中小製造業向け!ペルソナ設計ガイド【顧客像を明確にする具体例】

なぜ社長、幹部、社長の息子がペルソナ設計に関わるべきか
社長は会社全体のビジョン、幹部は現場の実務・リソース、社長の息子など次世代リーダーは新しい視点を持っています。
それらをまとめ、「どんな顧客に何を提供して成長したいのか」を具体化するために、全員がペルソナ設計へ参加すると、より実行性の高い戦略に結びつきやすいのです。
ペルソナとは?ターゲット設定との違い
ペルソナとターゲットはちょっと違います。
ターゲットとは
製品やサービスを販売したい、より広い範囲の顧客層。
業界や役職などで大まかにくくります。
ターゲットの例:
医療機器メーカーの研究開発部門
ペルソナとは
ターゲット層の中から、さらに具体的な顧客像を詳細に設定した、架空の「理想の顧客」像。
ターゲットからさらに個人レベルへ落とし込み、年齢・性格・情報収集行動・KBFまで具体的にイメージする
ペルソナが明確になるほど、どんな情報を、どんなトーンで、どのメディアで伝えるべきかが見えてきます。
まるで実在の人物のように、名前、年齢、職業、家族構成、趣味、ライフスタイル、価値観、悩み、購買行動などを詳細に設定します。
ペルソナの例:
鈴木真由美、32歳、都内在住の会社員、夫と子供2人、趣味はヨガと読書、SNSで情報収集、オーガニック製品に関心が高い…
ペルソナを設計する3つのステップ
- 基本情報(氏名、年齢、役職、所属、企業規模、年収)
- 業務内容(担当プロジェクト、決裁権の有無)
- 抱える課題・ニーズ(短納期?コスト削減?技術サポート?)
- KBF(Key Buying Factor)(納期最優先、コスト最優先など)
- 情報収集方法(SNS、業界誌、展示会、ウェブ検索など)
- 技術トレンドや市場変動、追加のヒアリング結果に応じてアップデート
- 既存顧客の導入事例をベースに、よりリアルな属性を補足
ペルソナ具体例(新分野を狙うケース)
例:化粧品メーカー向けステンレスタンク開発を狙うペルソナ「佐々木正明(35歳)」
- 所属・役職: 大手化粧品メーカーの生産技術部主任
- 企業規模: 従業員2000名ほどの国内大手
- 抱える課題: 新しい成分に対応できるステンレスタンクの試作が必要、衛生基準が厳しく納期もタイト
- KBF: 衛生面対応、短納期実績、技術サポート
- 情報収集行動: Google検索「ステンレスタンク 衛生基準」「短納期 タンク製造」、業界紙・展示会チェック
- 購買プロセス内の役割: 初期調査~比較検討を担当。最終決定は部長と役員が行う
既存顧客をモデルにペルソナを設定する場合
すでに取引がある顧客を模倣する形でペルソナを作ると、実在の課題・KBFを把握しやすく、ほぼ「そのまま」応用できる強みがあります。
- ポイント1: 顧客ヒアリングで「なぜ当社を選んだのか?」を具体的に聞き出す
- ポイント2: リピート注文や追加依頼が生まれやすい経緯を探り、サイトに反映
- ポイント3: 同じ業界・規模の他社にも刺さるよう、共通する課題やKBFをまとめる
ペルソナ設計後のアクション:ペルソナをどう活かす?
ペルソナを作っただけでは終わりません。
各段階でどんなコンテンツ(技術資料、事例、FAQ、費用感など)が必要かマッピングするのが有効です。
また、キーワード選定や広告運用でも「そのペルソナなら何を検索しそうか?」を想定しやすくなります。
ワークシート:ペルソナ設計テンプレート
下記はペルソナを作成する際に活用できるサンプルです。ダウンロード用のPDFなどを用意すると社内共有にも便利です。
項目 | ペルソナの例 | ペルソナ |
---|---|---|
名前 | 佐々木真由美 | |
年齢・役職・企業規模 | 35歳 / 生産技術部 主任 / 従業員2000名 | |
業務内容 | 化粧品の新製造ライン設計、ステンレスタンクの仕様検討 | |
抱える課題・ニーズ | 衛生基準を満たす新素材対応タンク、短納期 | |
KBF (Key Buying Factor) | 衛生面対応、技術サポート、納期厳守 | |
情報収集方法 | Google検索「ステンレスタンク 衛生」、展示会、業界紙 | |
購買プロセスでの立場 | 初期リサーチとベンダー選定。決裁は上司や役員 |
まとめ:ペルソナが明確なら、ウェブ戦略もブレなくなる
ペルソナ設計により、「誰の課題を、どう解決し、どんなKBFに応えるか」がリアルにイメージできます。
そこに社長のビジョン、幹部の現場知識、社長の息子のフレッシュな視点が合わされば、実行力の高いウェブ戦略が完成するはずです。

新規分野で問い合わせを増やしたいなら、まずはペルソナを1人具体的に設定してみてください。既存顧客をモデルにするのも効果的です。設計後はウェブサイトコンテンツや広告に反映し、効果を検証しましょう。
お困りの際はぜひ一度ご相談ください。
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専門家と一緒に作業すれば、余計な遠回りをせずに成果へ近づけるはずです。