大好きな人を笑顔にする方法 – 12歳からのデザイン思考入門

こんにちは!井水です。

みなさんは「デザイン思考」って聞いたことがありますか?

難しそうな言葉だけど、実はとっても簡単で楽しいことなんです。

デザイン思考とは、「大好きな人が喜ぶものを作る方法」のこと。

今日はそのやり方を、みなさんにお教えします。

目次

デザイン思考とは、なに?

デザイン思考とは、「特定の人が本当に喜ぶものを作る方法」です。
例えば、おばあちゃんの誕生日プレゼントや、疲れて帰ってくるお母さんのためのサプライズ、友達の勉強を手伝う道具など、誰か一人のためにベストなものを考える方法なんです。

大人たちはこの方法を使って、スマホやゲーム、おもちゃなど、みんなが使うものを作っています。でも実は、12歳のキミたちにもできることなんです!

ステップ1:「その人の気持ちを知ろう」(共感)

まず大切なのは、「作りたいものを使う人の気持ちをよく知ること」です。

やってみよう!

  • その人をじっくり観察してみよう。何に困っている?何が好き?
  • 「もしも自分が○○さんだったら?」と想像してみる
  • 直接聞いてみる!上手な質問の仕方は:
    • 「はい・いいえ」で答えられない質問をする
    • 「どうして?」と5回続けて聞いてみる
    • その人の話をじっくり聞く(さえぎらない!)

例えば、おばあちゃんのために何か作りたいなら、おばあちゃんがどんなことで困っているか、何が好きか、どんな時に笑顔になるかをよく観察したり、聞いたりしてみましょう。

ステップ2:「本当の問題を見つけよう」(問題定義)

観察やインタビューから、「本当の問題」を見つけましょう。見た目の問題と本当の問題は違うことがあります。

やってみよう!

  • 「○○さんは□□で困っている」と書き出してみる
  • 「なぜそれが問題なのか?」を考える

たとえば:

  • 「おばあちゃんはスマホの使い方がわからない」
    • 本当の問題は? → 「家族と写真を共有したいのに、方法がわからなくて寂しい思いをしている」
  • 「お母さんは夕食の準備で疲れている」
    • 本当の問題は? → 「家族のために頑張っているのに、感謝されていると感じる時間が少ない」
質問への回答
今ほしいものは何ですか?
それがあったら、どんなことができる?
どうしてそれをしたい?
それはどうして?
それはどうして?(どうして?を繰り返してみよう)

ステップ3:「アイデアをたくさん考えよう」(アイデア創出)

問題がわかったら、解決するアイデアをたくさん考えましょう。この時のルールは、「変なアイデアもOK」「たくさん考えること」です。

やってみよう!

  • 紙とペンを用意して、思いついたアイデアを全部書き出す
  • 「もし魔法が使えたら?」「もしお金がいくらでもあったら?」と想像して考える
  • 友達と一緒にアイデアを出し合うのもいいね!

おばあちゃんの例なら:

  • 写真共有専用の超シンプルなアプリを作る
  • 家族の写真をプリントして、アルバムにまとめてプレゼントする
  • 写真付きの手紙を毎週送る
  • ビデオ通話の使い方を教える簡単なマニュアルを作る
  • 写真を自動で共有するデジタルフォトフレームをプレゼントする

ステップ4:「アイデアを形にしてみよう」(プロトタイピング)

良さそうなアイデアを選んだら、実際に形にしてみましょう。これを「プロトタイプ」といいます。完璧じゃなくていいんです。手に取って確かめられるものを作ります。

やってみよう!

  • 紙、ダンボール、粘土、折り紙など身近な材料を使う
  • 絵を描いたり、文章を書いたりして説明する
  • スマホのカメラで撮影して動画を作る

おばあちゃんの例:

  • 写真共有の説明書を実際に紙で作ってみる
  • ダンボールでデジタルフォトフレームの模型を作る
  • 家族アルバムのサンプルページを作ってみる

ステップ5:「試して、よくしていこう」(テスト)

作ったものを実際にその人に見せたり、使ってもらったりしましょう。そして反応を見て、もっと良くするために改良します。

やってみよう!

  • 作ったものを見せて、使ってもらう
  • 感想を聞く(良かった点・悪かった点)
  • 改善点を書き出して、もう一度作り直す

おばあちゃんの例:

  • 説明書を見てもらって、わかりにくいところを聞く
  • 「もっと文字を大きくしてほしい」という意見をもらったら、作り直す
  • 「これならできそう」と言ってもらえるまで改良する

実践例:「お母さんのためのリラックスコーナー」

ここで、実際にデザイン思考を使った例を見てみましょう。

ステップ1(共感): 12歳のケイタくんは、お母さんが毎日仕事から疲れて帰ってくるのを見ていました。お母さんに「一番リラックスできるのはどんな時?」と聞くと、「静かに好きな本を読む時間がある時」という答えが返ってきました。

ステップ2(問題定義): 「お母さんは、家に帰ってきても、家事や家族の世話で自分のリラックスする時間や場所がない」という問題を発見しました。

ステップ3(アイデア創出)

  • お母さん専用の小さな本棚を作る
  • 「お母さんタイム」という時間を家族で決める
  • 家の隅にリラックスコーナーを作る
  • お母さんの好きな本のリストを作る
  • リラックスするためのハーブティーセットを用意する

ステップ4(プロトタイピング): ケイタくんは、家の居間の隅に「お母さんコーナー」を作ることにしました。ダンボールで本棚を作り、クッションを置き、お気に入りの写真を飾りました。

ステップ5(テスト): お母さんに使ってもらったところ、「とても嬉しいけど、もう少し明るいと読書しやすいな」というフィードバックがありました。そこでケイタくんは小さな読書ライトを追加し、改良版のリラックスコーナーが完成しました。

みんなでやってみよう!

デザイン思考は、友達や家族と一緒にやるとさらに楽しくなります。例えば、クラスの中で「お互いのためのプレゼント作り」をするワークショップをしてみてはどうでしょう?

必要なもの

  • 紙とペン
  • はさみ、のり、テープ
  • 色鉛筆やマーカー
  • ダンボール、空き箱などの材料
  • (あれば)デジタルカメラやタブレット

手順

  1. ペアを作り、お互いにインタビューする(10分)
  2. 相手のための「何か便利なもの」を考える(10分)
  3. アイデアを紙に描く(10分)
  4. 実際に作ってみる(30分)
  5. 相手に渡して使ってもらう(10分)
  6. 感想を聞いて改良する(20分)

まとめ

デザイン思考は、「誰かを喜ばせたい」という気持ちから始まります。大切なのは:

  1. その人の気持ちをよく知ること
  2. 本当の問題を見つけること
  3. たくさんのアイデアを考えること
  4. 実際に形にしてみること
  5. 試して、改良すること

この方法を使えば、大好きな人を笑顔にするための素敵なものが作れます。しかも、デザイン思考は練習すればするほど上手になります。さぁ、今日から始めてみましょう!

保護者・先生のみなさんへ

この記事で紹介したデザイン思考は、子どもたちの創造性だけでなく、共感力や問題解決能力を育てる素晴らしい方法です。子どもたちが挑戦する際には、以下のポイントに気をつけてサポートしてください:

  • 正解や完璧さを求めすぎないこと
  • プロセスを楽しむことを大切にすること
  • 失敗も学びの一部として受け入れること
  • 子どもたち自身のアイデアを尊重すること

家庭や学校での学びに、ぜひデザイン思考を取り入れてみてください。

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