更新回数が多いほど成果が出る?! Webサイト運用における時間浪費の罠

<質問>

ホームページは毎日更新した方が良いと聞いてブログの投稿を頑張っているのですが、成果が出ているのかわかりません。
どれくらい続けていれば売り上げUPにつながりますか?

<回答>

どれだけ続けていても売り上げUPはおろか、アクセスアップにもつながりません。
Webサイト運用の仕組みをつくり、成果につながる内容の更新(改善)を行いましょう。

最近、たびたび同じような質問を受けるので、逆に「なぜ毎日更新したほうが良いと思うのか?」を聞いてみたところ。

  • たくさん更新したらSEOに良いと言われた。
  • 毎日ブログを書くとアクセスが上がると聞いた。
  • WordPressを導入しても毎日更新しないと意味ないと言われた。
    という返答がきました。

このように、サイトの更新自体が目的になっている場合は成果にはつながりません。
本来、サイトの更新は目的を達成するための手段でしかないのです。

ちょと厳しくいいますと、このような質問や疑問を持たれている方のほとんどは無駄に時間を浪費しています。
今回のご相談は、ある製造業の社長からいただいたのですが、状況を少し説明します。

社長が興味を示していなかったダメなWebサイト

自社サイトの状況を社長に聞いたところで得られら情報を少し紹介します。

  • Webサイトから問い合わせがないことは把握している
  • 自社サイトにどれくらいアクセスがある答えられない
  • サイトの更新は少しパソコンに詳しい若い事務のスタッフがやってる
  • 予算はほとんどかけてない
  • 総務担当にできるだけブログを更新しするように伝えている。(内容は指示してない。)

いかがでしょう?
少し書きだしただけでもお分かりになるように、これでは売上UPにつながらなくて当然と思われたでしょう。
しかし、実際このようなサイト運営状況に陥っている会社はとても多いのです。

しかし、成果を上げているWebサイトでは実際にとても多く更新されているのも事実です。
では、売り上げに貢献しているWebサイトと、売り上げに貢献していないWebサイトでは何が違うのでしょうか?

売り上げが上がるWebサイトと上がらないWebサイトの違い

Webサイトの更新は行われているが、売り上げUPやビジネスに貢献しているWebサイトと、更新は行われているがまったく売り上げに貢献していないWebサイトでは何が違うのでしょうか?
私が相談を受けた際に、それぞれのサイトでよく当てはまる内容をいくつかピックアップしました。

売り上げUPにつながるWebサイト

  • Webサイトの目的と役割が決まっている
  • KPIを定めている
  • アクセス解析を導入している
  • PDCAを回している
  • 自社だけでなく他社や検索市場を意識した内容になっている
  • Web担当者が専任でいる
  • Web担当者が営業マンと密にコミュニケーションをとっている
  • Web担当者が経営指針や会社のビジネスやサービスに詳しい
  • 経営者のWebへの関心が高く、社内で協力する体制をとっている
    など

売り上げUPにつながらないWebサイト

  • Webサイトの目的や役割が決まっていない
  • KPIを定めていない
  • アクセス解析を行っていない
  • ビジネスに関係のない内容のブログを日々更新している
  • Web担当者が自社のビジネスを把握しきれていない
  • Web担当者が営業担当者とコミュニケーションをとっていない
  • 経営者が自社サイトの内容に無関心
    など

いかがでしょうか?
もしあなたのWebサイトが日々更新しているにもかかわらず、売り上げUPに貢献していないとするのであれば、あてはまる項目がひとつではないのではないでしょうか。
また、このように内容を見比べてみると、少しずつやるべきことが見えてきたのではないでしょうか。

しかし、どこから手を付けていけばよいかわからないままだと、結局たわいもない記事や会社の情報の更新を繰り返す日々に終わってしまいます。

優先順位をつけて進めると良いのですが、これがなかなか難しい・・・。、

プロに相談するにもどうすれば良いのか?という方のために今回は初めに抑えておくべき2つのことを紹介します。

サイト改善を行うために抑えておくべき2つのこと

1. 目標を決める。

Webサイトにもさまざま種類があり、その種類により目標も変わりますが、まず目標が定まっていないと更新の方針も決まりません。

Webサイトの担う役割を定めたうえで目標を決めましょう。

参考記事

2. 今の状態を確認する

ダイエットでも勉強でも同じですが、目標があっても現状を把握しないと行動指針をたてられません。

Webサイトも同様です。

まず自社サイトが誰にどれくらい見られているのかを把握する必要があります。

そのためのツールとして、無料で使えるGoogleアナリティクスを活用するとよいでしょう。

参考記事

 まとめ

Webサイトを更新していく上で重要な心構えは、更新は目的ではなく改善のための手段と捉えることです。
Webというだけで一歩引いてしまう経営者の方もいらっしゃるでしょう。

しかし、Webを経営に活かしたいのであればWebを実店舗(支店)と同じように位置づけてください。
実店舗の現状や目標を把握しておらず、ましてや興味がない経営者はいませんよね?
売り上げが上がっていないと現状を確認して、改善を考えます。
それを新人や会社のサービスをあまり理解していない社員に任せる経営者もいないはずです。

決してWebをリアルビジネスと引き離して考えてはいけません。
また、Webは特別ではありません。売り上げに貢献するサイトに育てるのであれば、経営戦略や営業戦略とも一貫性を持たせる必要があります。
もちろん目標に合わせて、予算や人員の配置もしていく必要があるでしょう。

このように、Webサイトもマーケティングのための一部(ツール)と考えられるようになれば、更新の内容を業者や知人に聞くのではなく自社で改善(更新)すべき内容が見えてくるでしょう。

お得意様を増やす!お客様インタビューの活用法

<質問内容>

お客様インタビューを載せているホームページを見かけました。
自社でもやってみたいと思いますが、どのような点に気をつければいいですか。

<回答>

インタビューを載せると、3つのメリットがあります。
そのメリットを活かすも活かさないも、お客様インタビューの仕方次第。
今回は、お客様インタビューを最大限活用するための秘訣を紹介していきたいと思います。

