【一歩進んだ中級者向け分析】セグメント別ファネル分析でユーザー行動を深掘りする方法

ファネル分析での改善施策をよりデータに基づいて行いたい場合、もう一歩進んだ分析方法として「セグメント別ファネル分析」が有効です。 ユーザー全体の傾向だけでは見えない、より具体的な改善の根拠を得ることができます。
目次
なぜセグメント別で見る必要があるのか
全体平均のファネルだけを見ていると、「一部のユーザー層だけが悪化している」「特定条件のユーザーだけが途中で離脱している」といった細かな課題に気づけません。セグメントごとのファネルを比較することで、ターゲットに合わせた最適化が可能になります。
代表的なセグメント切り口
- デバイス別(PC / スマホ / タブレット)
- 新規ユーザー / リピーター
- 参照元(検索 / SNS / 広告 / メルマガ)
- 地域(都道府県 / 国)
- 時間帯(勤務時間中 / 夜間 / 休日)
- ページ言語 / 国際ユーザー
- 職種・業種別(BtoBマーケなど)※フォームで取得している場合
- 広告のクリエイティブごと(同じLPでも遷移率が違う)
セグメント比較の例
1. スマホ vs PC
ファネルの段階 | スマホユーザー | PCユーザー |
---|---|---|
訪問 | 800 | 200 |
商品閲覧 | 480 (60%) | 160 (80%) |
カート追加 | 180 (38%) | 100 (63%) |
購入完了 | 45 (25%) | 60 (60%) |
スマホユーザーの方が全体的に遷移率が低く、特にカート追加から購入完了までの離脱が大きく目立ちます。購入導線やフォームUIをスマホで最適化することで改善が見込めます。
2. 新規ユーザー vs リピーター
ファネルの段階 | 新規ユーザー | リピーター |
---|---|---|
訪問 | 700 | 300 |
商品閲覧 | 350 (50%) | 270 (90%) |
カート追加 | 100 (29%) | 210 (78%) |
購入完了 | 30 (30%) | 180 (86%) |
新規ユーザーはカート追加後の購入完了率がわずか30%と一桁台に近く、かなりの離脱が発生しています。
初回購入における心理的ハードルを下げる「返品保証」や「口コミ訴求」の強化が必要です。
3. オーガニック検索 vs 広告流入
ファネルの段階 | 検索流入 | 広告流入 |
---|---|---|
訪問 | 500 | 500 |
商品閲覧 | 350 (70%) | 80 (16%) |
カート追加 | 180 (51%) | 20 (25%) |
購入完了 | 90 (50%) | 2 (10%) |
広告流入ユーザーの購入完了率が10%と極めて低く、特に商品閲覧への遷移率が16%と大きなボトルネックになっています。広告の内容とLPの訴求がずれている可能性があるため、クリエイティブの見直しや、広告単位でのランディングページ最適化が有効です。
まとめ
セグメントごとにファネル分析を行うことで、全体平均では見えなかった課題が明確になります。どのユーザー層に、どのステップで離脱が集中しているかを特定することで、改善施策の優先順位も立てやすくなります。
GA4の探索レポートを活用しながら、自社にとって重要なセグメントを選定し、データに基づいたサイト改善を進めてみてはいかがでしょうか。

お困りの際はお気軽にお問い合わせください。専門家と一緒に作業すれば、余計な遠回りをせずに成果へ近づけるはずです。