場人物を簡単に紹介する
- 「ここだけの話」「実はこのプロダクトには○○が…」といった伏線を張る
- 「このアイデアがどう製品化されたのか」など、ビフォーアフターを予感させる
- 最後に「次は○月○日に公開予定!」など、具体的な予定日を示す
共感を高めるエピソードやキャラクター設定
多くの人が日常で直面する課題や不安を乗り越えるエピソードを挟むと、共感度が一気に高まります。
また、以下のような工夫で物語をより魅力的にできます:
- 主人公となるスタッフや開発者の個性的な描写
- 実在の顧客の声を物語に組み込む
- ブランドマスコットやキャラクターの活用
- 読者が自分のことのように感じられる悩みや課題の提示
マーケティングファネルと連動したストーリー展開
認知フェーズ(Awareness)
- SNSでの印象的なティザー投稿
- 物語の導入部分を魅力的に見せる
- 共有したくなるような感動的なエピソード
興味・関心フェーズ(Interest)
- ブログやメルマガでの詳細なストーリー展開
- 裏話や開発秘話の連載
- キャラクターやスタッフの人間的な魅力
検討フェーズ(Consideration)
- 製品・サービスとストーリーの結びつき
- 具体的な価値提案とエピソードの融合
- 実際の使用シーンと物語の連動
ファン化フェーズ(Loyalty)
- 会員限定のスペシャルストーリー
- ファンコミュニティでの物語の共有
- 読者参加型のストーリー展開
実践のためのチェックポイント
物語の基本要素
- 共感できる主人公(創業者、開発者、ユーザーなど)
- 乗り越えるべき課題や困難
- 感動的な解決や成長のプロセス
- 読者自身も参加できる未来への展望
表現技法のポイント
- 五感に訴える具体的な描写
- 感情を表す言葉の効果的な使用
- 写真や動画による視覚的な補強
- 読者の想像力を刺激する余白
まとめ
ブランドストーリーを通じてファンを獲得するためには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です:
- 感情に響く物語性を持たせる
- 続きが気になる展開を意識する
- ファネル段階に応じた見せ方を工夫する
次回は「ストーリーを強化するコンテンツ構成のアイデア」について、さらに詳しく解説していきます。引き続きお楽しみに!