訴求力を高める!ラブレターから考える、ペルソナを決める5メリット

<質問>

会社のWebサイトを任されて半年になります。
前任者に言われたとおり、毎週更新しているのですが、集客がうまくいっていません。
知り合いに相談したところ、ペルソナを決めたほうが良いと言われました。
ターゲットは決まっているのですが、ペルソナを決める必要があるのでしょうか

<回答>

毎週更新しているのは良いことですね。
では、その内容はどんな方に届けているのか、顔が浮かびますか?
それを読んだ人がどんな気持ちになるのか、そしてどのように集客に至るのかイメージできますか?
このような考え方は、訴求力を上げWebサイトの目的を達成していく上で有効です。この考え方の鍵を握るのが「ペルソナ」です。

Webサイトのミッション

Webサイトには、何かしらの目的があるはずです。集客、ブランドの認知、新商品の購買やセミナーの申し込みなど、どんな業界でも目的を持っているかと思います。全ての目的において必要なことが、「読み手にメッセージを伝えること」です。

ターゲットとペルソナの違い

では、ターゲットとペルソナはどのように違うのでしょうか。
ターゲットは、人物を区分で分けるのに対して、ペルソナは人物像を描きます

ターゲットの例

・渋谷で働くファッション好きなF1層(20歳~34歳の女性)
ターゲットの例

ペルソナの例

「山本綾さん24歳。渋谷の美容サロンで働くセラピスト。年収320万年。都内に両親(48歳)と住み、彼氏はいない。サロンの仕事は好きだが、平日夜や休日も働くことが多く、ノルマも厳しい。洋服を買ってオシャレするのが好きだが、着ていく機会がない。同級生の中にはサラリーマンで成績を出している人や、結婚して安定する人もちらほら出てきた。自分の将来に漠然とした不安を感じている。」

ペルソナ

ペルソナを決めれば、訴求力が上がる

ペルソナを決めると、どんな人物像なのかがより具体的に見えてきたのではないでしょうか。また、どんなことを伝えれば相手がどんな気持ちになるのかも想像しやすくなったのではないでしょうか。
ペルソナを設定することで、メッセージの作り方や伝え方に創意工夫が生まれてくるわけです

ラブレターから、創意工夫を考える

女の子

ここでラブレターの例を出したいと思います。ラブレターは1対1のメッセージです。
そんな時、多くの人が、どうやったら自分の気持ちが相手に伝わるかを考え抜きます。
また、その際、その女性との出会いや年齢・職業・脈があるのかないのか・・・その相手のことを考えるでしょう。
そして、相手をよく知った上で、便箋選びや内容を決めていくのではないでしょうか。
受け取った相手も、自分のことを考えて書かれたラブレターなら、心に刺さりやすいことでしょう。

相手を知れば、相手の現状やニーズが見えてくる

相手を知れば、その人の気持ちが動きやすいポイントが見えてきます。またアプローチの仕方も直接的なほうが良いのか、間接的なほうが良いのかが異なります。

ラブレター

相手の好みを知れば、デザイン選びが変わる

相手がメッセージを受け取る上で、『自分のために書かれたもの』だと認識して読み始めるようにする準備をすることは重要です。手紙の場合は、デザイン選びも重要です。

相手の環境を知れば、手紙の渡し方が変わる

相手のことを考えたら、手紙を渡すベストタイミングも見えてきます。また何と言って手紙を渡すか、少し大げさに言えば、どのように演出するかで、手紙を受け取った時の気持ちが変わってくるでしょう。

自分をよく見せたいけど、節度をわきまえる

手紙を書いていると、もっと自分をよく見せたほうがいいのではないかと欲張りな気持ちになるかもしれません。しかし、大切なのはメッセージを伝えて相手の気持ちを振り向かせることです。相手を意識すれば、適度に節度を保つことができるでしょう。

Webサイトに言い換えると・・・

ここまでラブレターの話をしましたが、これらは全てWebサイトに言い換えることが出来ます。
Webサイトでも読み手にメッセージを伝えるには、ときに様々な創意工夫が必要です。
その読み手が、いつどのようにWebサイトに訪れ、どんな気持ちで見るのか。それを考えてこそ、Webサイトに掲載すべき内容が明確になり、より読み手の心を動かすことができます

ペルソナを決めるメリット5つ

訴求力が高くなる

ペルソナに伝えるべきメッセージ

ペルソナを描くことで、読み手の人物像を具体化することができます。企業が伝えたいメッセージを考えるのではなく、人物像に伝わりやすいメッセージの形を逆算して考えることで、訴求力の高いメッセージを作り出すことができます。

ペルソナを描けば、相手の現状やニーズが見えてくる

ペルソナがどんな情報や商品をすでに知っていて、どんな情報を伝えれば商品やサービスを利用したくなるのかを考えることができます。また、あなたの商品・サービスを使う真の価値が見えてくる場合もあります。それがわかることで、伝えるべきメッセージをブラッシュアップすることができます。

ペルソナに合わせたデザインや世界観を作れる

ペルソナが好みそうなデザイン

ペルソナが『自分のために書かれたもの』と認識しやすいデザインや世界観を表現することが重要です。必ずしも、企業のイメージを優先することが有効とは限りませ。最も大切なことは読み手にメッセージを伝えることです。

ペルソナに合わせたアクセス流入を検討できる

ペルソナの一日の行動の中で、いつどのようにWebサイトを見てもらうかを考えましょう。それによって、最適なアクセス流入(検索エンジン・広告・ブログマーケティング・SNSなど)が見えてきます。それを決めて初めて最適なSEOや広告運用等、Webサイトの露出についての戦略的に検討することができます。

よくばりな宣伝を節制できる

ペルソナへの宣伝

読み手にとって、押し付けがましい宣伝は逆効果です。しかしWEB運用の現場では、様々な原因で宣伝を求められる場合があります。ペルソナにメッセージを伝えることを最優先すれば、情報の取捨選択も論理的に行うことが可能です。

