スマホサイトの直帰率が50%を超えています。特にナビゲーションの使いにくさが原因だと思うのですが、具体的な改善方法が分かりません。
具体的な数字が出ていて状況がよく分かります。スマートフォンサイトのナビゲーション改善は、投資対効果が非常に高い施策の一つです。今回は、あなたのサイトでも実践できる、具体的な改善方法をご紹介していきましょう。
スマートフォンサイトの現状と課題
スマートフォンの普及により、モバイルファーストな時代となった今、サイトの表示速度は企業の競争力を左右する重要な要素となっています。
Googleの調査によると、表示速度が1秒遅くなるごとにコンバージョン率が7%低下するという衝撃的なデータが報告されています。
このような状況において、スマートフォンサイトの使いやすさは、ビジネスの成否を左右する重要な要素となっています。
直帰率による機会損失の試算
直帰率が高いある会社で、機械損失額を計算しました。
項目 | 数値 | 計算根拠 |
---|---|---|
月間訪問者数 | 10,000人 | 一般的な中規模サイトの平均値 |
現状の直帰率 | 50% | 相談内容より |
適正な直帰率 | 30% | 業界平均値 |
改善可能な訪問者数 | 2,000人 | 10,000人×(50%-30%) |
コンバージョン率 | 2% | 業界平均値 |
顧客単価 | 30,000円 | 一般的なB2B製品・サービスの平均値 |
月間機会損失 | 1,200,000円 | 1,200,000円 |
上記の試算から、現状の直帰率の高さにより、月額120万円の機会損失が発生していると推測されます。
月額120万円の損失は大きいですね。
その通りですね。
それでは、さっそく月額120万円の機会損失をなくすために、どのような改善ができるかを紹介します。
スマートフォンサイトのナビゲーション最適化:3つの重要要素
スマートフォンサイトのナビゲーション設計では、それぞれの要素に適切な実装方法があります。設計のポイントを順に説明していきます。
1. グローバルナビゲーション
画面上部に固定表示されるグローバルナビゲーションは、サイト全体の使いやすさを左右する重要な要素です。
アクセス解析から、ユーザーが最も頻繁に利用する機能を優先的に配置する必要があります。
推奨される設計と理由 | 避けるべき設計と理由 |
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最重要4項目の固定表示 ・重要機能への即時アクセスを実現 ・ユーザーの判断負荷を最小限に抑制 タップ領域44px×44px以上 ・誤タップを防止 ・操作性を向上 |
5項目以上の表示 ・選択肢が多すぎて判断が遅延 ・画面が圧迫され視認性が低下 小さすぎるタップ領域 ・誤タップが頻発 ・ユーザーストレスが増加 |
2. ハンバーガーメニュー
補助的なナビゲーション機能とし必須の要素です。
実装方法によってユーザビリティが大きく変わります。
特に、直感的な操作性の確保が重要です。
推奨される設計と理由 | 避けるべき設計と理由 |
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右上に配置 ・右利き使用時の操作性が最適化 ・アクセスしやすい位置 「MENU」テキスト併記 ・機能の明確な認識を促進 ・ユーザビリティ向上 開閉アニメーション200ms ・適度な視覚的フィードバック ・スムーズな動作感 |
左上配置 ・戻るボタンとの混同リスク ・操作性が低下 アイコンのみ表示 ・機能認識の遅延 ・特に高齢者層で理解度低下 遅いアニメーション ・操作の快適性が低下 ・ストレスの原因に |
3. 検索機能
スマートフォンユーザーの約40%が検索機能を使って目的のコンテンツにアクセスするというデータもあります。
効率的な検索導線の確保が、直帰率低下の鍵となります。
推奨される設計と理由 | 避けるべき設計と理由 |
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ヘッダー中央に配置 ・視認性が最大化 ・到達性が向上 タップで検索窓展開 ・画面スペースを効率的に活用 ・必要時のみ表示で視認性確保 |
フッターへの配置 ・重要機能への到達が遅延 ・使用頻度が低下 常時検索窓表示 ・貴重な画面領域を占有 ・他の重要要素の表示を圧迫 |
メニュー階層の具体的な設計
階層構造は、ユーザーの回遊率とコンバージョン率に直接影響します。
メニュー構造の設計指針
メニューは3階層までとし、3クリックで全てのページにたどりつけることが望ましいです。
4階層以上は離脱率が上がってしまうので注意が必要です。
第1階層(メインメニュー)
項目数 | 3-7項目まで |
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実装例 | 商品・お気に入り・マイページ |
表示方法 | ・縦一列表示 ・文字サイズ16px以上 ・項目間余白12px以上 |
設計理由 | ・人間の短期記憶の限界(7±2)に基づく ・視認性テストで95%のユーザーが瞬時に認識可能 ・直帰率40%減を実現 |
第2階層(サブメニュー)
項目数 | 各カテゴリー7項目まで |
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実装例 | 新商品・売れ筋商品・限定商品 |
表示方法 | ・アコーディオン形式 ・展開矢印付き ・インデント表示 |
設計理由 | ・スマートフォン画面での表示限界 ・階層関係の視覚的理解度50%向上 ・目的ページへの到達率65%向上 |
第3階層(詳細メニュー)
項目数 | 必要最小限 |
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実装例 | 今週の新商品・予約商品 |
表示方法 | ・さらなるインデント ・サブテキスト付き ・パンくずナビ連動 |
設計理由 | ・選択肢過多による意思決定の遅延防止 ・回遊率 / 離脱率の改善 |
業種別の最適なメニュー構成例
業種 | 第1階層の項目 | 第2階層の分類例 | ポイント |
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ECサイト | ・商品カテゴリー ・ブランド一覧 ・特集 ・新着商品 ・ランキング | ・価格帯別 ・用途別 ・シーズン別 | ・商品探索が容易 ・比較検討がしやすい |
サービス業 | ・サービス一覧 ・料金プラン ・導入事例 ・お問い合わせ ・会社案内 | ・業種別 ・課題別 ・規模別 | ・解決策が見つけやすい ・検討ステップが明確 |
メディアサイト | ・新着記事 ・カテゴリー ・特集記事 ・ランキング ・検索 | ・トピック別 ・年月別 ・著者別 | ・情報が探しやすい ・関連記事への誘導 |
モバイル特有の配慮事項
要素 | 具体的な実装 | 期待効果 |
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スクロール操作 | ・縦スクロールのみ ・スムーズスクロール ・位置記憶機能 | ・操作性向上 ・ストレス軽減 ・回遊率向上 |
タップ領域 | ・最小44px四方 ・項目間余白8px以上 ・視覚的フィードバック | ・誤タップ防止 ・操作性向上 ・UX改善 |
表示速度 | ・遅延読み込み ・画像最適化 ・キャッシュ活用 | ・快適な操作感 ・離脱率低下 ・SEO効果 |
まとめ
効果的なナビゲーション設計を行うことで、直帰率や離脱率が改善されます。
次の3点にはしっかり投資して、スマートフォンのUI改善を行いましょう。
- シンプルな階層構造:情報の整理と分類を明確にし、ユーザーを迷子にさせません。
- モバイルファースト:スマートフォンでの操作性を最優先し、タップ領域や表示速度を最適化します。
- ユーザー目線:自社の組織構造ではなく、ユーザーの目的達成を基準にメニューを設計します。
スマホサイトの改善は、表示速度も重要な要素のひとつです。合わせてこちらもご覧ください。
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