お客様インタビューを載せる3つのメリット

①第三者の紹介は、読み手の信頼を得やすい
②あなたのビジネスを疑似体験してもらえる
③具体的な内容の記述が、SEOにも効果を発揮

①第三者の紹介は、読み手の信頼を得やすい

自己紹介と第三者による紹介例えば、自分で「自分は信頼に値する人間です」と言うのと、他人に「彼は信頼に値する人間です」と言うのでは異なります。

つまり、第三者に紹介してもらうことで、読者の信頼を得やすくなります。
さらに、インタビューというストーリーの中で、あなたがお客様に対してどのような接し方をしたかを書くのも大きな意味を持ちます。

内容によっては、どんなに立派な理念や哲学を掲げるよりも、人の心を打つ内容になるでしょう。

②あなたのビジネスを疑似体験してもらえる

「意外と○○だった」という体験談は影響力が大

仮に、どんなに親切な料金表を載せても、あなたのビジネスをWEBだけで伝えるのは不可能です。
しかしながら、お客様の立場で疑似体験してもらうことで、あなたのビジネスへの理解をより深めることができるでしょう。
お客様があなたと出会うプロセスや、他店・他社よりもあなたを選んだ理由を知り疑似体験することは、あなたのビジネスを様々な視点から見ることになります。
また、読者が金銭を払うことなく疑似体験をすることは、リスクヘッジにもつながります。金銭を払ってから「こんなはずじゃなかった」を減らす事ができるのは、読者にとってもメリットになります。

③具体的な内容の記述が、SEOにも効果を発揮

インタビューでは、あるお客様がその商品やサービスを利用した場合の話に触れることになります。より具体的な内容を掲載することで、より多くの具体的なキーワードでHITする可能性が高まります。

例えば、お客様インタビューの対象が車椅子を利用する方で、お客様インタビューには、商品が好きな上に、車椅子で行きやすいのでリピートしていますという内容を掲載したとします。そうすれば、他の人が検索エンジンで「車椅子で行きやすいお店」と検索したときに、お店のWebサイトがHITしやすくなります。

「お客様インタビューの作成法」のコツ

よくある失敗は、お愛想インタビュー

読み手は、新しい発見がないと退屈してしまう。

実際にお客様インタビューを始めると、多くのお客様がこのように話します。
「いい人でした」「いい対応でした」「商品を買って本当に良かったです」「他の人にも勧めたいです」
しかし、インタビューを読む人にとって、あなたのビジネスが褒めちぎられても、新しい発見はなく、退屈してしまうだけ。これではせっかくのお客様インタビューも、効果激減です。
では、どのような工夫をすればよいのでしょうか?

お客様に気持ち良く語ってもらう環境づくり

話が進むカフェや喫茶店のイメージ写真お客様には、友達や家族に話しているような感覚で、インタビューに臨んでもらうとよいでしょう。インタビューを行う場所も、話をしやすいカフェや喫茶店を選んでいます。

また、インタビュアーについてですが、私は社外の人間が行うことをオススメしています。社内の人間が行うと、「その会社やお店にとってマイナスのことを話しづらい」という意識が働くため、お愛想的なインタビューになってしまいやすいからです。

お客様は素人ですし、気持ちで動く人間です。お客様の気持ちよく語ってもらって、本音を引き出す環境を作ることが大切です。

ターニングポイントを聞き出す

ターニングポイントインタビューでは、ターニングポイントを聞き出すことを目指します。ターニングポイントでは、お客様自身の意識や考えが変わる場合が多く、期待や不安が入り混じります。

そして、このターニングポイントにこそ自社の強み(選ばれた理由)があるのです。

例えば・・・

Web広告に100万円かけるなんて馬鹿げていると思っていた。最初は興味本位で無料の広告シミュレーションをしてもらった。シミュレーションを見ると、投資対効果という視点で広告費用を捉えるようになり、自分でも驚くことに100万円という費用が安く見えた。発注前と発注後さらに、広告を始めた後に起きうる問題について説明され、その解決法についても話し合った。それでも大きな金額で大きな失敗をしたくなかったので、10万円から始めることにした。担当の人も快諾してくれた。広告が始まり、シミュレーションに近い状態になった。小さな問題が起きたものの、全て想定内だったので、担当さんと密に連絡を取り合い解消でき、思ったような投資対効果を得ることができた。今では費用を100万円以上かけるようになり、投資効果も十分すぎるほどあり、担当さんに安心してお任せしている。結果的に事業を拡大する足がかりとなった。

この例では、Web広告という商品に対して、「馬鹿げている」というマイナスのイメージから入っているのが特徴です。マイナスのイメージから入り、ターニングポイントが書かれているからこそ、読みやすい内容になっているのではないかと思います。

仮に、この人が最初からプラスのイメージを持ち褒めちぎっていたら読み手はどのように感じますか?少し宣伝のように感じる人がいるかもしれません。

お得意客を増やすということ

インターネットユーザーは、様々な情報に触れ、年々賢くなっていきます。他社サイトと比較して、どれをどのように買えば上手に買い物できるのかを調べます。

真面目なサイト運営者ほど、そんな全てのユーザーに応えようとしがちです。大企業のリソースが潤沢にあるところでない限り、それを最初から行うのは難しいでしょう。

まずは自社が得意とするお客様を増やす所から目指して、ブランドの確立を目指すのが早道です。それにはお客様インタビューは優れた方法だと思います。

 

訴求力を高める!ラブレターから考える、ペルソナを決める5メリット

<質問>

会社のWebサイトを任されて半年になります。
前任者に言われたとおり、毎週更新しているのですが、集客がうまくいっていません。
知り合いに相談したところ、ペルソナを決めたほうが良いと言われました。
ターゲットは決まっているのですが、ペルソナを決める必要があるのでしょうか

<回答>

毎週更新しているのは良いことですね。
では、その内容はどんな方に届けているのか、顔が浮かびますか?
それを読んだ人がどんな気持ちになるのか、そしてどのように集客に至るのかイメージできますか?
このような考え方は、訴求力を上げWebサイトの目的を達成していく上で有効です。この考え方の鍵を握るのが「ペルソナ」です。

Webサイトのミッション

Webサイトには、何かしらの目的があるはずです。集客、ブランドの認知、新商品の購買やセミナーの申し込みなど、どんな業界でも目的を持っているかと思います。全ての目的において必要なことが、「読み手にメッセージを伝えること」です。