1対多数 よりも、1対1のメッセージ

相手にメッセージを伝えることは、容易ではありません。
しかし、1対多数ではなく、1対1のメッセージにすることで、より伝えやすくなります

先の「ターゲット」と「ペルソナ」の例を思い出してください。
ターゲット、つまり、『渋谷で働くファッション好きなF1層』に向けて書く手紙は、どうしても漠然とした内容になってしまいがちです。
一方で、『山本綾さん』に向けて書く手紙は、本人の好みを踏まえて手紙を書くことが出来るので、より心に刺さりやすい手紙を書けるようになります。ペルソナが好きになったイメージ

WEB運営に迷ったときこそ、ペルソナの眼を借りて、Webサイトを見直してみてはいかがでしょうか。

CTA (コール トゥ アクション)を改善して、反響を呼び込む5つの条件

<質問>

会社のホームページを運営しています。
新規の問合せが来るように意識して、この数カ月、ほぼ毎週のようにコンテンツを追加やサイトの改善に取り組んでいます。
その結果、色んな数字が以前よりも良くなりました。検索エンジンでの順位が上がり、アクセス数も増え、直帰率も大分下がりました。また、閲覧時間や閲覧PVも良い数字になってきました。
しかし、肝心のお問い合わせがなかなか増えません。
一体何がいけないんでしょうか。

<回答>

検索エンジンの順位が上がり、アクセスが増えたということは、SEO対策がしっかりできているということですね。また、直帰率が下がったというのも、ユーザーを魅了するコンテンツが作れている可能性が高いと思います。

では、何故お問い合わせが増えないんでしょうか。

<ユーザー視点からみたホームページ閲覧行動>

アクセス解析の内容を踏まえて、ユーザーの行動を想像してみましょう。
①あなたのホームページに訪れたことのなかった人が、検索エンジンからホームページを見つけました。
②あなたの会社のホームページを見つけ、内容がしっかり書かれていたので、数ページ閲覧しました。
③サービス内容や金額等の相場感もわかりました。
④その後、他にも同じような業者がないか探しに、検索エンジンの画面に戻りました。

ユーザー視点で①~②~③までは、SEOが出来て、質の良いコンテンツでユーザーを魅了できているのですが、次のステップ(お問い合わせ)に結び付けていないようですね。
では、④で、「他にも同じような業者がいないかな?」の代わりに、「ここに問い合わせてみようかな?」と思わせることができたらどうでしょうか?
今回は、この④「ここにお問い合わせてみようかな?」と思ってもらうための工夫について紹介したいと思います。

ユーザーの行動を促すCTAとは

コールトゥアクション

CTA (Call To Action) とは、広告用語の一つで、行動喚起や行動要請という意味です。
インターネットを閲覧していると、右のような画像を見た経験はありませんか?

このように、読み手のユーザーに次の行動を促すためのきっかけをCTAと言います。

同じ「お問い合わせボダン」ひとつとっても、ボタンに記載されているテキストが違うだけで反応率が何倍にも変わることがあります

どんなに良いサイトを作っても、CTAに問題があれば、反響を出すのは難しいでしょう。では、良いCTAとはどのようなものでしょうか?

ユーザーの行動を促すCTA、5つの条件

① 今まさにやりたい事を言語化していること

人が検索する時に、その後の自分の行動を予測しているとは限りません。検索結果の内容次第で、その人の行動が変わる場合があります。
このようなケースは、WEBサイト運営側が、次の行動を言語化して提案することが重要になります。

例えば、自分の滑舌に悩みを抱えている人が「滑舌」と検索するとします。検索する時点では、滑舌に関する何が出てくるのか想像していなかったのですが、良く見ると滑舌を良くするための書籍や、発声レッスンの体験申込み、個人ブログで滑舌を良くするためのノウハウ情報など様々な情報が出てきます。

その人は、これらの選択肢の中で、最もその人が「今まさにやりたい事」だとピンときたものを選びます。

書籍購入かもしれないし、イベントの無料体験かもしれないし、個人ブログを読む事かもしれません。
読み手に「ピン」と来るような行動を用意すること、それがCTAです。

② お手軽さを表現していること

今すぐ簡単にお申込みできるお手軽さが大切です。
理想的なのは、今ホームページを見ている状態で即座に行動(お問い合わせ・申込みなど)を完了できることが理想的です。
しかし、あまりにお手軽すぎるとキャンセル率が高くなるといった後工程の問題が発生する可能性があります。
最もお手軽なことがベストではなく、あなたのビジネスにとっての最適値を探ることが重要です。

③ リスクを感じさせないこと

ユーザーがインターネットを通じてお店や会社を探すことはメリットが多くある一方で、リスクがあるのも事実です。
(リスクの例)
・もしかしたら、商品やサービスの品質が低いかもしれない。
・もしかしたら、商品が届いたら、自分のイメージと違うかもしれない。
・もしかしたら、悪質な業者かもしれない。
・もしかしたら、無免許で運営している事業所かもしれない。

WEBサイトの運営者はユーザーのリスクを極力減らす努力をしたほうが良いでしょう。

例えば自動車の購入や、エステの年間契約のように、まとまった金額の買い物をする際は、「失敗したくない」という気持ちが働くものです。
そのような場合は、例えばファミリー向け自動車活用ノウハウ冊子や、エステの体験申込みなど、リスクの少ない行動を促すように設計することも大切です。

④ WEB経由で申し込んだ時の特典が明確であること

堅実で真面目なユーザーほど、特典が効果的に働く傾向があります。
つまり、他社のホームページではなく、あなたのホームページが選ばれる決め手になりえます。
WEBでの申込みで特別割引を行ったり、限定プランを用意したり、また、プレゼントや粗品を用意したりする等、業種業態により色んなパターンがあります。

⑤ クリックしたくなるデザイン表現であること

最終的に行動を決めるのは、読み手ユーザーの「心」です。
心が前向きに決断する時、気持ちはHOTでしょうか、COOLでしょうか?
多くの場合、HOTですよね?
HOTな感情を呼び起こすようなデザイン・色合い・言葉を選び、訴えかけることが大切です。

(参照記事)サイトの配色を決める時に抑えておきたい色の特徴とWEBデザイン

CTA変更を実践するには

ユーザーが行動を起こすトリガー(引き金)となるCTAは企画できそうですか?

