商品やサービスが飽和状態の現代において、多くの企業が「ブランドストーリー」の重要性に気づき始めています。では、あなたの会社にとってブランドストーリーは本当に有効なのでしょうか?本記事では、ブランドストーリーが自社に向いているかを手軽に判断できるチェックリストと、導入のポイントをご紹介します。
関連記事:ブランドストーリーとは、9つの代表的なブランドストーリーの型を紹介
ブランドストーリーとは?改めておさらい
「ブランドストーリー」とは、企業や商品・サービスの成り立ち、背景、価値観、想いなどを物語形式で伝えることで、顧客や社会との深い結びつきを作る手法を指します。商品やサービスそのものの機能・価格競争だけではなく、「どんなストーリーがあるのか」によって差別化を図ることができ、長期的なファンづくりにもつながります。
ブランドストーリーには以下のような効果があります:
- 共感・信頼が得られる:企業の理念や創業ストーリーに触れると、顧客はより深くブランドに愛着を持ちやすくなる
- 価格競争に巻き込まれにくい:同質化が進む市場でも”ストーリー”があるブランドは独自の存在感を発揮
- ブランド価値の向上:物語があることで”高付加価値”として認識されやすい
関連記事:ストーリーテリングの基本構造とは
ブランドストーリーが有効な会社の特徴
ブランドストーリーは、どんな企業にとっても可能性を秘めていますが、特に以下のような特徴がある会社には”必須”ともいえます。
1. 独自の創業エピソードや理念がある企業:創業者の熱い想い、ユニークなきっかけなどがある場合。
2. 競合商品と差別化が難しい企業:差別化要素が限られている場合は、ストーリーで独自性を演出できます。
3. リピーター(ファン)を増やしたい企業:商品だけでなく”共感”を軸にしたファンコミュニティを作りたい場合。
4. 新商品の投入サイクルが早い企業:その都度ストーリーを付加し、顧客を飽きさせない工夫ができます。
5. 高付加価値路線を狙いたい企業:”モノ”の価値以上に体験や世界観を提供したい場合。
うちの会社はどうなの?チェックリスト10項目
以下のチェックリストで、自社がブランドストーリーを活用すべきタイミングかどうかを確認してみましょう。
1. 創業者または代表者に明確なビジョンや想いがある[ はい / いいえ ]
2. ブランド名・会社名に由来や背景がある[ はい / いいえ ]
3. 自社の歴史や転機となるエピソードを大切にしている[ はい / いいえ ]
4. お客様に”共感”される価値観が社内に根付いている[ はい / いいえ ]
5. 顧客の声・成功事例を積極的に収集している[ はい / いいえ ]
6. 価格競争から脱却して、付加価値を高めたいと考えている[ はい / いいえ ]
7. SNSやブログなど、継続的に情報発信できる場をある程度持っている[ はい / いいえ ]
8. 社内向けにブランド理念を共有する仕組みを強化したい[ はい / いいえ ]
9. 顧客目線でストーリーを組み立てる意識がある[ はい / いいえ ]
10. 新商品やサービスを打ち出す際、”物語”を付加したいと思う[ はい / いいえ ]
「はい」が6つ以上なら、ブランドストーリーを導入・強化することで大きなメリットが得られる可能性が高いです。
関連記事:ストーリーテリングをブランドに活かす100のヒント
チェックリストで「はい」が6つ以上の場合
ブランドストーリーの構築を本格検討しましょう。創業ストーリーや企業理念を整理し、キャラクター設定やコンテンツ化を図ります。社員向けにはブランドストーリー共有会や研修、外部向けにはブログやSNS、イベントを活用することが効果的です。
関連記事:ブランドストーリーを強化する2つの要素:テストと反復、コラボレーションの効果的な活用法
チェックリストで「はい」が5つ以下の場合
まずはブランドの原点・コンセプトを再確認しましょう。
「そもそもどんな想いで立ち上げたのか」「どんな価値観があるのか」を洗い出してみると、新しい発見があるかもしれません。また、顧客の声や社内エピソードを集めることで、ブランドらしさを発見・育成していくことができます。
まとめ:ブランドストーリーではぐくむ「深い絆」
ブランドストーリーは、単なる企業の歴史紹介ではなく、顧客との深い絆を育むための”語り”です。チェックリストを通じて「うちの会社にはブランドストーリーが必要だ」と感じられた方は、ぜひこの機会に自社の物語を整理し、発信してみてください。商品の機能や価格では得られない”特別な体験”と”共感”を提供することで、ブランドへのロイヤルティが高まり、長期的に愛される企業に成長するはずです。