CBBEモデルとは|ブランド構築のフレームワーク

この記事では、世界的に認められているブランド構築フレームワークCBBEモデルの基本を解説しています。

ブランド価値を高めたいのですが、何から手をつければいいのか分からなくて。体系的に理解できる方法はありますか?



ブランド構築の道筋を示す優れたフレームワークとして、ケビン・レーン・ケラー教授が提唱したCBBEモデルがあります。実務でも広く活用されている手法です。今回は、CBBEモデルの基本的をわかりやすく解説しますね。
CBBEモデルとは
CBBEモデルとは、企業がブランド価値を高める上でつかわれるフレームワークです。
米国マーケティング学者のケビン・レーン・ケラー(Kevin Lane Keller)教授によって提唱されました。
Customer-Based Brand Equityというとおり、顧客の視点からブランドの価値を捉えるのが特徴です。
CBBEモデルでは、顧客の心理や行動に基づいてブランドの強さを測定・構築します。
ブランド構築のステップ | 目的 |
---|---|
1. アイデンティティ | 認識してもらう 想起してもらう |
2. ミーニング | 機能的・感情的な意味付け |
3. レスポンス | ユーザー体験と感情的な反応 |
4. リレーションシップ | 深い絆とロイヤルティの形成 |
ステップ1から4までの項目をそれぞれ紹介します。
ステップ1:ブランド・アイデンティティを確立する
企業がブランドを構築する最初のステップは、ブランドをアイデンティティーを確立することです。
企業側がブランド・アイデンティティを統一できていなければ、顧客が正しくブランドを認識することも難しいでしょう。
ブランド・アイデンティティーを作り込んでいく際は、次の3つの要素に分けて、プロジェクトを進めます。
カテゴリー | 具体的な取り組み |
---|---|
ブランドアイデンティティの視覚的要素を統一する | ・ロゴデザインを統一する ・カラーコードを統一する ・タイポグラフィを統一する |
ブランドアイデンティティの言語的要素を統一する | ・ブランドネームを最適化する ・キャッチコピーを開発する ・トーン&マナーを統一する |
すべての接点において、世界観を統一する | ・メディア露出を最適化する ・店舗デザイン、パッケージ、広告、ウェブサイトなどの接点における世界観を統一する |
→ブランド・アイデンティティの作成を依頼する
ステップ2:ブランド・ミーニングの構築
第2ステップでは、ブランドミーニングを構築します。
ブランドミーニングとは
ブランドミーニングとは、そのブランドが顧客や社会にとってどのような意味を持つか、どのような価値観や感情、ストーリーを連想させるか、という内面的・意味的な側面に焦点を当てた概念です。
ブランドミーニングを構築することにより、顧客がブランドに対して抱く共感、愛着、自己表現といった深いレベルでの繋がりを生み出す源泉となります。なぜそのブランドを選ぶのか、という理由の核心部分に関わるからです。
実際に作成するには、顧客にどんな価値を提供しているかを洗い出した上で、作成します。
ブランドミーニングを決める際に考えたい主なポイント
・ブランドが顧客に提供している価値は何ですか?
・ブランドが最も大切にしている考え方や価値観は何ですか?
・ブランドらしさを形作っている、一番大事なDNAや心臓部のようなものは何ですか?
・ブランドを人に例えば場合、どんな性格ですか?どんなコミュニケーションをとりますか?
・ブランドが、顧客や社会に対して最も届けたい、活動の根っこにある想いは何ですか?
ブランドステートメント
私たちのブランドは、[ どのような価値観に基づき ]、[ 誰に対して ]、
[ どのような独自の意味や価値を提供し ]、[ どのような状態を実現する ] 存在である。