キャンペーン単位・商品単位で、トライ&エラーをしていくと、それぞれ最適化したCTAを探しやすいと思います。

(参照記事)【保存版】会社ホームページに使いやすいボタン素材サイト(無料)

(参照記事)ホームページの目標設定は経営者の腕の見せ所

【WEBサイトの目標設定が出来ていない人必見】サイトの種類別年間目標の立て方

<質問>

社長から、WEBサイトの年間目標を立てるように言われました。
私はWEBサイトを毎月更新していますが、どのような目標を立てればいいのかイマイチ検討がつきません。
目標を数値で立てるように言われましたが、アクセス数位しか思いつきません。アドバイスがあればお願いします。

<回答>

質問者の方のWEBサイトは、何を目的としたWEBサイトでしょうか?

○ 通販で売上を上げること?
○ 来店予約やお問い合わせを増やすこと?
○ 採用応募者を増やすこと?

WEBサイトにも色んな種類があり、その種類により目標も変わります。
今回は記事全体を通して、WEBサイトの種類別に、年間目標の例を紹介します。

年間目標はの立て方

まず、基本的には、あなた(従業員)の年間目標を立てるのと同じように、WEBサイトの年間目標を立てることを考えればよいのではないしょうか。

年間目標は、12ヶ月後にどの地点にいるかのゴールを決めるものです。
できることなら、会社にとってもあなたにとってもハッピーになるものがいいですね。

・それを達成した時に価値のあるもの
・達成できる可能性があること
・それを達成するために、あなたの時間・労力・想いを注げること

ビジョンから導く、年間目標(KGI)とステップ(KPI)

例えば営業マンが年間目標を立てる時、どのように考えていますか?
会社により異なると思いますが、以前私が努めた会社を例に出してみます。ビジョン・目標・ステップ

営業マンのビジョン
⇒今年中に営業マンとして自立したい。

営業マンの年間目標(KGI)
⇒年間売上3000万円の壁を超えたい。

営業マンの目標達成のためのステップ(KPI)
・1年間で商談100件
・そのうち、30件で受注獲得(受注率30%)
・受注案件の平均受注単価は100万円
(商談件数)×(受注率)×(平均受注単価)=(年間の受注金額)

このように、
①ビジョン
②年間目標(KGI)
③ステップ(KPI)
の3段階で考えると、現実化しやすいと思います。

では、WEBサイトにこれを応用してみましょう。

WEBサイトの種類とビジョン

あなたの会社のWEBサイトは、どのような種類でどんな事を目的としているのでしょうか。それにより、ビジョンも変わってきます。
まずはよくある中小企業のWEBサイトについて、分類してみましょう。

①お問い合わせ獲得型WEBサイト

扱っている商品やサービスについての詳しい情報やキャンペーンを掲載したWEBサイトです。
一定のSEOや広告、キャンペーンを行い、WEBサイトへの集客を行うこと、
説得力や競争力のある内容を掲載してお問い合わせを獲得することが求められます。

《ビジョンの例》
・お問い合わせ件数を増加させて、会社の売上に貢献する。
・店舗のキャンペーンとWEBサイトを連動し、集客に貢献する。
《年間目標の例》
・年間で60件のお問い合わせを獲得
《ステップの例》
(お問い合わせ件数)=(アクセス数)×(お問い合わせ率)
・月間のお問い合わせ件数を平均5件
・月間のアクセス数を1,000件達成する
・お問い合わせ率を0.5%達成する

②リスト獲得型WEBサイト

潜在顧客の連絡先を獲得するためのWEBサイトです。
「資料ダウンロード」や「プレゼント」「応募」等により、リストを獲得します。獲得したリストは、今後の営業アプローチや情報発信に使用する事ができます。
一定のSEOや広告、キャンペーンにより、WEBサイトへの集客を行うこと、魅力的な企画が必要になります。

《ビジョンの例》
・リストを獲得して、営業部門に貢献する。
《年間目標の例》
・リスト獲得件数を前年度比10%増
《ステップの例》
(リスト獲得件数)=(アクセス数)×(リスト獲得率)
・アクセス数を維持する。
・リスト獲得率が10%高くなるような企画コンテンツを作成する。

③通販型WEBサイト

インターネット上で、商品の購入が完結するWEBサイトです。
一定のSEOや広告、キャンペーン・メルマガ等により、WEBサイトへの集客を行うこと、商品の必要な情報や購買を後押しするような魅力的な写真・コピーが必要になります。

《ビジョンの例》
・年商を上げる。
・取扱い商品を増やす。
・通販サイトの数を増やす。
《年間目標の例》
・年商を昨年度比10%増達成。
《ステップの例》
(売上)=(アクセス数)×(購買率)×(平均単価)
・アクセス数を維持する。
・購買率を5%上げる。
・平均単価を5%上げる。

④ブランディング型WEBサイト

会社・商品・サービスの信頼を獲得するためのWEBサイトです。「とりあえず」WEBサイトを作った方もこれに該当します。
会社概要や事業内容、ブランディングに関する事が掲載されており、御社に興味を持った人がどのような会社なのかを知ることができます。
「会社の顔」として、整備し、最新情報や季節に合った情報を掲載することが重要になります。

