歯山 太郎(理事長)
うちの歯科医院、いろんな施策はしてるんだけど、イマイチどの層に響いてるか曖昧なんだよね。もっと狙いを定めたいんだけど…。
井水 朋子(コンサル)
そこで重要なのが歯科医院のペルソナ設定です!ターゲット顧客を具体的にイメージできると、集患戦略やコンテンツ作りがガラッと変わりますよ。
歯谷 歯奈子(院長)
ペルソナがあるとどの年齢・職業・悩みを持つ人に刺さるのか明確になるのね。じゃあ早速、作り方から詳しく教えてださい。
ペルソナ設定がもたらす効果
- ターゲット顧客のニーズを正確に把握
- どんな悩み・価値観・ライフスタイルか? → 施策の精度UP
- コンテンツマーケティング&プロモーションが的確に
- ペルソナが利用するSNS、通院時間帯、予算感に合わせた訴求が可能
- 歯科医院の差別化がより明確に
- あれもこれもやるのではなく、ペルソナに合う診療メニュー・価格・接遇を強化
ターゲットを曖昧にしてると“万人向け”になって結局誰にも刺さらないのか…。ペルソナ設定は必須だね。
歯科医院のペルソナ設定を実践!具体的な手順をステップごとに解説
1) 必要な情報を洗い出す
- デモグラフィック情報
- 年齢、性別、職業、居住地、家族構成(子どもがいるか、親と同居か)
- ライフスタイル・価値観
- 趣味、休日の過ごし方、SNS利用状況、食事や健康意識、通院可能時間帯
- 歯科医院に対するニーズ・悩み・不安
- 「費用が心配」「痛みが怖い」「見た目重視(ホワイトニング・矯正)」「通院が面倒」など
- 情報収集方法
- 患者アンケート(どんな理由で来院?どんな検索ワード?)
- ユーザーインタビュー(詳細な悩み・決め手)
- SNSや検索キーワード分析(どんなワードで医院を探すか)
例:ライフスタイルの深掘り
- 平日昼休みにパパッと通いたいか?
- SNSはInstagram中心? Facebook?
- 痛みゼロならお金出してもOK? etc.
2) 具体的なペルソナ像を作成
- 名前・年齢・職業・家族構成などを設定
- 1日のスケジュール(仕事開始~帰宅まで)
- 趣味・価値観・歯科への悩み
- 利用メディア・検索キーワード
- ビジュアル(写真・イラスト)で具現化
例: ペルソナ①「加藤 美香(28歳・女性・会社員)」
- 居住地:都内マンション、駅から10分
- 生活パターン:平日は朝9時~19時勤務、休日はショッピング
- 悩み:ホワイトニングに興味あり、費用と痛みが不安
- SNS:インスタ毎日チェック
- 通院ニーズ:土日診療、短時間で済む施術
例: ペルソナ②「佐藤 剛(35歳・男性・会社員)- インプラント検討」
- 家族構成:妻と2歳子ども、共働き
- 悩み:奥歯を抜歯後、インプラントかブリッジか迷っている
- 平日忙しい→ 夜間診療 or 土日診療欲しい
- 検索キーワード: “インプラント 費用 ローン 痛み少ない”
例: ペルソナ③「鈴木 由美子(42歳・主婦)- 小児歯科メイン」
- 家族構成:小学生2人
- 悩み:子どもが歯医者を嫌がる、キッズスペース&痛み少ない治療を求む
- SNS:ママ友とのLINE、ママ向け口コミサイトを参考にする
- 時間帯:平日午前中 or 土曜日
例: ペルソナ④「山田 正(60歳・退職者)- 入れ歯・総義歯」
- 居住地:駅からやや遠い戸建て
- 悩み:入れ歯が合わない、費用を抑えたいが質も重視
- 移動:バス or 車→ 駐車場有りが助かる
- 通院頻度:まとめて通うより定期的に少しずつ
図解イメージ
[ペルソナ例カード]
・名前: 鈴木 由美子 (42歳・主婦)
・ライフスタイル: 子ども2人, ママ友LINE多用
・悩み: 子どもの歯医者嫌い, 痛み不安
・ニーズ: 土曜診療, キッズスペース
3) ペルソナの優先順位をつける
- 医院の方針や収益性、地域の人口層を考慮
- すべて同時に狙うのは難しい→ メインとなるペルソナを1~2名から対応
- 他のペルソナはサブ施策で段階的に
ペルソナを活用した集患戦略!効果的なアプローチ方法
1) 診療メニューの最適化
- 美香さん向け:ホワイトニング・審美歯科を打ち出す
- 佐藤さん向け:インプラント費用プラン、夜間診療枠、ローン選択肢
- 由美子さん向け:小児専用診療室、痛み少ない治療、土曜キッズイベント
2) プロモーション戦略
- Webサイト & SNS
- ペルソナが検索しそうなキーワードを使ったコンテンツ
