歯谷(院長)
ホームページができあがったら、アクセスや問い合わせがどれくらいあるか測定しいです。GA4という新しい解析ツールというのを聞いたんですが、従来のユニバーサルアナリティクスと何が違うんですか?
井水(ウェブマーケター)
GA4は、より詳細なユーザー行動の把握やプライバシー対応、機械学習によるインサイト獲得などが強化された新世代の解析ツールです。歯科医院サイトでも、診療メニューごとのコンバージョン計測やユーザーがどのページで離脱するかなど分析しやすくなります。
このページの目的
- 歯科医院のWebサイトにおいて、どのようなデータを重点的に見るべきかを学ぶ
- GA4の基本機能と従来のユニバーサルアナリティクス(UA)との違いを理解する
- データ分析から具体的な改善案を導き、集患や問い合わせ増に繋げるステップを提案する
Googleアナリティクス4(GA4)とは?歯科医院が注目すべき理由
アクセス解析ツールとは
アクセス解析ツールとは、ホームページがどれくらいの人にどれだけ見られたかを分析するツールです。
データに基づいた現状把握やホームページの改善をするには、欠かせない存在です。
GAとは
Googleアナリティクス(GA:ジーエーと読む)はGoogleが無料で提供する分析ツールです。
GAは2005年からあるアクセス解析ツールですが、2020年にGA4(ジーエーフォー)にアップデートされました。
ホームページにGA4のタグを入れ込むだけで、ホームページ上での閲覧行動を記録・保存できます。
無料(※)で使える上、機能も充実しているので、世界で最もシェアが高いアクセス解析ツールです。
※GA4を大規模なホームページで使用する場合、料金が発生します。
GA4の特徴
- 新しい計測モデル:従来のセッション中心ではなく、ユーザーのイベント(行動)中心に計測
- 機械学習の活用:将来的に予測指標や自動インサイトがさらに拡充される
- プライバシー対応:Cookieレス時代への対応を見据えた仕組み
今後GoogleはGA4を標準としていくため、歯科医院も早期に導入しデータ収集を開始するメリットがあります。
新サイト立ち上げ時はもちろん、既存サイトからの移行も早めに検討しましょう。
歯科医院GA4で取得できるデータと分析方法
ユーザー分析
- 年齢層、地域、性別などの属性を確認(プライバシー考慮で完全ではないが指標に)
- 新規 vs リピーター:
既存患者がどれほどサイトを利用しているかを把握する - ユーザーの行動経路分析:
トップページ→診療案内→問い合わせフォームなど、どの経路が多いか
流入元分析
- オーガニック検索、ダイレクト、SNS、広告など、どのチャネルから流入が多いか
- キャンペーンや広告を行った際の成果測定(例:リスティング広告経由の予約数)
コンテンツ分析
- ページ別のPV、滞在時間、離脱率をチェック
保険診療ページや自費診療ページの閲覧がどれだけあるか - ユーザーが最も閲覧する診療メニューを把握し、強化する
- スクロール率やイベントトラッキングでコンテンツの最後まで読まれているか検証
コンバージョン分析
- 予約フォーム送信や電話ボタンのクリックなど、ゴールを設定しCV数を追う
- どのページ・チャネルがCVに繋がりやすいか可視化し、予算配分や施策を最適化
- ユーザーフローを経路探索レポートで分析、途中離脱の原因を探る
モデル事例:都内B歯科がGA4で「インプラントページ→予約フォーム」をイベント設定しCVRを計測。アクセスは多いのにCVRが低かったため、ビフォーアフター写真と無料相談案内を追加したところ、CVRが2倍に伸びた。
歯科医院Webサイト改善に繋げるGA4の活用手順
- GA4を使えるように設定します。
- 無料でアカウントを作成し、発行されたタグをホームページにいれこみます。
- その他、計測したい項目があれば、設定します。
- 問い合わせフォーム送信、電話問い合わせクリック、Web予約完了などをゴールに設定
- 歯科医院にとって重要なKPI(CVR、CPAなど)を把握しやすくなる
- メインダッシュボードでユーザー数、セッション数を確認
- 集客チャネルを見て、SNS広告やオーガニック検索など、どこからの流入が多いか把握
- イベント(ページスクロール、ボタンクリックなど)を設定し、ユーザー行動を詳細に記録
- 発見した問題点(例:直帰率の高い保険診療ページ)を改善
コンテンツ追加やデザイン変更を試す - A/Bテストでタイトルやボタン文言を比較し、CVが高いパターンを採用
- 新施策を行った後のデータをGA4で検証
改善前後でCV率や滞在時間がどの程度変わったか把握 - 効果が薄い場合は別案を試す
開業前に設定すべきポイント
- サイト公開前からGA4のプロパティを作成し、埋め込みタグを仕込んでおく
- 公開直後からデータが貯まり始めるので、初期の反応や問題点を早期に把握できる
- 既存の別医院の分析結果を参考にして、強みや弱みをあらかじめ把握し、新サイト設計に活かす
新開院時はアクセスが少ないため、データが安定するまで時間がかかりますが、逆にいえば初期改善が成果に直結します。データをためつつ、最適化を図りましょう。
まとめ Googleアナリティクス4で歯科医院のWebサイトを改善し集患を伸ばす
Googleアナリティクス4(GA4)は、従来よりもユーザー行動を細かく把握できる解析ツールです。
歯科医院のWebサイトでは保険診療・自費診療ページの閲覧数やCV率を追跡し、改善を繰り返すことで問い合わせや予約を増やすことができます。
開院前から設定しておき、公開直後のアクセスを逃さずに解析するとよりスピーディに施策を行えます。PDCAを回して長期的に集患効果を高めましょう。
なるほど、これなら新サイトでも公開直後からユーザーの動きが分かりますね。保険診療ページと自費診療ページ、どちらに多くアクセスがあるか見比べながら施策を変えるのが良さそう。
その通りです。
各ページのCV率や閲覧時間などを見れば、患者さんが興味を持っている部分や改善が必要なところが一目瞭然。
GA4を軸にWebサイト運用を進めましょう。
内部リンク
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