《ビジョンの例》
・WEBサイトを見た人が抱く『会社の印象』を良くする。
《年間目標の例》
・掲載情報を充実させ、満足度アンケートにより定量評価する。
《ステップの例》
・季節ごとに情報を掲載していく。
 (お客様の声、商品情報の追加、コラムなど)

⑤告知型WEBサイト

新商品や新キャンペーンごとに追加していくWEBサイトです。
ターゲット層が商品やキャンペーンを「認知する」ことを目的とする場合が多く、通常広告と連動して制作します。

《ビジョンの例》
・告知型WEBサイトを通じて、ターゲット層に商品を認知してもらう。
《年間目標の例》
・新商品の告知サイトを通じて、1万人に新商品情報をリーチする。
《ステップの例》
・月間平均アクセスユーザー数を1,000件達成。

⑥情報発信型WEBサイト

業界情報やニュース等を情報発信するWEBサイトです。
閲覧規模が大きくなると、広告収入が見込めます。

《ビジョンの例》
・広告収入を増やす。
《年間目標の例》
・広告収入を前年度比50%増にする。
《ステップの例》
(広告収入)=(広告単価)×(広告個数・期間)
・サイトのPVを増やし、広告単価を前年度よりも20%上げる。
・広告個数を前年度よりも25%増やす。

⑦採用獲得型WEBサイト

採用応募者を獲得することを目的としたWEBサイトです。
WEBサイトへのアクセス獲得のために、SEOや広告出稿を行ったり、採用のポータルサイトに登録したり、応募者にとって魅力的なコンテンツを掲載したりします。

《ビジョンの例》
・応募者を昨年よりも増やす。
・インターネット上での存在感を高める。
《年間目標の例》
・新卒応募者を5名獲得する。
《ステップの例》
(新卒応募者)=(アクセス数)×(応募率)×(合格率)
・新卒応募を25件獲得する。
・アクセス数を25,000件獲得する。
・応募率を0.1%維持する。
・合格率を20%維持する。

⑧代理店獲得型WEBサイト

代理店の獲得により、会社の経営に貢献するWEBサイトもあります。

《ビジョンの例》
・WEBを活用して、代理店開拓を行う。
《年間目標の例》
・WEB経由で代理店と5件契約する。
《ステップの例》
(代理店契約数)=(アクセス数)×(説明会集客率)×(商談率)×(成約率)
・アクセス数を年間で5,000件獲得する。
・説明会集客率を1%維持する。(50件)
・商談率20%を維持する。(10件)
・成約率50%を維持する(5件)

まとめ

良く見かける8種類のWEBサイトのビジョンや目標を見てきました。
実に多くの種類のWEBサイトや年間目標があるのではないでしょうか。

年間目標の達成を繰り返すことで、企業への貢献度や影響度が大きくなっていきます。そのような段階になると、WEB関連の予算も拡大しやすくなるのではないでしょうか。

1月は、一年で一番最初の月。
フレッシュな気持ちで計画を立て、今月から始まる1年を良い年にしたいですね。

大手企業から受注!小さな会社でもできるグーグルアナリティクスを使った組織分析の方法と活用事例

WEB解析 Advent Calendar 2014 の参加記事です。

<質問>

現在、BtoBビジネスをしていて、今後は大手との契約を獲得していきたいと考えています。しかし、直接営業アプローチしても相手にされません。小さな会社がWEB経由で大手企業から契約を獲得することは可能でしょうか?

<回答>

結論から言うと可能です。
しかしWEBだけでBtoBの契約が完結することはほとんどありません。
その為、WEBをフックにして契約を勝ち取るための分析テクニックと事例を紹介したいと思います。

グーグルアナリティクスで、自社サイトを閲覧している組織名を知る方法

まず、グーグルアナリティクスを使って、どんな企業が自社のWEBサイトを閲覧しているのか知る方法を紹介します。
それには「ネットワークドメイン」という項目を使います。

1.「集客>チャネル」を選択
2.ディメンションで、「その他>ユーザの環境>ネットワークドメイン」を選択

集客>チャネル

3.アドバンスフィルタで「co.jp」のドメインに絞り込みます。

アドバンスフィルタ

大手企業は独自のネットワークドメインを持っている事が多いため、この絞り込みでどんな企業が自社のサイトに訪れているのか判るというわけです。

「.com」でフィルタをかければ.comの企業も出せますし、ac.jpでフィルタをかければ教育機関を割り出すことも可能です。

ネットワークドメイン

ドメイン名を見ただけで、どこの企業が判別がつかない場合は、ドメインの前に「http://ドメイン」で検索してみるか、「whois」といったドメイン名登録情報検索サービスを使って企業名を割り出すことも可能です。

特定の企業が自社のどんな商品(コンテンツ)に興味を持っているか知る方法

WEBサイトに数多くの商品や提供サービスを掲載している場合、自社のどんな商品・サービス(コンテンツ)に興味を持たれているか調べることができます。
これには様々な確認方法があります。

セグメントを使った分析方法

1.新規セグメントを作ります。レポート(どのページでも良い)上にあります、下記のセグメントをクリックします。

セグメント

2.「新しいセグメント」をクリックします。

新しいセグメント

3.セグメントの設定画面が開かれるので、必要事項を入力します。

セグメント名は自由です。わかりやすい名前にしましょう。ここでは「組織分析(企業ドメイン)」としています。
次に「条件」をクリックして、フィルタで「ネットワークドメイン」を選びます。大手企業なので「co.jp」でフィルタをかけて最後に保存をクリック。