ターゲットとペルソナの違い

では、ターゲットとペルソナはどのように違うのでしょうか。
ターゲットは、人物を区分で分けるのに対して、ペルソナは人物像を描きます

ターゲットの例

・渋谷で働くファッション好きなF1層(20歳~34歳の女性)
ターゲットの例

ペルソナの例

「山本綾さん24歳。渋谷の美容サロンで働くセラピスト。年収320万年。都内に両親(48歳)と住み、彼氏はいない。サロンの仕事は好きだが、平日夜や休日も働くことが多く、ノルマも厳しい。洋服を買ってオシャレするのが好きだが、着ていく機会がない。同級生の中にはサラリーマンで成績を出している人や、結婚して安定する人もちらほら出てきた。自分の将来に漠然とした不安を感じている。」

ペルソナ

ペルソナを決めれば、訴求力が上がる

ペルソナを決めると、どんな人物像なのかがより具体的に見えてきたのではないでしょうか。また、どんなことを伝えれば相手がどんな気持ちになるのかも想像しやすくなったのではないでしょうか。
ペルソナを設定することで、メッセージの作り方や伝え方に創意工夫が生まれてくるわけです

ラブレターから、創意工夫を考える

女の子

ここでラブレターの例を出したいと思います。ラブレターは1対1のメッセージです。
そんな時、多くの人が、どうやったら自分の気持ちが相手に伝わるかを考え抜きます。
また、その際、その女性との出会いや年齢・職業・脈があるのかないのか・・・その相手のことを考えるでしょう。
そして、相手をよく知った上で、便箋選びや内容を決めていくのではないでしょうか。
受け取った相手も、自分のことを考えて書かれたラブレターなら、心に刺さりやすいことでしょう。

相手を知れば、相手の現状やニーズが見えてくる

相手を知れば、その人の気持ちが動きやすいポイントが見えてきます。またアプローチの仕方も直接的なほうが良いのか、間接的なほうが良いのかが異なります。

ラブレター

相手の好みを知れば、デザイン選びが変わる

相手がメッセージを受け取る上で、『自分のために書かれたもの』だと認識して読み始めるようにする準備をすることは重要です。手紙の場合は、デザイン選びも重要です。

相手の環境を知れば、手紙の渡し方が変わる

相手のことを考えたら、手紙を渡すベストタイミングも見えてきます。また何と言って手紙を渡すか、少し大げさに言えば、どのように演出するかで、手紙を受け取った時の気持ちが変わってくるでしょう。

自分をよく見せたいけど、節度をわきまえる

手紙を書いていると、もっと自分をよく見せたほうがいいのではないかと欲張りな気持ちになるかもしれません。しかし、大切なのはメッセージを伝えて相手の気持ちを振り向かせることです。相手を意識すれば、適度に節度を保つことができるでしょう。

Webサイトに言い換えると・・・

ここまでラブレターの話をしましたが、これらは全てWebサイトに言い換えることが出来ます。
Webサイトでも読み手にメッセージを伝えるには、ときに様々な創意工夫が必要です。
その読み手が、いつどのようにWebサイトに訪れ、どんな気持ちで見るのか。それを考えてこそ、Webサイトに掲載すべき内容が明確になり、より読み手の心を動かすことができます

ペルソナを決めるメリット5つ

訴求力が高くなる

ペルソナに伝えるべきメッセージ

ペルソナを描くことで、読み手の人物像を具体化することができます。企業が伝えたいメッセージを考えるのではなく、人物像に伝わりやすいメッセージの形を逆算して考えることで、訴求力の高いメッセージを作り出すことができます。

ペルソナを描けば、相手の現状やニーズが見えてくる

ペルソナがどんな情報や商品をすでに知っていて、どんな情報を伝えれば商品やサービスを利用したくなるのかを考えることができます。また、あなたの商品・サービスを使う真の価値が見えてくる場合もあります。それがわかることで、伝えるべきメッセージをブラッシュアップすることができます。

ペルソナに合わせたデザインや世界観を作れる

ペルソナが好みそうなデザイン

ペルソナが『自分のために書かれたもの』と認識しやすいデザインや世界観を表現することが重要です。必ずしも、企業のイメージを優先することが有効とは限りませ。最も大切なことは読み手にメッセージを伝えることです。

ペルソナに合わせたアクセス流入を検討できる

ペルソナの一日の行動の中で、いつどのようにWebサイトを見てもらうかを考えましょう。それによって、最適なアクセス流入(検索エンジン・広告・ブログマーケティング・SNSなど)が見えてきます。それを決めて初めて最適なSEOや広告運用等、Webサイトの露出についての戦略的に検討することができます。

よくばりな宣伝を節制できる

ペルソナへの宣伝

読み手にとって、押し付けがましい宣伝は逆効果です。しかしWEB運用の現場では、様々な原因で宣伝を求められる場合があります。ペルソナにメッセージを伝えることを最優先すれば、情報の取捨選択も論理的に行うことが可能です。

1対多数 よりも、1対1のメッセージ

相手にメッセージを伝えることは、容易ではありません。
しかし、1対多数ではなく、1対1のメッセージにすることで、より伝えやすくなります

先の「ターゲット」と「ペルソナ」の例を思い出してください。
ターゲット、つまり、『渋谷で働くファッション好きなF1層』に向けて書く手紙は、どうしても漠然とした内容になってしまいがちです。
一方で、『山本綾さん』に向けて書く手紙は、本人の好みを踏まえて手紙を書くことが出来るので、より心に刺さりやすい手紙を書けるようになります。ペルソナが好きになったイメージ

WEB運営に迷ったときこそ、ペルソナの眼を借りて、Webサイトを見直してみてはいかがでしょうか。

【WEBサイトの目標設定が出来ていない人必見】サイトの種類別年間目標の立て方

<質問>

社長から、WEBサイトの年間目標を立てるように言われました。
私はWEBサイトを毎月更新していますが、どのような目標を立てればいいのかイマイチ検討がつきません。
目標を数値で立てるように言われましたが、アクセス数位しか思いつきません。アドバイスがあればお願いします。

<回答>

質問者の方のWEBサイトは、何を目的としたWEBサイトでしょうか?

○ 通販で売上を上げること?
○ 来店予約やお問い合わせを増やすこと?
○ 採用応募者を増やすこと?

