問合せを増やす!製造業ウェブサイト改善、PDCAサイクルの回し方

問合せを増やす!製造業ウェブサイト改善、PDCAサイクルの回し方

脱・勘頼み!データに基づいたウェブサイト改善で、製造業の売上を最大化をする方法を紹介します。

目次

勘と経験だけでは限界!製造業こそ、データに基づいたウェブマーケティングを

多くの中小製造業では、展示会や人脈を通じて顧客開拓を行い、「ホームページは名刺代わり」「広告はBtoC向け」といった認識を持っているケースが多く見受けられます。

ところが、デジタル化の加速により、今や技術情報や加工サービスをウェブ経由で探す企業が増えた結果、ウェブマーケティングを強化している製造業が新規顧客を着実に獲得しています。

いざホームページに取り組んで「問い合わせが増えなかった」という会社さんは、「データに基づいた改善をしていない」という声をよく聞きます。

うまくいかない例:
・ホームページをリニューアルしたが、問い合わせが増えない。
・ウェブ広告を出稿しているが、費用対効果が低い。
・ブログ記事を更新しているが、アクセス数が伸びない。

そこで重要になるのが、データに基づいた「PDCAサイクル」。
もともと製造業の品質管理から生まれたこのフレームワークは、ウェブ戦略にも大いに役立ちます。

本ページでは、製造業ウェブマーケティングの基礎としてPDCAサイクルを上手に回すための考え方を見ていきます。しっかり理解することで、今まで勘に頼っていた施策にデータ分析の裏付けが加わり、成果が大きく変わるはずです。

製造業とPDCAサイクル:まずは全体像をつかむ

PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の4ステップを繰り返し行うことで、継続的に業務や戦略を改善していく手法として知られています。実はこれは、品質管理や生産管理の現場で使われることが多かったため、製造業の方にとっては馴染みが深い考え方といえるでしょう。

この仕組みをウェブマーケティングに当てはめると、Planで「問い合わせ数を月間X件にしたい」という目標を設定し、Doで実際にウェブサイト改善や広告出稿などを行い、Checkでアクセス解析や広告の管理画面を見ながら成果を評価します。そこで見つかった問題点をActionで再度改善に落とし込み、施策をアップデートしながら効果を高めていくわけです。

ただし「理屈は分かるけれど何から手を付けていいか分からない」という方もいると思います。
次のセクションでは、実際に製造業のウェブマーケティングにPDCAサイクルを導入するうえでの流れを、より具体的に解説します。ぜひ読み進めてみてください。

ウェブマーケティングのPDCAサイクル:4つのステップを具体的に理解

下記の表は、製造業のウェブ担当者や経営者がPDCAサイクルを回すうえで、それぞれのステップで実施すべき事項やヒントをまとめたものです。全体像をつかんだうえで、各ステップの内容を順番に解説します。

Plan (計画)ウェブ戦略の目標を設定し、施策を立案する「問い合わせ数を月間○○件に増やしたい」「受注率をアップさせるため、見込み客リストを年内に△△件まで増やす」といったKPIを設定し、SEO・広告・SNSなどの施策を選定する。KGIやSMART目標などのフレームワークを活用すると明確化しやすい。
Do (実行)計画に基づいて、実際に施策を行うウェブサイトのコンテンツ制作(技術ブログ、事例紹介)、広告出稿(リスティングやディスプレイ)、SNSの運用(LinkedInで特定業界担当者に情報発信)などを具体的に実施する。実行した施策は日次や週次で進捗をチェック。
Check (評価)実行した結果をデータで測定し、問題点や改善点を洗い出すGoogle Analytics 4(GA4)でアクセス数やコンバージョン率を確認し、広告の管理画面で費用対効果を測定する。離脱率が高いページを特定し、問い合わせフォームの入力率を分析するなど、目標達成度を評価し課題を見つける。
Action (改善)評価で見つかった課題を基にサイトや施策を修正し、次のサイクルへ繋げるたとえば、離脱が多かったページのコンテンツをリライトする、広告のターゲットキーワードを変更する、問い合わせフォームの項目を減らすなど具体的改善に落とし込む。その後、再びPlanに戻りPDCAを回して精度を高め続ける。

Step 1: Plan(計画)

最初のステップ「Plan(計画)」では、まずウェブマーケティングの目標を設定します。
製造業のウェブサイトでは、以下のようなKPI(重要業績指標)がよく使われます。

  • 「問い合わせ数を月間○○件にする」
  • 「特定キーワード(例:チタン加工 試作)で検索順位トップ3に入る」
  • 「メールマガジンの登録数を××件まで増やす」

これらのKPIを年商3億円などの目標やKGI(最終目標指標)に結びつけることで、営業全体とウェブ施策を連動させられるわけです。次に、そのKPIを達成するための戦略・施策を立案します。
たとえばSEO対策か広告出稿か、SNS運用か、どの程度の予算を割くかなどを社内で合意しておきます。

ここでのポイントは、定量的な数字で把握することと、社内で必要なリソースや予算をしっかり確保することです。「中途半端に始めて、すぐ放置」が一番もったいないため、実現可能で具体的な計画を立てましょう。

Step 2: Do(実行)

計画が固まったら「Do(実行)」に移ります。ここでは、決めた施策を実際に回していく作業が中心となります。たとえば、以下のような活動が挙げられます。

  1. ウェブサイトコンテンツの制作・更新
    技術ブログや事例紹介ページを充実させる。
    専門用語の解説、具体的な成功事例やビフォーアフターを加え、顧客が探している情報をわかりやすく提供。
  2. 広告出稿
    リスティング広告やディスプレイ広告を運用し、ターゲットとするキーワードや興味関心層にアプローチ。
    中小製造業にとっては、ニッチキーワードで費用対効果を出しやすい。
  3. SNS活用
    FacebookやLinkedInなどで、製造業コミュニティに投稿し、自社の技術や事例を発信。
    BtoBの場合は特にLinkedIn広告が有効という実績もある。