組織分析セグメント作成

これで大手企業だけの行動を把握するセグメントが完成しました。

企業ドメインセグメント

様々な項目でこのセグメントを使うこと、大企業だけのデータに絞り込んで見ることが出来ます。

また「3.」のco.jpでフィルタをかける部分を特定のネットワークドメインにすることで一企業だけのデータにセグメントすることも可能です。

*共有:グーグルアナリティクスレポート「企業セグメント(co.jp)」

特定の企業がどのページを見ているのかを調べる方法

1.「行動>サイトコンテンツ>すべてのページ」を選択
2.「セカンダリディメンション>ユーザー>ネットワークドメイン」を選択

特定の企業が興味を持っているページ抽出

3.アドバンスフィルタで「co.jp」ドメインを抽出。

アドバンスフィルタでco.jp抽出

特定企業の滞在時間

このレポートより、どの企業が、どのページを、どのくらい(滞在時間・ページビュー等)閲覧したのかが判ります。

組織分析レポートを活用して、営業アプローチする方法

前項により、どの企業が自社のどんなサービスに興味をもったのかが推測することが可能です。
しかし、それがわかっただけでは、自社の売上や契約には結びつきません。
ウェブ担当者がこういった情報を知ってサイト改善を行ったとしても、大手企業がいち中小企業に直接問い合わせをしてきて商談を申し込むなんて事はかなり稀です。
残念ながらデータはデータでしか無いのです。

そこで重要になってくるのが情報の共有です。
ウェブ担当者が自社内の営業担当や社長に情報共有することで、リアルでのアプローチが可能になります。

もしかしたら、先日営業担当が何かのイベントで名刺交換した相手かもしれません。そうすると直接アプローチが可能になりますね。
全く接点がない大手企業へは飛び込み営業では見向きもされないかもしれません。しかし相手の興味を持っている内容がわかっていればその部分に特化した資料を送付して後で電話からフォローするなんて方法を取れば取り合ってくれるかもしれません。

こういった対策はウェブ担当者がアクセス解析を眺めているだけではなかなか出てきません。
組織分析データは、社内の各担当者と共有することで大きな武器へと変わるのです。

WEBサイトの組織分析を活用して、大手企業の契約を勝ち取った会社のお話

販促物でお手伝いさせていただいた、ある会社の事例です。

「WEBサイトを見てくれていた某大手メーカーとの契約が決まったよ!」
先日こんな声が飛んできました。

この会社は、社員数十人の製造業で、売上には波があり、大手メーカーとの直接契約を取るにはどうすればよいかずっと悩んでいました。
WEBサイトを運営していましたが、地方の小企業に大手企業から問い合わせが入るわけでもなく・・・・

そこで、今回の組織分析を活用して、どんな企業がサイトを見ているかを分析することになりました。
すると・・・・、見ているではないですか!!数々の大手企業が。

さらに、大手企業の流入キーワードを調べたところ、あるメーカーが調べていたキーワードが自社の強みとマッチしていて脈があるのではないか?!という事が判明しました。

しかし、次に立ちふさがった問題はアプローチする方法がない事。
そのメーカーは直接営業を受けず、商社を活用して紹介を得る手法を取り入れていました。

そこでこの会社がとった打開策は
「東京の展示会に出展しよう!」ということでした。

国内外多くのメーカーが集まる展示会に出展すれば接点を持てる!と考えたのです。

数千社・もしくは数万社も人が集まる大きな展示会は、大企業の方も多く訪れますが、その分競争は激しい。
そんなにうまくいくはずないのでは、と半信半疑でした。

そこで、WEB解析により大企業が注目していたキーワードを、ブースのポスターやパネルに使いました。

すると、実際にWEBサイトを見てくれていたあの大手メーカーがブースにやって来たのです。

そこからは何に興味を示しているのかわかっていたので、契約に至るまでの話は早かったようです。もちろん初めから大きな契約を結べたわけではないですが、今後大きな契約に変わる可能性はあるということでした。

本件はひとつの成功事例にすぎませんが、組織分析を使えばBtoBビジネスの小さな会社でも新たな可能性が広がると事を改めて認識させてくれました。

競合が多い業界でも、集客していくためのWEB戦略

歯科医院の数はコンビニの数を超え、過当競争が起きています。(特に首都圏)予算が限られた小さな歯科医院でも、知恵と工夫で集客するためのWEB戦略を紹介します。

<質問>

歯科医院を営んでいます。
保険適用の診療が多く、他院と比べて特別なことをやっているわけではありません。
ホームページに掲載する内容がなくて困っているのですが、何を書けばいいのでしょうか。

<回答>

歯科医院は、事業所数が多く、色んなエリアで過当競争が起きています。多くの事業所が患者獲得のために広告宣伝活動を行っていますが、WEBではどのように考えるべきなのでしょうか。

「普通の歯医者さん」が集客する戦略は、大きく分けて2つあります。

集客戦略① 宣伝費をかけ、露出を増やす戦略

1つ目は、広告宣伝費をかけて露出を増やす事。駅前の看板・WEB広告などがそれに当たり、歯科医院の認知と浸透を高めることが目的です。競合の他院よりも良い場所に良いデザインの看板を確保することが肝になります。
予算が限られた場合は、地域を絞り集中的に広告に資本を投下すると、比較的高い効率で集客できます。
(参照記事:地域を絞って、低予算で集中的に集客する5つの方法
しかしながら、この戦略のデメリットは、コストがかかり、他院と競るポイントも費用になりがちです。同じエリアにより資本が強い歯科医院があると、なかなか勝機がつかみづらいという難点があります。

集客戦略② 差別化ポイントを作り、ターゲットに浸透させる戦略

そこで小さな歯科医院にお勧めしたい2つ目の戦略は、他院との差別化を作り、浸透させる事です。
予算が小さいところは、知恵と工夫で勝負です。
「他院と比べて特別なことをやっていない」事業所でも、どうにかして「差別化」していくかという事に尽きます。
今回はこの2つ目の「差別化ポイントを作り、ターゲットに浸透させる事」をメインに話を進めていきます。

まずは、マーケットの全体像を見渡してみる

歯科業界を1つのマーケットと考えた時、現在では様々な治療を受けられるように多様化しています。業界のポジショニング
・保険適用の虫歯治療
・保険適用外のインプラント
・保険適用外のホワイトニングや矯正治療

保険適用では、虫歯治療の後に金属の詰め物や入れ歯を使用します。一方、保険適用外の診療では、セラミックの詰め物や義歯、インプラントをして、審美や耐久が良くすることが出来ますが、その分費用も高くなります。

価格が高いことが差別化ではない

差別化は、価格を高くすることではありません。
他院ではやっていない事、強く押し出していないことを、訴求することです。
他院では叶わなかった、患者の「ニーズ」や「ウォンツ」を満たすことこそが差別化です。

マーケットから見た、自社のポジションは?