WEBサイトにも色んな種類があり、その種類により目標も変わります。
今回は記事全体を通して、WEBサイトの種類別に、年間目標の例を紹介します。

年間目標はの立て方

まず、基本的には、あなた(従業員)の年間目標を立てるのと同じように、WEBサイトの年間目標を立てることを考えればよいのではないしょうか。

年間目標は、12ヶ月後にどの地点にいるかのゴールを決めるものです。
できることなら、会社にとってもあなたにとってもハッピーになるものがいいですね。

・それを達成した時に価値のあるもの
・達成できる可能性があること
・それを達成するために、あなたの時間・労力・想いを注げること

ビジョンから導く、年間目標(KGI)とステップ(KPI)

例えば営業マンが年間目標を立てる時、どのように考えていますか?
会社により異なると思いますが、以前私が努めた会社を例に出してみます。ビジョン・目標・ステップ

営業マンのビジョン
⇒今年中に営業マンとして自立したい。

営業マンの年間目標(KGI)
⇒年間売上3000万円の壁を超えたい。

営業マンの目標達成のためのステップ(KPI)
・1年間で商談100件
・そのうち、30件で受注獲得(受注率30%)
・受注案件の平均受注単価は100万円
(商談件数)×(受注率)×(平均受注単価)=(年間の受注金額)

このように、
①ビジョン
②年間目標(KGI)
③ステップ(KPI)
の3段階で考えると、現実化しやすいと思います。

では、WEBサイトにこれを応用してみましょう。

WEBサイトの種類とビジョン

あなたの会社のWEBサイトは、どのような種類でどんな事を目的としているのでしょうか。それにより、ビジョンも変わってきます。
まずはよくある中小企業のWEBサイトについて、分類してみましょう。

①お問い合わせ獲得型WEBサイト

扱っている商品やサービスについての詳しい情報やキャンペーンを掲載したWEBサイトです。
一定のSEOや広告、キャンペーンを行い、WEBサイトへの集客を行うこと、
説得力や競争力のある内容を掲載してお問い合わせを獲得することが求められます。

《ビジョンの例》
・お問い合わせ件数を増加させて、会社の売上に貢献する。
・店舗のキャンペーンとWEBサイトを連動し、集客に貢献する。
《年間目標の例》
・年間で60件のお問い合わせを獲得
《ステップの例》
(お問い合わせ件数)=(アクセス数)×(お問い合わせ率)
・月間のお問い合わせ件数を平均5件
・月間のアクセス数を1,000件達成する
・お問い合わせ率を0.5%達成する

②リスト獲得型WEBサイト

潜在顧客の連絡先を獲得するためのWEBサイトです。
「資料ダウンロード」や「プレゼント」「応募」等により、リストを獲得します。獲得したリストは、今後の営業アプローチや情報発信に使用する事ができます。
一定のSEOや広告、キャンペーンにより、WEBサイトへの集客を行うこと、魅力的な企画が必要になります。

《ビジョンの例》
・リストを獲得して、営業部門に貢献する。
《年間目標の例》
・リスト獲得件数を前年度比10%増
《ステップの例》
(リスト獲得件数)=(アクセス数)×(リスト獲得率)
・アクセス数を維持する。
・リスト獲得率が10%高くなるような企画コンテンツを作成する。

③通販型WEBサイト

インターネット上で、商品の購入が完結するWEBサイトです。
一定のSEOや広告、キャンペーン・メルマガ等により、WEBサイトへの集客を行うこと、商品の必要な情報や購買を後押しするような魅力的な写真・コピーが必要になります。

《ビジョンの例》
・年商を上げる。
・取扱い商品を増やす。
・通販サイトの数を増やす。
《年間目標の例》
・年商を昨年度比10%増達成。
《ステップの例》
(売上)=(アクセス数)×(購買率)×(平均単価)
・アクセス数を維持する。
・購買率を5%上げる。
・平均単価を5%上げる。

④ブランディング型WEBサイト

会社・商品・サービスの信頼を獲得するためのWEBサイトです。「とりあえず」WEBサイトを作った方もこれに該当します。
会社概要や事業内容、ブランディングに関する事が掲載されており、御社に興味を持った人がどのような会社なのかを知ることができます。
「会社の顔」として、整備し、最新情報や季節に合った情報を掲載することが重要になります。

《ビジョンの例》
・WEBサイトを見た人が抱く『会社の印象』を良くする。
《年間目標の例》
・掲載情報を充実させ、満足度アンケートにより定量評価する。
《ステップの例》
・季節ごとに情報を掲載していく。
 (お客様の声、商品情報の追加、コラムなど)

⑤告知型WEBサイト

新商品や新キャンペーンごとに追加していくWEBサイトです。
ターゲット層が商品やキャンペーンを「認知する」ことを目的とする場合が多く、通常広告と連動して制作します。

《ビジョンの例》
・告知型WEBサイトを通じて、ターゲット層に商品を認知してもらう。
《年間目標の例》
・新商品の告知サイトを通じて、1万人に新商品情報をリーチする。
《ステップの例》
・月間平均アクセスユーザー数を1,000件達成。

⑥情報発信型WEBサイト

業界情報やニュース等を情報発信するWEBサイトです。
閲覧規模が大きくなると、広告収入が見込めます。

《ビジョンの例》
・広告収入を増やす。
《年間目標の例》
・広告収入を前年度比50%増にする。
《ステップの例》
(広告収入)=(広告単価)×(広告個数・期間)
・サイトのPVを増やし、広告単価を前年度よりも20%上げる。
・広告個数を前年度よりも25%増やす。

⑦採用獲得型WEBサイト

採用応募者を獲得することを目的としたWEBサイトです。
WEBサイトへのアクセス獲得のために、SEOや広告出稿を行ったり、採用のポータルサイトに登録したり、応募者にとって魅力的なコンテンツを掲載したりします。

《ビジョンの例》
・応募者を昨年よりも増やす。
・インターネット上での存在感を高める。
《年間目標の例》
・新卒応募者を5名獲得する。
《ステップの例》
(新卒応募者)=(アクセス数)×(応募率)×(合格率)
・新卒応募を25件獲得する。
・アクセス数を25,000件獲得する。
・応募率を0.1%維持する。
・合格率を20%維持する。