ステップ3:ブランドレスポンスの創出
第3ステップでは、ブランドレスポンスを創出します。
ブランドレスポンスとは、広告やコンテンツを通じてブランドの価値や魅力を伝え、顧客に「このブランドは信頼できる」「このブランドは自分に合っている」「このブランドが好きだ」といった判断や感情を指します。
つまり、顧客の心の中で
- ブランドをどのように判断するか
- ブランドと触れることでどんな感情をもつか
を積極的に形作ります。
ブランド判断の種類
品質が高そう / 信頼できそう / 自分に合いそう / センスが良さそう / 効果がありそう / 安心できそう / 価値がありそう
感情的反応の例
好き / 共感する / ワクワクする / 憧れる / 心地よい / 親しみを感じる / 応援したい
ステップ4:ブランド・リレーションシップの構築
ステップ4ではブランドリレーションシップを築きます。
ブランドリレーションシップとは、顧客とブランドの間に築かれる、単なる取引関係を超えた心理的、感情的、そして行動的なつながりや関係性のことを指します。
人間関係と同じように、ブランドと顧客の間にも様々な深さや性質の関係性が存在するという考え方に基づいています。
弱いブランド・リレーションシップの状態
ブランドを知っている、たまに購入する程度。
中程度のブランドリレーションシップの状態
ブランドに好意を持っている、他の選択肢よりも優先的に選ぶ。
強いブランドリレーションシップの状態(レゾナンスに近い状態)
レゾナンスとは、ブランドリレーションシップの中でも特に強く、深い心理的な絆が生まれている状態を示し、ブランド構築の究極的なゴールとされています。
ブランドに強い愛着や信頼を感じている、自らをブランドコミュニティの一員だと感じる、積極的にブランドに関与し、他者に推奨している状態です。
顧客というよりも、ファンや支持者という色合いが強いかもしれません。
要素 | 目的 | 主な施策例 |
---|---|---|
行動的ロイヤルティ | 継続的な購買・利用 | ・ロイヤルティプログラム ・会員特典 |
アタッチメント | 感情的な愛着 | ・体験価値の向上 ・パーソナライズ |
コミュニティ意識 | 所属意識 | ・ユーザーコミュニティ ・イベント開催 |
積極的エンゲージメント | 自発的な関与 | ・UGC促進 ・共創プログラム |
ブランドリレーションシップを築くメリット
ブランドリレーションシップを築くことで、次のようなメリットがあります。
- 顧客ロイヤルティの向上
- LTV(顧客生涯価値)の最大化
- ポジティブな口コミの促進
- 危機に対する耐性
改善アプローチ例
ブランディングを強化する上で、課題ごとに改善アプローチは変わってきます。
課題パターン | 改善アプローチ |
---|---|
認知はあるが想起されない | ・カテゴリーとの紐付け強化 ・利用シーンの明確化 ・タッチポイントの最適化 |
機能は評価されるが感情的つながりが弱い | ・ブランドストーリーの強化 ・体験価値の向上 ・感情的便益の訴求 |
好意はあるが継続的な関係が築けない | ・顧客体験の改善 ・コミュニティ形成 ・エンゲージメント施策 |
(例)認知はあるが想起されなかった事例
キットカット:受験や勝負時のお菓子として定着。「受験と言えばキットカット」と想起されるように。
(例)好意はあるものの、関係性が継続しない例
ナイキ:ランニングアプリでコミュニティを運用。一人では続かないランニングも、仲間やアプリの力で継続。
まとめ
あなたのブランドは、CBBEモデルのどの段階にありますか?
CBBEモデルは、ブランド構築の道筋を示す優れたフレームワークです。
まずは自社ブランドの現状を見極め、ブランディング育成をしていきましょう。
ステップ | 目的 | 主な施策 |
---|---|---|
1. アイデンティティ | 認識してもらう 想起してもらう | ・一貫したブランド要素の使用 ・カテゴリーとの紐付け |
2. ミーニング | 機能的・感情的な意味付け | ・品質の確保 ・ブランドストーリーの構築 |
3. レスポンス | ユーザー体験と感情的な反応 | ・品質保証 ・感情的体験の提供 |
4. リレーションシップ | 深い絆とロイヤルティの形成 | ・コミュニティ形成 ・共創の場づくり |



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