「Do」フェーズでは、実行のモニタリングが大切です。計画時点での想定どおり進んでいるか、担当者が施策を漏れなく実施しているか、必要に応じてチェックしながら運用を続けます。

Step 3: Check(評価)

次に「Check(評価)」で、実行した結果をデータで測定し、現状の成果や問題点を洗い出します。
ここがPDCAで最も重要ともいえます。具体的には、Google Analytics 4(GA4)やSearch Console、広告管理画面などを用いながら、下記のような指標を見ていきます。

  • アクセス数(ユーザー数・セッション数)
  • コンバージョン数・コンバージョン率(問い合わせフォーム送信などを目標設定)
  • 離脱率直帰率
  • 検索クエリ(どんなキーワードで訪れているか)
  • 広告のクリック数、費用、コンバージョン数

この段階では、設定したKPI(問い合わせ数など)と実際の数値を比べ、「目標に対してどれくらい達成したか、何が足りないか」を客観的に把握します。
また、離脱の多いページや、効果の薄いキーワードを特定し、大きな課題がどこに潜んでいるのかを明らかにするのです。

Step 4: Action(改善)

最後の「Action(改善)」では、評価で判明した課題を踏まえ、ウェブサイトや広告運用方法の修正を行います。
たとえば、離脱が多かったページをリライトし、専門用語を減らし図解を追加する、問い合わせフォームに入力例を設置する、広告の出稿キーワードを変更するなど、実際に一歩踏み込んで改良します。

ここで注意すべきは、優先順位の付け方です。インパクト(問い合わせに直結するか)や実装コストなどを考慮し、重要度の高い箇所から先に手をつけましょう。改善後の効果をまたCheckで測定し、さらに次のActionへ…というふうにサイクルを回し続けることが、最終的な成功に繋がります。

集客と問い合わせ

PDCA全体像を把握したうえで、具体的に「集客(アクセス数を増やす)」と「問い合わせ(コンバージョン率UP)」の2軸でどのような施策を意識すべきかを整理します。大まかに言えば、集客力が足りないならSEOや広告の強化を、問い合わせ率が低いならサイト導線やコンテンツ改善を進めると良いでしょう。

目的主な施策分析・改善視点
集客
(アクセス数UP)
SEO対策やキーワード最適化(ロングテール重視)
ウェブ広告(リスティング、ディスプレイ、SNS)
外部サイトやSNSでの情報発信
GA4で参照元やランディングページを確認し、
有効なキーワードや広告の費用対効果を分析。
ボリュームが少なければ施策強化、成果が出なければ
キーワードや予算配分を見直す。
お問い合わせ
(コンバージョン率UP)
ページ導線の分かりやすさ向上
コンテンツ内容(事例、技術紹介、メリット)の強化
CTAボタンやフォーム最適化
フォーム送信数やコンバージョン率を追い、
離脱ページを特定して原因を推測。
改善後は再度指標をチェックし、
どのくらい向上したか比較して
PDCAを回す。

このように、現状の課題が「集客」にあるのか、それとも「問い合わせを増やせていない」のか、あるいは両方なのかをデータで把握し、PDCAを回すことが重要です。

FAQ:PDCAサイクルでよくある質問とOODAループの話題

PDCAは分かったが時間やリソースが足りない場合どうする?

全てを完璧にやる必要はありません。
まずは月1回のミーティングでデータをざっとチェックして、直せる範囲の施策を小規模でも実行するだけで変化が起こります。

データを見ても改善策が思いつかない…

競合他社サイトを参考にしたり、技術ブログを活用したり、専門家に相談するのも手です。
とにかく試してデータを見て、小さく失敗しながら成功パターンを探しましょう。

OODAループとは?

変化の速い状況では、「Observe, Orient, Decide, Act」を繰り返すOODAループという考え方があります。
PDCAが計画重視なのに対し、OODAは素早い意思決定を重視する手法です。
もしウェブ市場の動きが激しいなら、PDCAと組み合わせて取り入れると良いでしょう。

ターゲット設定や戦略が根本的に間違っている場合は?

PDCAを回す過程で「ターゲットニーズと合致していない」と判明することがあります。
その場合、再度Plan段階を見直し、ペルソナ設定や市場分析からやり直す必要があるでしょう。

まとめ:データに基づいたPDCAサイクルで、ウェブマーケティングを成功に導こう!

製造業の現場で培われてきたPDCAサイクルは、ウェブマーケティングにおいても強力なツールとなります。特に年商3億円規模の中小製造業では、リソースが限られた中でいかに効果的な施策を選択し、結果を最大化するかが鍵。そのためには、曖昧な勘や経験だけではなく、アクセス解析や広告データなどの客観的な数字を味方につけることが重要です。

PDCAを回すプロセスにおいて、Plan(計画)で明確な目標設定を行い、Do(実行)で具体的な施策を試し、Check(評価)で分析して成果や課題を可視化し、Action(改善)で次のステップへ活かすサイクルを続けます。
そうすれば、ウェブサイトからの問い合わせ数が徐々に増え、売上や企業価値の向上にも大きく貢献することでしょう。

「まずはGA4を導入し、月1回でもデータを確認しながら、気づいた点を直していく」――この小さな一歩が、製造業ウェブマーケティングの大きな飛躍に繋がります。

ウェブマーケター

お困りの際はぜひ一度ご相談ください。専門家と一緒に作業すれば、余計な遠回りをせずに成果へ近づけるはずです。

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