⑧代理店獲得型WEBサイト

代理店の獲得により、会社の経営に貢献するWEBサイトもあります。

《ビジョンの例》
・WEBを活用して、代理店開拓を行う。
《年間目標の例》
・WEB経由で代理店と5件契約する。
《ステップの例》
(代理店契約数)=(アクセス数)×(説明会集客率)×(商談率)×(成約率)
・アクセス数を年間で5,000件獲得する。
・説明会集客率を1%維持する。(50件)
・商談率20%を維持する。(10件)
・成約率50%を維持する(5件)

まとめ

良く見かける8種類のWEBサイトのビジョンや目標を見てきました。
実に多くの種類のWEBサイトや年間目標があるのではないでしょうか。

年間目標の達成を繰り返すことで、企業への貢献度や影響度が大きくなっていきます。そのような段階になると、WEB関連の予算も拡大しやすくなるのではないでしょうか。

1月は、一年で一番最初の月。
フレッシュな気持ちで計画を立て、今月から始まる1年を良い年にしたいですね。

購入検討中の心理にズバッと刺さるコンテンツ作りとは

<質問>

新規の顧客を得たくてホームページを立ち上げたものの、全然反響がありません。
差別化をしたほうがいいという話も聞きましたが、自社の商品に特別な付加価値がある訳ではありません。
ホームページには、一体何を掲載していけばいいのでしょうか。

<回答>

反響が出ていないとのことですが、おそらく問題は大きく分けて2つあると思います。一つ目はホームページへのアクセスが充分にないこと、二つ目はホームページに訪れた読み手が購入(来店)したくなるコンテンツが書かれていないことです。

今回の質問は、この2つ目の「購入(来店)したくなるコンテンツ」をどれだけ作り込んでいけるかという課題でもあります。読み手に何を伝えれば、行動してもらえるのかを考えてみましょう。

まずは、すでに購入を検討している顧客の心理にフォーカス

新規のお客様が購入を決断するまでには、以下の段階があります。
購入プロセス

段階①無知or無関心の状態

あなたの商品の存在を知らないか、自分とは無関係だと思っている状態。

段階②選択肢を考えている状態

問題を認識していて、それを解決するために考えたり情報収集したりしている状態。
・本当にその商品が自分に必要なのか?
・他の選択肢と比べて、より良い選択は何か?

段階③購入を検討している状態

問題を認識し、その問題をすぐに解決したいと枯渇している状態。
・その商品を購入して、問題を解決したい。
・自分にとって良い商品を選び、購入したい。

段階③が、購買に最も近い

購入に至るまでの心理プロセス

全体を見渡して、一番購入につながりやすいのは、どの方でしょうか?
それはもちろん、③購入を検討している顧客ですね。すでに他の選択肢との比較検討が終わり、「さぁ、どこで買おうか」という状態です。少しPUSHすれば「購入するためのアクション」を起こします。

参照:購入するためのアクションは、そのお店の業態により異なります。
来店するためにアクセスマップを見るかもしれませんし、
通販サイトの場合は購入手続きに入るかもしれませんし、
卸売業者による仕入れの商談アポかもしれません。

着実に1段ずつ階段を上がるホームページに

今後あなたのホームページを成長させていく過程で、③だけでなく②のユーザー層も、そして①のユーザー層もアプローチしていくと良いでしょう。
ただ一つ言えるのは、③の顧客層を逃すようでは、②①の顧客層を獲得することは難しいということです。
まずは、③の顧客層を振り向かせ、WEB経由での新規顧客を獲得することから考えましょう。

読み手の「頭」にOKをもらい、「心」にPUSHする

target
有名な話かもしれませんが、人が行動を決定する時は、その人の「頭」や「意識」だけでなく、「心」や「習慣」が大きく関わります。
では、今回のターゲット、③購入を検討している方には、どのようなメッセージを届ければよいのでしょうか。

(頭や意識に説得)予算内で問題解決ができる事を伝える

読み手が認識している問題を、まずは解決してもらいます。肩と腰の辛いのが解決できたらなぁ 誕生日に間に合ったらなぁ 設置はおまかせしたいなぁ

品質や効率/生産性

(例)肩ほぐし、腰もみ機能があること

利便性や簡潔さ

(例)設置のお任せサポート

納期・価格

(例)●日までのご依頼分は、●日までにお届け(誕生日までに間に合うか判断できるように)

(心に訴えかけて)背中を押して、行動を促す

次に、心に訴えかけることが、行動を起こすための原動力になります。
(※ここでは深く触れませんが、どのように伝えるかも大切です。絵・グラフ・比較画等を用いてデザインすると良いです。)

問題解決以外のメリット・プロフィット・ベネフィット

(例)家族全員で使えることにより、団欒や会話が生まれるという価値
(例)マッサージチェアの利用期間分、親孝行できる

快適さ

(例)収納等利用時における便利さ

その他、効果的的なコンテンツの例

・希少性(例:期間限定クーポン)なんだか良さそうなお店だな 保証もついていて安心だし 今だとお得なクーポンもあるようだ
・保証内容(例:万が一故障した場合の保証)
・開発秘話のようなストーリー(例:開発者インタビュー)
・ご利用者の声(例:直筆の文字)
・専門家や教授の推薦(例:医学部教授のインタビュー)
・販売している人の熱い想い(例:販売スタッフの一押し、なぜなら・・・)
・他社や他店との違い(例:当店限定の・・・)
・にぎわい感(例:出荷台数10万台突破)

人の「心理」が「行動」を起こすとき

WEBを経由して、新規の顧客を獲得する上で最も重要なことはなんでしょうか。私は、読み手の「行動」を変えられるかどうかに尽きると思います。

「心理」に訴えかけて、「行動」を起こさせることが重要です。

では、人の「心理」が「行動」を起こすのはどんな時でしょうか?
それは2つあります。
一つは、差し迫った必要性がある時、そして二つ目は、期待度を超えて欲求が抑えきれなくなったときです。

店頭での接客、商談での営業をした事がある方は、すでに経験しることも多いのではないでしょうか。

WEBの読み手も同様です。
WEBは無機質なメディアだと思っている人がいるとしたら大間違いです。
WEBの読み手は人ですし、その人には「想定している期待」があり、それをいかに上回ったものを提案できるか、また読み手の欲求をいかに刺激できるかが、集客できるWEBか否かの分かれ道だと思います。

何を伝えれば、買ってくれる?