今回のケースでは、保険適用の診療が多く、特別に自由診療を推し進めているわけではないようです。自社のポジショニング
価格も業界全体で見ると低く、また、品質も自由診療と比べると低めというポジションにおくことができます。

ポジショニングをデザインに投影する

色味や写真の選び方により、品質や価格感を伝えることができます。
まず、色味は、その選び方によって、高級感やお得感を表現することができます。(詳しくは「サイトの配色を決める時に抑えておきたい色の特徴とWEBデザイン」参照)

また、写真のクオリティーは、それがそのままクラス感となって、見る人に伝わります。
カメラマン撮影のハイクオリティな写真は、ハイクラスを印象づけ、一方で、素人が撮影したクオリティの写真は、庶民的なクラス感を印象づけます。

地域の特徴を理解しておく

首都圏のような過当競争エリアの場合、例えば徒歩10分以内、車で10分以内のエリアは、どのような住民が多いのかを念頭に置いておきます。例えば、

・昼間はビジネスマンが多いオフィスエリア
・平日昼間は女性・子供が多く、休日は家族が賑わう住宅エリア

例えば、オフィスエリアには、
医療費にお金をかけない20~30代の若手サラリーマンもいれば、費用を投資と考える経営者もいます。

また、住宅エリアには、
自分の医療費にお金をかけない子持ちの母親がいれば、嫁入り前で医療費にお金をかける若い女性もいます。

ポジショニング×地域特性から考える「差別化ポイント」

差別化は、他院との違いを表現することです。技術で差別化できる医院はほんの一握りです。しかし、「誰の」「どんなニーズに応える」限られた状況下で、他院を凌駕することは出来るでしょう。

例えば、「サラリーマンの」「昼休み中に最短で治療したい」ニーズの方には、時間厳守で保険診療をすることが強みになるでしょう。

例えば、「乳幼児のママの」「子供を連れて治療したい」ニーズの方には、個室でベビーカーも入れる診療室が強みになりますし、土日も診察している場合は、働くママも集客しやすくなります。

このように、「差別化ポイント」を踏まえることで、医院の特徴をつけることができます。

差別化ポイントは、広告もリアルも一貫して徹する

言うまでもなく、差別化ポイントを一貫して患者に伝える姿勢をとることが大切です。
万が一、ホームページで期待したことが、医院では遂行されなかった場合、その患者は二度とその医院に行かなくなります。それだけでなく、WEBに口コミとして書かれた場合は、第三者もそれを読むことになり、悪評が拡散する事態になります。
差別化ポイントを作りだすことは大事ですが、飽くまでリアルのサービスと結び付けて、一貫できる内容にしましょう。

差別化とは、価値を創りだすこと

今回、差別化ポイントをいかにWEBで表現するかを見てきましたが、差別化とは価値を創りだすことです。
万人にとって価値を創りだすのは難しいかもしれません。
しかし、
・乳幼児連れで行きたい母親に
・昼休みの間に行きたいサラリーマンに
が安心していけるという価値を創り、発信していることに他なりません。

過当競合がひしめく業界は、歯科医院以外にもたくさんあると思いますが、このようにターゲットを絞って広告展開して活路を見いだすケースが多くあります。

差別化した医院の成長フェーズ

いったん、「母親向け」に差別化して集客を始めた場合、男性向けや子供向け、高齢者向けへの集客が弱まってしまうのではないかという質問をよせられることがあります。
WEBでは「サテライトホームページ」という考え方があります。つまり、「母親向けホームページ」「男性向けホームページ」「高齢者向けホームページ」など、ホームページをそれぞれ作成して横展開していくことが可能です。

ある限定ターゲットへの集客基盤を築いたら、次のターゲットへの集客基盤を築いていく、このような積み重ねをして、WEBマーケティングを考えていくと良いと思います。(下図内の第2・3段階)

この記事冒頭の<回答>に戻りますが、これは唯一の集客戦略ではありません。
広告宣伝費に予算を割けるようになった時、地域住民への認知や浸透を高める広告にシフトしていくと、より医院の成長につながると思います。(下図内の第4段階)

歯科医院の成長フェーズと集客戦略

生産キャパを越えた会社のWEB運営を考える

<質問>

WEB運営が順調に進んでいるおかげで、一定の受注が来るようになりましたが、
生産量を超えてきてしまいました。
品質にこだわりたいため、スタッフの増員や拠点を増やすのは難しい状況です。

こういう時、他の会社はどのようにして乗り越えていますか?
また、ホームページは閉鎖したほうが良いのでしょうか?

<回答>

それは嬉しい悲鳴ですね。分かれ道
会社が次のステップに進もうとしているのでは。以下のような成長戦略の見直しが必要ですね。

◇ 今後事業を拡大していきたいのか?
◇ どの顧客のどのニーズに応えていきたいのか?

