相談者
ネットショップを始めようと思うのですが、特定商取引法に基づく表記って何から始めればいいんでしょうか?難しそうで不安です…
大丈夫ですよ。確かに法律の名前を聞くと身構えてしまいますよね。でも、実は順番に確認していけば、そんなに難しくありません。お客様に安心してお買い物をしていただくための大切な情報なので、一緒に確認していきましょう。
目次
特定商取引法の表記って、どんなもの?
特定商取引法(特商法)の表記は、お店の顔となる大切な情報です。実際のお店でいえば、看板や店頭の案内表示のようなものです。
この表示があることで、お客様は安心してお買い物ができます。「このお店は誰が運営しているの?」「商品はいつ届くの?」「返品はできるの?」といった、お客様がよく気にする情報をまとめて表示するのが、特定商取引法に基づく表記なのです。
必須表示項目の一覧
項目 | 記載例 | 注意点 |
---|---|---|
販売業者名 | 株式会社〇〇商店 | 法人の種類(株式会社等)は省略不可 |
運営統括責任者名 | 代表取締役 山田太郎 | 実在の責任者名を記載 |
所在地 | 東京都千代田区〇〇町1-2-3 | 実際の事業所・店舗の住所を記載 私書箱は不可 |
連絡先 | TEL: 03-1234-5678 (平日10時~17時) Mail: info@example.com | 問い合わせ可能な連絡手段を明記 |
商品代金 | 商品価格は各商品ページに表示(税込) | 税込価格の明記が必要 |
送料等の付帯費用 | 送料:全国一律500円 | 具体的な金額または計算方法を明記 |
支払いと配送に関する表示
項目 | 記載例 | 備考 |
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支払方法 | ・クレジットカード ・銀行振込 ・代金引換 | 各支払方法の詳細な条件も記載 |
支払時期 | ・クレジットカード:注文時 ・銀行振込:3日以内 ・代金引換:商品受取時 | 支払期限がある場合は明記 |
商品の引渡し時期 | ご注文確認後、3営業日以内に発送 | 在庫状況による変動がある場合はその旨も記載 |
返品・キャンセルについて
表示項目 | 良い例 | 悪い例 |
---|---|---|
返品の可否 | 商品到着後8日以内であれば返品可能 | 返品不可 |
返品の条件 | 未使用・未開封の商品に限り返品可能 | お客様都合での返品は一切不可 |
送料負担 | 返送料はお客様負担 不良品の場合は当社負担 | 送料は実費 |
特別な販売形態の場合の追加表示
販売形態 | 必要な表示 | 表示例 |
---|---|---|
定期購入 | ・購入回数の条件 ・解約条件 ・解約方法 | ・最低4回以上の継続が必要です ・解約は次回発送予定日の10日前までにご連絡ください |
ソフトウェア販売 | ・動作環境 ・インストール条件 | 対応OS:Windows 10以降 必要メモリ:4GB以上 |
前払い式通販 | ・入金から発送までの期間 ・注文のキャンセル条件 | ・ご入金確認後7営業日以内に発送 ・発送前であればキャンセル可能 |
よくある間違いと対策
よくある間違い | 正しい対応 |
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会社名の法人種類を省略 | 「株式会社」などは必ず正式名称で記載 |
価格表示が税抜のみ | 税込価格を明記(税抜価格併記は可) |
送料が「実費」のみの表示 | 具体的な金額か計算方法を明記 |
返品特約の記載漏れ | 返品の可否、条件、期間、送料負担を明記 |
まとめ:安心して使えるチェックリスト
最後に、特商法の表記が完成したら、以下の点を確認しましょう:
チェック項目 | 確認ポイント |
---|---|
必須項目の漏れがないか | 表示項目一覧と照らし合わせる |
表示内容は最新か | 住所や電話番号などの変更を反映 |
表示場所は適切か | PCとスマートフォンの両方で確認 |
特別な販売形態の表示漏れ | 定期購入やソフトウェア販売の場合の追加事項を確認 |
特定商取引法の表記は、お客様との信頼関係を築く第一歩です。
消費者庁の特定商取引法ガイドも便利です。