もしも貴方がマッサージチェア販売店の店主だとしたら、あなたは①②③のどんなお客様にどんな声をかけるでしょうか。

③今購入を検討中の方の場合

③の方には、メーカー別の商品性能や活用法、納品日や設置サービスを伝えれば、買ってくれるでしょう。

②選択肢を考えている状態の方の場合

②の方には、最近のマッサージチェア事情を伝えたり、また親御さんの年齢層の方の「ご利用者の声」を伝えたりすると良いでしょう。また家族全員で使えるというマッサージチェアならではのメリットを伝えると効果的かもしれません。しかし、どんなに上手に話したとしても、他の選択肢(整体・ヨガ・ジム通い)と比較検討する余地が残っている場合は、購入しないかもしれません。

①無知もしくは無関心の方の場合

①の方には、問題を認識してもらうことから始めなくてはいけませんね。③や②の方と比べて、買ってもらうまでに道のりが長いです。広告を有効活用して、商品の認知度を上げ、その商品をより身近に感じてもらうようなプロモーションを打つ事から始めます。

まとめ

読み手の心理にズバッと刺さるコンテンツは、読み手の状態により異なります。
読み手の状態を意識すると、「何を載せようか」ではなく、「どんな事を伝えて、買いたいムードを盛り上げようか」という発想になります。
逆に、読み手のことを意識しなければ、ホームページに商品の特徴を載せているだけの内容に陥ってしまいがちです。
まずは購買に近い状態の読み手を想定して、新規顧客獲得を1件でも増やすことを目標にしてみてはいかがでしょうか。

<読み手の心理がわからないという方>
読み手の心理を読み解くヒントは、あなたが日頃仕事をしている現場にきっとあります。
店頭での接客、商談でのお客様との対話や表情を思い出してみてください♪

競合が多い業界でも、集客していくためのWEB戦略

歯科医院の数はコンビニの数を超え、過当競争が起きています。(特に首都圏)予算が限られた小さな歯科医院でも、知恵と工夫で集客するためのWEB戦略を紹介します。

<質問>

歯科医院を営んでいます。
保険適用の診療が多く、他院と比べて特別なことをやっているわけではありません。
ホームページに掲載する内容がなくて困っているのですが、何を書けばいいのでしょうか。

<回答>

歯科医院は、事業所数が多く、色んなエリアで過当競争が起きています。多くの事業所が患者獲得のために広告宣伝活動を行っていますが、WEBではどのように考えるべきなのでしょうか。

「普通の歯医者さん」が集客する戦略は、大きく分けて2つあります。

集客戦略① 宣伝費をかけ、露出を増やす戦略

1つ目は、広告宣伝費をかけて露出を増やす事。駅前の看板・WEB広告などがそれに当たり、歯科医院の認知と浸透を高めることが目的です。競合の他院よりも良い場所に良いデザインの看板を確保することが肝になります。
予算が限られた場合は、地域を絞り集中的に広告に資本を投下すると、比較的高い効率で集客できます。
(参照記事:地域を絞って、低予算で集中的に集客する5つの方法
しかしながら、この戦略のデメリットは、コストがかかり、他院と競るポイントも費用になりがちです。同じエリアにより資本が強い歯科医院があると、なかなか勝機がつかみづらいという難点があります。

集客戦略② 差別化ポイントを作り、ターゲットに浸透させる戦略

そこで小さな歯科医院にお勧めしたい2つ目の戦略は、他院との差別化を作り、浸透させる事です。
予算が小さいところは、知恵と工夫で勝負です。
「他院と比べて特別なことをやっていない」事業所でも、どうにかして「差別化」していくかという事に尽きます。
今回はこの2つ目の「差別化ポイントを作り、ターゲットに浸透させる事」をメインに話を進めていきます。

まずは、マーケットの全体像を見渡してみる

歯科業界を1つのマーケットと考えた時、現在では様々な治療を受けられるように多様化しています。業界のポジショニング
・保険適用の虫歯治療
・保険適用外のインプラント
・保険適用外のホワイトニングや矯正治療

保険適用では、虫歯治療の後に金属の詰め物や入れ歯を使用します。一方、保険適用外の診療では、セラミックの詰め物や義歯、インプラントをして、審美や耐久が良くすることが出来ますが、その分費用も高くなります。

価格が高いことが差別化ではない

差別化は、価格を高くすることではありません。
他院ではやっていない事、強く押し出していないことを、訴求することです。
他院では叶わなかった、患者の「ニーズ」や「ウォンツ」を満たすことこそが差別化です。

マーケットから見た、自社のポジションは?

今回のケースでは、保険適用の診療が多く、特別に自由診療を推し進めているわけではないようです。自社のポジショニング
価格も業界全体で見ると低く、また、品質も自由診療と比べると低めというポジションにおくことができます。

ポジショニングをデザインに投影する

色味や写真の選び方により、品質や価格感を伝えることができます。
まず、色味は、その選び方によって、高級感やお得感を表現することができます。(詳しくは「サイトの配色を決める時に抑えておきたい色の特徴とWEBデザイン」参照)

また、写真のクオリティーは、それがそのままクラス感となって、見る人に伝わります。
カメラマン撮影のハイクオリティな写真は、ハイクラスを印象づけ、一方で、素人が撮影したクオリティの写真は、庶民的なクラス感を印象づけます。

地域の特徴を理解しておく

首都圏のような過当競争エリアの場合、例えば徒歩10分以内、車で10分以内のエリアは、どのような住民が多いのかを念頭に置いておきます。例えば、

・昼間はビジネスマンが多いオフィスエリア
・平日昼間は女性・子供が多く、休日は家族が賑わう住宅エリア

例えば、オフィスエリアには、
医療費にお金をかけない20~30代の若手サラリーマンもいれば、費用を投資と考える経営者もいます。

また、住宅エリアには、
自分の医療費にお金をかけない子持ちの母親がいれば、嫁入り前で医療費にお金をかける若い女性もいます。

ポジショニング×地域特性から考える「差別化ポイント」

差別化は、他院との違いを表現することです。技術で差別化できる医院はほんの一握りです。しかし、「誰の」「どんなニーズに応える」限られた状況下で、他院を凌駕することは出来るでしょう。