ここで、例として、生産キャパを増やさずに成長戦略をとった製造業の事例を紹介したいと思います。

事例紹介

業種:製造業、いわゆる町工場
所在:東京都内
規模:従業員30名
お仕事内容:お客様の図面をもとに、製品の量産を行なっている
受注プロセス:見積依頼⇒発注⇒試作⇒量産
主な顧客:各業界のメーカー、中堅部品メーカー

リニューアル直後、徐々に増えてきたお問合件数とその考察

ホームページをリニューアルしてから、様々な業種・業界から、見積依頼が届くようになりました。
最初は月に2・3件程度でした。
見積して受注につながらないもの、受注しても利益率が低いものなど、様々なものが混じっていました。

しかし、3ヶ月経過すると、高確率で受注できる特定の技術分野があることに気付きました。
市場のニーズがどんどん増えていることや、それに応える同業者が少ないことを感じとっていたのです。
それだけでなく、利益率も比較的高いことがわかりました。

そこで、ホームページを更新します。特定の技術に関連する内容を比較的多くしました。それと同時に、SEO対策をするキーワードも、特定の技術を探している人が調べるであろうキーワードに変更しました。
1ヶ月後には、アクセス数も増え、お問合せもさらに増えました。

最初の受注ピーク時の乗り越え方

やがて、生産量が追いつかなくなりました。
人づきあいを大切にする社長さんだからこそ、お仕事を断らない主義でやってきたからです。

社長は、一時的な需要だと思い、まずは操業時間を増やすことで対処します。スタッフに残業代を支払い、営業時間を増やしました。
それでも生産が追いつかないので、工場を昼稼働・夜稼働の二部制に分け、すでにある自動化設備の台数も増やしました。

こうして、限られた設備と人的資源をフル活用して、供給量を最大限に増やしました。

転換期に決めたこと

生産量が追いつかない時期も一時的なものだと思ってしのいでいましたが、半年も続くと、今後も継続するものだとして、戦略を練るべきだと考えました。

まずは社長のこだわりであった「お仕事を断らない」主義を変える必要が出てきたのです。元々は不況を乗り越えさせてくれたお客様を大切にしたいという一心から生まれた考えでした。

そこで、お客様を「新規顧客」と「リピート顧客」に分けて、このような主義を全社統一で掲げることにしました。

新規顧客よりも、リピート顧客を優先して受注を受ける

新規顧客開拓も大切ですが、リピート顧客と長く付き合っていくことは財務上安定することを重視していました。
また、リピート顧客は、大口・小口に関わらず引き続き大切にお付き合いしていく事がその会社のポリシーだと決めて、全従業員に伝えました。
したがって、新規で生産量が追いつかないからという理由で発注を断るのは、基本的にNGとしました。

新規顧客は、厳選して引き受ける

新規顧客に関しては、基本的にお断りしながらも、優良企業や今後継続的な仕事が見込める内容に絞り、金額も多少上げました。同社の技術を高く買ってくれるところのみが、新たな取引先になっていきました。

その時々に、ホームページを変更

問合せが入り始めた時

高確率で受注につながった『特定の技術』を求めているユーザー向けにホームページを更新しました。
関連する内容を新たに3ページ分追加し、製品写真や技術的な内容を大幅に追加。
さらにその技術を求めている人が流入するよう、キーワード対策・SEO対策をしました。

一番最初のピーク時

超多忙の時に社長からお電話をいただき、このように一文を入れました。TOPページに目立つ色で入れています。
「ただいま生産が追いついておりません。納期を通常よりも長く頂く場合があります。」

転換期

『特定の技術』以外は、目立たないような構成に変更。
またホームページに訪れた人の第一印象を変えるべく、親しみのあるデザインから、堅実でスタイリッシュな色味のデザインに変更しました。

正のサイクルが生まれたホームページ運営

今回紹介させていただいた企業では、ホームページリニューアルをきっかけに財務・マーケティングの両面で大きなブレイクスルーをもたらしました。
同社の特筆すべき点は3つあります。

大幅に改善された財務状況

売上金額に変化が現れました。しかし、それ以上に変化したのは利益率です。
同じ売上金額や生産規模でも、利益率が上がったことにより、財務体質の強化につながりました。

マーケティング手段としてのホームページ

「お問合せ内容」を通じて、市場からみた自社の価値を敏感に感じ取っています。例えば、見積依頼で届く図面やその業界を見るだけでも、市場の動向がわかるそうです。
特に、リニューアル後3ヶ月で振り返り、機敏に動いたことは、今の状況を作り出すきっかけになりました。

状況に応じて変えたホームページの姿

財務状況やマーケティングの状況に応じて戦略を考え、また、ホームページの内容を変えることは、今回のように有効な場合が多いです。
そして、莫大な予算を投じなくても、簡単にできることばかりです。
中小企業が限られた予算で効果的にホームページを運営できた良い例なのではないかと思います。

今回の例の紹介がお役に立ったら幸いです。

ホームページの目標設定は、経営者の腕の見せ所

 

<質問内容>

ホームページを作って、アクセスログを設定しました。
その際、目標ページを設定する項目があったのですが、何を目標ページに設定すればよいでしょうか?
現在、サイト内にある問合せフォームがあるのでフォームの送信完了ページが妥当なのでしょうか。

<回答>

よくあるホームページの目標(例)

ホームページの目標(コンバージョン)には様々なものがあります。

○ 雑貨の通販ホームページ ⇒ 決済金額
○ レストランのホームページ ⇒ 予約回数
○ ダンスレッスンのホームページ ⇒ 体験レッスン申込み数
○ カウンセラーのホームページ ⇒ メルマガ購読者数
○ 工場のホームページ ⇒ 見積もり依頼数
○ メーカーのサポートサイト ⇒ 問題解決回数