- Instagramでビフォーアフター写真、Facebook/LINEでファミリー層向け投稿
- 広告
- 美香さん向け→ インスタ広告やリスティングで「ホワイトニング 東京駅近」など
- 由美子さん向け→ チラシや地域イベント、ママ友コミュニティに合った訴求
3) アクセス・予約方法
- オンライン予約:忙しいビジネス層 or 子育てママに便利
- 電話サポート:高齢層向けにシンプル対応
- 営業時間:夜間or土日を設けるか、平日昼の空き枠を活かすか
4) キャッチコピー・デザイン
- ペルソナが感じる魅力を言語化
- 例:「短時間でも白い歯!痛みが少なく安心です」「お子様連れ歓迎の小児歯科」「年配の方にもやさしい送り迎え」
こうやってペルソナ別に考えると、具体的に土日診療の告知をチラシでアピールとかアイデア浮かぶ。迷いが減るわ。
ペルソナが複数いる時の戦略と共通施策
- 複数ペルソナそれぞれに合った施策
- SNS投稿も2パターン、診療メニューのPRも対象別に変える
- 共通施策
- 例:痛み少ない治療、駅から徒歩5分など“全員に有効”な強み
- 優先度を決める
- 最初は“美香さん”に集中し、次に“由美子さん”など。スタッフのリソースや予算を調整
ペルソナが5人も6人設定する場合もありますが、最初はまず1~2名をペルソナに据えてペルソナが喜んで貴院の歯科治療を受けたくなるようなコミュニケーションを目指しましょう。その上で、余力があれば他の層もフォローって形が現実的ですね。
ペルソナ設定の検証・改善 ~継続的にアップデートしよう
- 施策実施後の効果測定
- 新患の属性、予約ルート、アンケート結果を集めペルソナ像と合っているか検証
- ペルソナ修正
- 思ったより費用面の不安が強かった?若い層はSNSより口コミで選んでる?など把握→ 更新
- 定期的な見直し
- 地域の人口動態、競合状況が変化→ ペルソナも変わり得る
実際に来る患者さんはこんな悩みが多かったって分かったら、ペルソナを再設定すれば良いんだね。一度作ったら終わりじゃないんだね
ペルソナ設定モデル:ペルソナ設定で自費診療を拡大した歯科医院
- 背景:保険診療中心で収益が伸び悩み→ 自費強化したいが狙いが定まらない
- ペルソナ作成:
- ①30代女性(ホワイトニング・矯正希望)
- ②40代主婦(子どもの矯正も相談、痛み少なく済ませたい)
- 施策:
- ①SNS広告で症例写真を見せ、土日枠のホワイトニングキャンペーン
- ②小児&母親向けイベントで矯正無料相談
- 結果:
- 半年でホワイトニング予約2倍、子どもの矯正スタート件数も1.5倍→ 自費診療割合が増加
具体的なペルソナ像を作ったら的中して、狙った層から予約増えたんだね。うちでも応用できそう。
まとめ:歯科医院の集患を加速させる“ペルソナ設定”を始めよう
本記事の要点
- 歯科医院 ペルソナ設定がなぜ重要?
- 集患ターゲットを明確にし、施策を最適化→ 患者満足&リピート率UP
- ペルソナ設定の手順
- 情報収集(アンケート、インタビュー、SNS等)→ デモグラフィック&ライフスタイル→ 具体的な人物像を作成
- 集患戦略への反映
- メニューやプロモーション、時間帯、キャッチコピーをペルソナに合わせる
- 複数ペルソナ&改善
- 主力ペルソナを優先→ 定期的に効果を検証しペルソナを更新
まずは1人か2人、モデルとなる患者像をしっかり作って、Webやチラシの内容をその人向けに書いてみようかな。
「そうですね。誰に向けて発信するのかを意識すると、施策の方向性がブレにくくなります。そこがペルソナの強み!
次の一手
- 情報収集(1週間~2週間)
- 患者アンケート:来院動機・年齢層・検索キーワードなど
- ユーザーインタビュー:悩み・通院決め手
- ペルソナ作成シートをダウンロード・記入(例:名前、年齢、家族構成、SNS利用、歯科の不安…)
- テンプレート例をWebから入手するか自作
- 施策内容を決定
- Webサイトの導線改善、SNS広告の内容、キャンペーン企画、診療時間再調整
- 効果測定(新患属性・予約数の変化、アンケート再実施)
- 上手くいかなければペルソナを修正
関連リンク
・自院の課題を発見!歯科医院の現状分析はこちら
・自院の強み・弱みを把握!歯科医院のSWOT分析はこちら
・患者ニーズ&競合を知る!歯科医院の3C分析はこちら
・歯科医院のユーザーインタビューで本音を深掘り
・患者アンケートで定量データを収集