例えば、「サラリーマンの」「昼休み中に最短で治療したい」ニーズの方には、時間厳守で保険診療をすることが強みになるでしょう。

例えば、「乳幼児のママの」「子供を連れて治療したい」ニーズの方には、個室でベビーカーも入れる診療室が強みになりますし、土日も診察している場合は、働くママも集客しやすくなります。

このように、「差別化ポイント」を踏まえることで、医院の特徴をつけることができます。

差別化ポイントは、広告もリアルも一貫して徹する

言うまでもなく、差別化ポイントを一貫して患者に伝える姿勢をとることが大切です。
万が一、ホームページで期待したことが、医院では遂行されなかった場合、その患者は二度とその医院に行かなくなります。それだけでなく、WEBに口コミとして書かれた場合は、第三者もそれを読むことになり、悪評が拡散する事態になります。
差別化ポイントを作りだすことは大事ですが、飽くまでリアルのサービスと結び付けて、一貫できる内容にしましょう。

差別化とは、価値を創りだすこと

今回、差別化ポイントをいかにWEBで表現するかを見てきましたが、差別化とは価値を創りだすことです。
万人にとって価値を創りだすのは難しいかもしれません。
しかし、
・乳幼児連れで行きたい母親に
・昼休みの間に行きたいサラリーマンに
が安心していけるという価値を創り、発信していることに他なりません。

過当競合がひしめく業界は、歯科医院以外にもたくさんあると思いますが、このようにターゲットを絞って広告展開して活路を見いだすケースが多くあります。

差別化した医院の成長フェーズ

いったん、「母親向け」に差別化して集客を始めた場合、男性向けや子供向け、高齢者向けへの集客が弱まってしまうのではないかという質問をよせられることがあります。
WEBでは「サテライトホームページ」という考え方があります。つまり、「母親向けホームページ」「男性向けホームページ」「高齢者向けホームページ」など、ホームページをそれぞれ作成して横展開していくことが可能です。

ある限定ターゲットへの集客基盤を築いたら、次のターゲットへの集客基盤を築いていく、このような積み重ねをして、WEBマーケティングを考えていくと良いと思います。(下図内の第2・3段階)

この記事冒頭の<回答>に戻りますが、これは唯一の集客戦略ではありません。
広告宣伝費に予算を割けるようになった時、地域住民への認知や浸透を高める広告にシフトしていくと、より医院の成長につながると思います。(下図内の第4段階)

歯科医院の成長フェーズと集客戦略

あなたの商品を買い求める理由とは

ホームページにはマーケティングが不可欠

なぜなら
ホームページは、情報を求めてやってきた人に、先回りして情報を用意しておくことにこそ意味があり、

求められている情報の延長線に「お問合わせ」「お申込み」があり、「売上」があるのですから。

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あなたの商品を購入していく人は、どのような理由で購入しているのでしょうか?

頭の中にイメージが湧きますか?
こういう質問は、営業や現場に出ている方が強そうですね。

もしかしたら「近所で便利だから」という理由かもしれないし
もしかしたら「担当さんがイケメンだから」という理由かもしれない。
もしかしたら「国内で唯一の技術がここにあります」という理由かもしれない。

エステサロンの例

ここで、理由が思いつかない方のために、具体的な例を一緒に考えてみましょう。
例えばもし、あなたが経営しているお店がエステサロンだとしたら、どんな動機で来店するのだろうか。

「綺麗になりたいから」

という理由もありえますね。

ただ、それだけでは、数あるサロンの中から、他ではなくそのサロンを選んだ理由にはなりませんので
もう少し深堀しましょう。

例えば・・・
サロンの近所で働くAさんはこういう理由でサロンに通っているかもしれない。
「費用が安いから」
「サロンが明るい雰囲気で心地よさそうだから」
「職場から近く、帰り道に通いやすいから」

中には、エステ通のBさんがこんな理由で通っているかもしれない。
「この施術でこの価格はここだけしかないから」
「面白い技術を持っているから」

女性の中には、Cさんのように、周りの人の意見を聞いて通っているのかもしれない。
「友人が通っているから」
「モデルさんが通っているから」
「評判がいいから」
「彼氏がここなら良さそうと言うから」

購買理由は、何パターンかに分かれる

ここでのAさん、Bさん、Cさんはいずれもサロンのお客様ですが
通っている理由は人によって違います。

実際に、お客様にインタビューをすると、このようなことは多々あります。

では、あなたのお客様はどうでしょうか?
「どんな理由」で、あなたの商品を申し込み、使用しているのでしょうか?

―――もし、あなたがホームページで「お問合わせ」「お申込み」や「売上」を意識して運営していくのなら―――

あなたの商材がお客様に選ばれている理由を調べ、それを意識して
ホームページに掲載する情報をまとめていきましょう。

手順その1:お客様にインタビューして、選べれている理由を調査
手順その2:選ばれている理由を「情報」に変換してホームページに掲載

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【補足】

購入する理由には、感情的な理由と理屈的な理由の2つがあります。
人間が意思を決定するには、感情的な理由も多分に含まれていますので
そのあたりの演出もお忘れなく。

いずれ、そのあたりもブログ記事にしていきたいと思います。

会社の見せ方を戦略的に変えるには

質問です。

会社の見せ方を変えるには、何(の伝え方)を変えるのが効果的でしょうか。

(1) 肩書きやアイデンティティー
(2) 価値観やポリシー
(3) 商品ラインアップ・能力・機能

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私も小さな会社を経営する人間の一人ですが、
小さな会社では経営者が変われば、大きく変わる事ができます。

ブランディングが未熟な会社でも、少しずつ変化して、
強いブランディングを手に入れた会社は沢山あります。

では、会社がより魅力的になった事を周囲に伝えるには、
どのような事が効果的でしょうか?