等など、よく例に挙がっているかと思います。
実際、この例にならって決める方も多いと思います。

でも、これを適当に決めないでください!!
実は、WEBにおける目標設定こそ、経営者の腕の見せ所。
WEBにおいて効果を出せるかどうかの分かれ道です。

もしも、あなたの商材が高級モーターボートだとしたら

例えば、あなたの商材が高級モーターボートだとして、
ホームページの目標を
「モーターボートを購入し、WEBで決済まで完結すること」
にしたとしても、目標は達成しづらいでしょう。

何故でしょうか。
おそらく一生に何度も購入しないような高額商材。
男のロマンを満たす質感やストーリーが欠かせないのではないでしょうか。

となると、インターネットで情報収集をしても、購入するのは実物を目で見てからという人が圧倒的多数なのではないでしょうか。

では、あなたが高級モーターボートのWEB担当者なら、WEBサイトの目的を何にしたらよいのでしょうか。

最初から「お問合せフォーム」ではなく、
例えば、資料請求や試乗会の募集を、WEBの目標にすれば、やるべきことも明確になります。
その為の施策や演出をWEBで考えることに集中し、販売やクロージングは営業担当者に任せることができます。

WEBの反応装置いろいろ

WEBには色んな反応装置が考えられます。
あなたのビジネスに最も見合う反応装置を選ぶことこそ、経営者の腕の見せ所です。

 

WEB反応装置

 

受注数最大化する反応装置とは

WEBの反応装置を何にするか、またオフラインにどうやってトスを投げるのかは
ROIや受注数を最大化していく上で、鍵となります。
定期的に(例えば数カ月ごとに)見直していくと良いでしょう。

これらの反応装置を複数組み合わせて使うことも効果的です。
反応装置を変えるだけで、WEB経由の受注数が劇的に増えたり、そして減ったりします。

マーケティングで言う所の、バリューチェーンやタッチメディアの考え方ですが
どこまでを、インターネット(オンライン)で行い
どこからを、リアルの世界(オフライン)で行うのか。
そこに経営センスやWEBセンスが光ると思います。
WEB戦略の醍醐味です。

経営者とWEBコンサルタントのマリアージュ

WEB戦略においては、WEBコンサルタントに頼るのも良いでしょう。

経営者とWEBコンサルタントが
1+1 が、2ではなく、
3,4,5となるよう、相乗効果が出るとしたら、
その業界のプロとしての経営者と、
WEBのプロとしてのWEBコンサルが
お互いのセンスを発揮して
強い戦略を実行できる時ではないでしょうか。

WEBからの見積依頼を受注に変える5つのコツ

<質問内容>

毎月10件近くホームページから見積依頼がきますが、受注できるのは月に1件ほどです。
WEBで受注をするのは、やはり難しいのでしょうか。

<回答>

WEBからの問合せがあった時、どのような応対をするかで受注率に大きく差が出てきます。
私がこれまでに担当させていただいたお客様の中で、受注率が7割を超える会社に共通する5つの特徴をお伝えしたいと思います。

[その1] 問合せ後、2時間以内に電話して、コミュニケーションをとる

WEBからの問合せメールは携帯に転送し、遅くても2時間以内に電話連絡。
「見積もりのご依頼ありがとうございます」から始まり、見積内容の確認をしていく中で、相手の相場感や担当者が本当に求めていることを引き出します。また、予算についてもヒアリングするそうです。
メールの問合せに対して、電話ですぐに折り返しがくるのは、相手に印象が良くなることでしょう。
特にBtoB取引の場合は、担当者が働きやすい環境を作るのが第一です。早いレスポンスや内容の濃いヒアリングは、担当者の印象も良くなることでしょう。

[その2] 1回目の取引は、ご縁を築くことを目的に

初回の見積りは、会社で最も重要な顧客に接するに、大切に接します。まずは役員クラスの人間が応対し、今後も付き合っていきたい会社なのかどうかを判断。小さな会社であれば、社長自ら出るところも。
初回の取引では利益よりも、その会社との縁を築くことを重視して、

[その3] 的外れの依頼が来た場合も、次につながる関係を築く

自社ではできない場合も、「出来ません」とは言いません。
しかし、外注になるのでコスト高になることを丁寧にお話し、自社がどの分野で強みを発揮できるかを案内。たまたま今回のご依頼が対応不可だったとしても、次回にまた見積依頼を出してもらえる関係を築くことを心掛けます。

[その4] 営業コストをかけなかった分、初回割引で還元する

営業マンが新規開拓している場合、1件あたりいくらの経費がかかるでしょうか。
受注率の高い会社の多くは、この経費分を「初回取引限定の割引」として、還元しています。
ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)という言葉をご存知でしょうか。1つの取引先やお客様がもたらす利益や価値の事です。
受注率が高い企業ほど、ライフタイムバリューを念頭においた見積もりをしている会社が実に多いものです。

[その5] 全てのお客様を受注すべきとは限らない

WEBでの見積依頼は本当にいろんな会社からきます。
今後、見積・受注後もお付き合いが継続するとして、あなたの会社にプラスになる会社もあれば、マイナスになる会社もあります。
また、経営状態が悪化している会社は、入金回収のリスクもあるでしょう。
初回取引前になるべく人間関係を築き、ジャッジする目をもつことが肝要です。

WEBからの見積依頼、2つのパターン

WEBからの見積依頼には、2つのパターンがあります。
・相見積
・ご指名見積もり
相見積では、数か所に同じ仕事の見積依頼を出し、価格や条件を比較して発注先を決めます。
一方、ご指名見積もりでは、発注先が決まった上で、見積依頼を出し、価格や条件を決めていきます。

WEB経由の見積依頼は、その多くが相見積だとです。
しかし、相見積で一度取引をしたお客様は、次回からご指名の見積もりを出すことも多いそうです。
(私の聞く限りでは、5割前後の方がリピートする方が多いようです)
出会いのきっかけが相見積でも、最高の顧客のように接してくれる会社に、次回も発注したい。そう思うのは、自然なことなのではないでしょうか。