ユーザーテスト結果の分析とウェブサイト改善

ユーザーテスト結果の分析とウェブサイト改善
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ユーザーテストの結果を「宝の山」に変えよう!

前回の記事(初めてでも10分で実践。製造業ウェブサイトのユーザーテスト)で、実際にユーザーテストを行った方もいるかもしれません。

「操作中にユーザーが『ここ、分かりにくい…』と悩んでいた」
「問い合わせフォームが見当たらないと言われた」

など、いろいろな気づきを得られたのではないでしょうか。

この記事では、中小製造業のウェブ担当者でも気軽に取り組める、ユーザーテスト結果の分析ポイントと、具体的な改善策を立案する手順をお伝えします。

そのユーザーテストの結果をどのように分析し、実際のウェブサイト改善につなげ流方法がわかります。
ホームページの問い合わせ率が向上し、新規取引先開拓にもきっと役立ちます。

ユーザーテスト結果の見方 ── 3つのポイント

前回のテストで集まった情報は、発言メモ行動観察メモ、あるいはアンケート回答など多岐にわたるでしょう。
ここでは、それらを分析するときに注目すべき3つのポイントを示します。

1. ユーザーの発言(思考発話)に注目する

ユーザーテストの要は「操作しながら口に出す」思考発話にあります。

例:「どこをクリックすればいいか分からない…」「ここクリックできるかな」「よくわからない言葉が多い…」
こうした発言は、顧客視点で「どこに不便・不安を感じているか」を赤裸々に示してくれます。

2. ユーザーの行動を観察する

ユーザーテスト中、発言だけでなく行動にも注意してください。

  • 何度もページを行き来してしまう
  • スクロールやクリックを何度も繰り返してしまう
  • 途中で離脱してしまう

こうした行動パターンは、UIデザインの課題を示しています。
「問い合わせページにたどり着けない」「専門用語に行き当たり、先へ進まない」といったケースは、サイト構造やコンテンツ内容に問題があるケースがほとんどです。

3. 定量データも参考にする(上級編)

発言や行動は主に定性データですが、タスク完了率やタスク時間など定量的に記録できる部分もあります。

  • 「問い合わせ完了まで何分かかった?」
  • 「トップページ→技術紹介ページ→事例紹介ページのタスク完了率は何%?」

さらに、Google Analyticsなどのアクセス解析と組み合わせると、直帰率・滞在時間・離脱率などからサイト全体の傾向を見渡せます。
こうした定量データは説得力が高く、社内説明にも使いやすいのがメリットです。

よくある課題と改善策

ユーザーテストから判明する典型的な課題と、その具体的な改善策を以下の表にまとめました。
まずは自社サイトに当てはめて「これがうちの問題だ!」とチェックし、優先順位をつけて直してみてください。

スクロールできます
課題分類具体的な現象考えられる原因改善策優先度
ナビゲーション目的のページにたどり着けない
迷子になる、「どこをクリックすればいいか分からない」と言う
グローバルナビゲーションが分かりにくい
メニュー項目が多すぎる
パンくずリストがない
サイト内検索機能がない
メニューを整理し、わかりやすいラベリングにする
パンくずリストを設置
サイト内検索を導入
内部リンクを増やす
コンテンツ「専門用語が多くて理解できない」
「情報が古いor不十分で参考にならない」
極端に専門用語を使う
内容が抽象的で具体例がない
更新が滞っている
専門用語を解説や言い換え
具体的な数値や事例で説得力UP
定期的に更新(古い情報をリフレッシュ)
デザイン見た目が古く、「安っぽい」「ごちゃごちゃ」と言われる
文字が小さい
レイアウトが時代遅れ
カラーバランス悪い
フォントサイズ・種類が合わない
デザインリニューアル検討
文字サイズ16px以上を基本
写真・動画の質向上
色数や装飾をシンプルに
CTA問い合わせボタンが分からない
「どこから問い合わせすればいい?」と迷う
CTAの位置が目立たない
文言が漠然としている
フォーム導線が分かりにくい
目立つ色や形状でCTA配置
「今すぐ問い合わせる」など具体的文言
トップや技術紹介ページに問い合わせ導線を設置
フォーム「入力項目が多すぎて面倒」
入力エラーが連発して進めない
必須項目が多すぎる
エラー表示が分かりにくい
項目を最小限に絞る
エラー表示をわかりやすく
必須項目を明確化(*マークなど)
入力例を提示
技術紹介ページ「何が得意なのか分からない」
「自社の課題に合うか不明」
技術説明が抽象的
具体的な加工事例や数値がない
顧客視点で書かれていない
加工可能材質やサイズ、精度を明確に
事例+写真 or 動画で納得度UP
ペルソナ想定し、課題解決例も記載
事例紹介ページ「実例が少ない…」「古い情報ばかり
導入効果が不明
事例を更新していない
数値データやお客様の声がない
Before→Afterが分かりにくい
最新事例を追加し更新頻度UP
導入効果を数値+顧客の声で強調
Before→Afterをビジュアルでわかりやすく
表示速度「ページが重い…」「スマホで見にくい」画像が大きすぎる
サーバースペック不足
JS/CSSの最適化不足
レスポンシブ非対応
画像圧縮や軽量形式(WebP)活用
サーバー性能を見直す
JS/CSS最適化

レスポンシブデザイン対応

補足: 優先度「高」はコンバージョンやユーザー体験に直結するものです。まずはここを集中して改善しましょう。

さらに深く分析したい方へ ─ 5Whys(トヨタ式なぜなぜ分析)

ユーザーテスト結果をもっと深掘りしたい場合、トヨタ式の「5Whys」手法が有効です。
「なぜこの問題が起きたのか?」を5回程度繰り返し問うことで、根本原因を突き止めます。


問題: 「技術紹介ページでユーザーが離脱する」
・なぜ? → 「専門用語が多くて理解できない」
・なぜ? → 「技術部門が作った原稿をそのまま載せている」
・なぜ? → 「ウェブ担当者が技術内容を深く理解せず、編集できない」
・なぜ? → 「ウェブ担当者と技術部門のコミュニケーション不足」
なぜ? → 「定期的に打ち合わせする仕組みがない」
改善案: 定期ミーティングを設定し、ウェブ担当者が技術担当と一緒に記事を再構成。顧客目線を踏まえて専門用語を解説。

このように、UI改善だけでなく、社内体制やコミュニケーションの見直しに繋がるケースもあり得ます。

まとめ:ユーザーテスト結果を活かして、ウェブサイトを改善し続けよう

ユーザーテストが終わった段階ではまだスタートライン。そこから、

  1. 結果を分析(発言・行動・定量データ)
  2. 課題リスト化+優先順位設定
  3. 改善策の実行→再テスト

というサイクルを回すことで、製造業のウェブサイトが日に日に使いやすく、問い合わせを獲得しやすいツールへと成長していきます。

ウェブマーケター

先日行ったユーザーテストのメモ、眠らせていませんか? 今日ご紹介した表を参考にしながら、発言や行動を分類し、原因と改善策を練ってみましょう。『意外とすぐ直せる!』という気づきが多いはずです。
継続的なPDCAこそ、ウェブサイトを最強の営業マンに変える鍵。次の記事では、もっと高度なユーザーテスト手法継続的改善の仕組みについても触れていきます。ぜひチェックして、成果をさらに伸ばすヒントを掴んでください。やり方がわからないなど、お困りの際はお気軽にお問い合わせください

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