先の質問の選択肢(1)~(3)のどれもが正解です。
(1)が変われば(2)が変わり、
(2)が変われば(3)が変わります。

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(1) 肩書きやアイデンティティーを変えるということ

自分の名刺に「代表取締役」とつくと、
他人からの見られ方だけでなく、自分自身の姿勢まで変わるのではないでしょうか。

会社にも同様の事がいえます。
社名に並ぶ“タグライン”が変わったり、何かの賞を受賞したり、
県内一位や日本一位、世界一位を獲得したりすると、
周囲からの見られ方が変わり、
それだけでなく、自社の「こうあるべき像」が変わります。

それには、誰もが認めるアイデンティティーを、繰り返し何度も何度も
社名とセットで伝えなくてはいけません。

ホームページでは、会社ロゴの上や下にタグラインを置く事が多いです。
10文字以内の短くてメッセージ性のある言葉が望ましいですね。

肩書きやアイデンティティーが一旦変われば、
そこから派生して、言葉づかい一つから商品に至るまで再調整する必要があります◎

(2)価値観やポリシーを変えるということ

体にいい食材を選んでいたサンドウィッチ屋さんがありました。

「野菜は有機野菜、卵やハムは放し飼いのみの国産を利用」
と書けば、どんな価値観で食材選びをしているのかが明確に伝わります。
それだけでなく、「本日の手作り」と書くことで、
健康志向の強いカスタマーに好感度を得ることに成功しました。

ホームページにはもちろん、店内にも価値観を表現した写真と言葉を飾り、
顧客へのメッセージという形に変えて伝え続けることが大切なのです。

(3)商品ラインアップ・能力・機能を変えるということ

商品やサービスに関わる品質・価格・利便性・スピードなど、
お客様に直接的に関わる内容を変えると、
周囲からの見られ方に劇的な変化が生まれます。

例えば、「納期を1日早くする」という企業努力をすることも大切ですが、

(2)で述べた価値観を裏付けして、伝わりやすいメッセージにすることも大切です。
「コンビニのような利便性を」
1日早い納期と品ぞろえがあれば、コンビニのような利便性がそろいます。

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小さな会社の成長ロードマップ

WEBマーケティングで事業に成果を上げている会社は、
(1)-(2)-(3)
の一貫性がしっかりとしています。

この一貫性が、社会や業界に浸透するものを作ることができたなら、
たとえニッチだとしても業界のNo.1として、
他社をけん引する存在になります。
あるいは、その方向でWEBマーケティングを行なえます。

色んなビジネス書で、(3)だけをとりあげて他社との差別化を!
と叫んでいますが、小手先だけでなくて、
(1)-(2)-(3)の一貫性を作って、伝えていくことが
大切なんだと思います。

製造業がWEBで技術をPRする6つの方法

日本には、小さな企業で技術をウリにしている企業は多いのに
WEB上で技術をPRできている企業は少ないと思います。

今回は製造業・町工場を例に出しながら
技術をPRするときの6つのポイントを紹介したいと思います。

① 客観的な数値を交えて、技術を表現する。
② 数値をビジュアル化して表現する。
③ 希少性や業界全体のポジショニングを伝える。
④ その技術を生み出せる理由を明らかにし、説得力を出す。
⑤ 事例・実績で魅せる。
⑥ 引き算で印象を調整する。

① 客観的な数値を交えて、技術を表現する。

例えば、精密な加工をする金属の加工屋さんで・・・
(例)±1/1000mmの寸法精度で加工します。

髪の毛が30/1000mm位の細さだということを考えると凄いですよね。
また、加工する材質にも難易度が存在するのであれば
それを表現するのも良いでしょう。

② 数値をビジュアル化して表現する。

例えば、①でいうと、寸法精度が±1/1000mmであることがわかるグラフがあれば
ビジュアルにも訴えることができるでしょう。
また、加工したモノの100倍拡大写真を載せてもいいかもしれません。

ビジュアル化して表現すれば、インパクトを与えることができますし、
また、数値よりもビジュアルに反応しやすい方に対して、より効果的にPRできます。

③ 希少性や業界全体のポジショニングを伝える。

では、①で書いた±1/1000 mmの寸法精度はどれだけのものなのでしょうか?

例えば、「お隣の会社でもできることじゃないの?」と思っている方がいるかもしれません。

「希少性」を伝え「他社と違うところ」を伝えることが肝要です

(例)日本で唯一±1/1000 mm の加工ができます。
(例)業界で唯一±1/1000 mm の加工ができます。
(例)県内で唯一±1/1000 mm の加工ができます。

⇒これから他社と比較・検討をしている方に対して、お問合わせを促すことができます。

△しかしながら、全ての会社さんが技術だけでは希少性を謳えるとは限りません。
では、その場合はどうすればよいのでしょうか。
・・・⇒ 「技術」以外の強みとかけ合わせるとヒントが見つかるかもしれません。
(例)県内最短納期で±1/1000mm の加工ができます。
(例)県内最安で±1/1000mm の加工ができます。

【ポイント】潜在顧客が他社と比較する理由を消していくことがねらい。

④ その技術を生み出せる理由を明らかにし、説得力を出す。

(例)最新の設備を導入し、新たな機構を開発した
(例)同じ形状を10万個作ったノウハウを集約し、新技術に応用した
など、技術を生み出す基盤があることをPRすれば、説得力が増します。

また、技術を得る際に失ったものをストーリー展開するのも手段の一つです。
(例)「**」という技術開発を5年も行ない、プロジェクトがなくなったが
代わりに精密な加工技術を培うことができた。

⑤ 事例・実績で魅せる。

その技術を活用した場合のBefore & Afterを出していきましょう。
WEBを閲覧するユーザーが困っていることは様々です。
写真・数値・グラフやイラストなどをフル活用して
ユーザーが困っている事が解決できるイメージを打ち出しましょう。

決して、写真を10枚のせるだけで満足してはいけません。
その写真の何に価値があるのかを伝えるかが、PRのポイントです。

⑥ 引き算で印象を調整する。

第一印象は、非常に感覚的なものです。

「技術」をPRしたい場合は、
第一印象で「技術を大切にする」会社だと伝えることが重要です。

「技術を大切にする」第一印象というと、ピンとこないかもしれませんが、
その逆の、「技術を大切にしていない」第一印象というと、ピンとくる方もいるのではないでしょうか。

持ってもらいたいイメージと逆のイメージを排除していくと、
つまり、乱雑さ、粗野なイメージ、だらしがない姿勢を排除していくと、
第一印象も整ってきます。

その他

⑦ 反証を使ったり(もしもその技術がなかったら)、
⑧ 同業他社と比較・検証したり(優位性)
⑨ 権威を使ったり(受賞歴や規格)、
⑩ お客様に語ってもらったり(第3者の証言・推薦)

なども。

この記事で、少しでも多くの企業の技術がPRできると嬉しいです。